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7月26日は「幽霊の日」 孫悟空が二度生き返ることになった意外な理由とは?

マグミクス / 2022年7月26日 7時30分

7月26日は「幽霊の日」 孫悟空が二度生き返ることになった意外な理由とは?

■『ドラゴンボール』のキャラはほとんどが幽霊経験者?

 本日7月26日は「幽霊の日」。その起源は古く1825年、江戸時代に『東海道四谷怪談』が初演された日だからだそうです。

 近年、幽霊というと怪談のようなものだけでなく、さまざまなジャンルの作品で登場していました。なかでもアニメやマンガの分野では、よく描かれる存在かもしれません。人によって、いろいろな幽霊キャラを思い出すことでしょう。そのなかで筆者が今回注目したのが『ドラゴンボール』でした。

 一見すると幽霊とはまったく無縁の作品に思えますが、登場人物のほとんどが死んでいるという点を考えると、幽霊になったことのあるキャラがもっとも多かった作品かもしれません。すべてはドラゴンボールで生き返っているからで、幽霊を意味する頭の輪をつけたキャラは多く存在します。

 特に主人公である孫悟空は二度も死んだうえに、二度も生き返っていました。幽霊と言うには異論を唱える人もいるでしょうが、個人的には「史上最強の幽霊」と言える存在だと思います。

 この『ドラゴンボール』の世界の幽霊は、大きくふたつの存在に別れていました。ひとつは霊魂とも言える魂だけの存在。個別に見分けられない昔ながらの人魂のようなオバケの形です。閻魔大王に審判してもらうため、列を作って並んでいました。基本的に死後の状態はこの形のようです。

 もうひとつは肉体を持った状態。頭に輪がある以外は生前と変わらない姿をしています。この際、本来の肉体はどんな状態にあっても大丈夫なようで、魔人ブウとの戦いで粉々になったベジータも再生された状態で登場していました。

 ただ、肉体は再生できても生前のものがベースであるようで、ラディッツとの戦いで死んだ悟空の身体はあの世での修行のため、現世から姿を消しています。また、年齢も死んだときの状態が維持されるらしく、悟空の育ての親だった孫悟飯は死んだ直後と思われる状態で悟空の前に現れていました。

 特筆すべきは、この肉体がある状態の利点です。それは生前と同じく、肉体を鍛えられることでした。悟空は死んでいる状態で超(スーパー)サイヤ人2はおろか、誰にも到達できなかった超サイヤ人3まで習得していました。

 永遠に滅ぶことのない肉体でどこまでも修行できる環境は、悟空にとっては夢のような環境だったことでしょう。生前、「精神と時の部屋」での修行時に休むことの重要性を語り、自身が超サイヤ人2になることをあきらめていた悟空ですが、死んでからは超サイヤ人3になっただけでなく、フュージョンといった新技の習得もしていました。まさしくあの世は、修行好きな悟空にとって天国だったかもしれません。

■悟空が生き返った理由は行動パターンにあった?

 悟空が死んで息子の孫悟飯に主人公の座を譲って以降、いくつかの気になる部分があります。それは悟空らしからぬ行動が見受けられたことでした。悟空にとって、もっとも悟空らしいと思われるのが強敵と戦うことに喜びを感じることです。そして、あくまでも勝ち負けは二の次と思っている点でしょうか。

 もちろん実兄のラディッツとの戦いのような危機的状況ではピッコロと手を組んで2対1で戦うこともしますが、純粋ブウとの最終決戦では勝ち負けよりも1対1にこだわって戦いました。

 また、死のきっかけとなったセルゲームでは悟空は自身が勝つことよりも、セルという強敵と戦うことを優先していました。これも、自分より高い戦闘力を有することになった悟飯がいたことで、地球の危機を救うという使命よりも自分の力を試したいという欲求が優先した結果なのでしょう。

 ところが、魔人ブウとの最初の戦いでは時間制限があったとはいえ、超サイヤ人3になりながらも途中で戦いを止めていました。しかも、後にあの時は勝てたとまで言っています。自分が死んでいるから未来のことは生きている人間に任せる。……そう釈明していますが、これまでの悟空らしくない判断です。

 おそらく悟空の言うことは死んだことで芽生えた境地。一種の悟りのようなものなのでしょう。それゆえに悟空は老界王神の命をもらって生き返った後は、生前のような自分本位の考えに戻ったのかもしれません。

 そう思うと、悟空が死んでいたころの行動がどこか達観している点も納得できます。あの頃の悟空は死んだことで、生身の頃にあった我欲がなくなった状態だったのかもしれません。どこか宗教的な考え方ですが、納得できる部分が多々あります。

 この悟空らしからぬ行動パターンはどちらかといえばサブキャラの動き方で、本来の『ドラゴンボール』の主人公である孫悟空らしくありません。そう考えると悟空が本来の自分を取り戻すことは、イコールで主人公に返り咲くという意味を持つということです。

 魔人ブウ編以降は悟飯が主人公とされていたのが、いつの間にか悟空に変わっていた最大の理由はここにあるかもしれません。悟飯に主人公の器がなかった以上に、悟空が主人公らしい動きをしたことで主役交代という展開になったと考えられませんか?

 原作者の鳥山明先生も意図せず、悟空らしさを追求していった結果、いつの間にか主役が入れ替わったと考えられます。いわゆるキャラが自己主張した結果なのでしょう。

 そう考えると、死んでいて幽霊だった頃の悟空には魂というものが欠けていたのかもしれません。強引な考え方ですが、アニメ『ドラゴンボール超』の悟空が子供のような行動が目立つのは、死んで抑圧されていた魂の開放だと考えるとつじつまが合います。

(加々美利治)

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