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『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』BS12で放映 リメイク版から消えた森雪へのセクハラ

マグミクス / 2022年8月21日 15時10分

『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』BS12で放映 リメイク版から消えた森雪へのセクハラ

■38年ぶりとなったリメイク作

 現在も続くアニメブームの発火点となったのは、1974年~75年に日本テレビ系で毎週日曜の夜7時30分から放映されたTVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』でした。宮川泰氏による勇壮なオープニング曲が、今も耳に鳴り響いている人も多いのではないでしょうか。それまでの子供向きのTVアニメとは異なる本格的なSF設定の物語に、中学時代の庵野秀明監督らが夢中になったことが知られています。

 裏番組に高畑勲&宮崎駿コンビによる名作アニメ『アルプスの少女ハイジ』(フジテレビ系)や円谷プロ製作の『SFドラマ 猿の軍団』(TBS系)などもあり、TVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト』の初回放送時の視聴率は振るいませんでした。しかし、全26話を2時間31分に再編集した劇場版『宇宙戦艦ヤマト』(1977年)は、空前の大ヒットを記録。西崎義展プロデューサーの名前は一躍有名となり、『宇宙戦艦ヤマト』は続々とシリーズ化されることになりました。

 2013年には、オリジナル版『宇宙戦艦ヤマト』から38年ぶりのリメイク作となった、全26話構成の『宇宙戦艦ヤマト2199』がTBS系で放映されました。劇場公開された『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』(2014年)は、その総集編となります。2022年8月21日(日)の夜7時からBS12の「日曜アニメ劇場」で放映される、『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』の見どころを紹介します。

■オリジナル版をリスペクトした内容

 リメイク作『宇宙戦艦ヤマト2199』を手掛けたのは、メカニックデザイナーとして著名な出渕裕監督です。出渕監督もオリジナル版に魅了されたひとりです。『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』は、全26話を130分にまとめています(出渕監督は『追憶の航海』では監修としてクレジット)。また音楽は、宮川泰氏の実子・宮川彬良氏がオリジナルスコアをベースに現代的にアレンジしたものとなっています。

 オリジナル版のファンが最初に気づくのは、キャラクターデザインの変更でしょう。オリジナル版の松本零士氏から、ゲームキャラクターのデザインなどでも知られる結城信輝氏に変わっています。沖田十三艦長、古代進、島大介、真田志郎、森雪ら、オリジナル版を踏襲した主要キャラクターたちが登場しますが、雰囲気はずいぶんと変わりました。

 基本的なストーリーは、壮大なスケールを誇ったオリジナル版をリスペクトしています。2199年の地球は、異星国家・ガミラスからの遊星爆弾による無差別攻撃を受け、放射能汚染に苦しんでいました。地球人類の滅亡まで、残り1年と迫っています。

 そこで沖田艦長ら宇宙戦艦ヤマトの乗組員たちは、はるか大マゼラン星雲にあるイスカンダル星まで汚染浄化システム「コスモリバース」を受け取りに向かいます。地球人類初となる超光速航行(ワープ)、究極の破壊兵器「波動砲」、古代進と森雪とのラブロマンス……。オリジナル版のファンを魅了した設定が、次々と21世紀に蘇ります。

■昭和期にはギャグとして描かれたスカートめくり

8月28日(日)にBS12で放送される『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』 (C)西﨑義展/2014 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会

 オリジナル版ではヤマトの女性乗組員は、森雪しかクローズアップされませんでしたが、『宇宙戦艦ヤマト2199』では女性キャラクターが大幅に増え、『追憶の航海』でも大いに活躍します。情報長の新見薫は、新しいヤマトにとって重要な存在です。また、航空隊には女性パイロットの山本玲がいます。衛生士の原田真琴、船務科士官候補生の岬百合亜も、欠かせない人材です。

 女性クルーが活躍する一方、オリジナル版にあった森雪へのセクハラシーンはなくなっています。オリジナル版のTVシリーズでは、分析用ロボットのアナライザーによる森雪のスカートめくりが、ギャグとしてたびたび描かれていました。しかし、アナライザーによる森雪へのセクハラシーンは、リメイク版からは消えています。

 また、オリジナル版のTVシリーズでは、初ワープの際に森雪が全裸に見える幻想的なシーンがありましたが、これも『宇宙戦艦ヤマト2199』ではマイルドな描写に留めています。今回の『追憶の航海』では初ワープシーンそのものが、あっさりしたものになっています。

 女性キャラクターの増員やセクハラシーンのカットにも、昭和期に製作されたオリジナル版から時代が大きく変わったことを感じさせます。

■ガミラス人との和解は可能か?

 オリジナル版から脚色されたポイントで、もうひとつ注目したいのは、地球のことを「テロン」と呼ぶ、ガミラス側の視点が大幅に入っているところです。デスラー総統による軍事独裁政治が続くガミラス帝国ですが、ガミラス人全員が必ずしも地球との全面戦争を望んでいるわけではないことに、ヤマトの乗組員たちは気付きます。

 戦いのなかで多くの命が奪われ、地球とガミラスは激しく憎しみ合うようになりました。しかし、裏表のない真っ直ぐな性格の古代進や森雪らと交流することで、地球人に好意を抱くようになるガミラス人も現れます。

 異なる文明を育んできた地球人とガミラス人は、果たして理解しあい、和解することはできるのでしょうか。リメイク版『宇宙戦艦ヤマト2199』と『追憶の航海』には壮大な冒険とロマンスの復興に加え、平和を願うテーマ性も感じさせます。今、観るべきアニメだと言えるでしょう。

(長野辰次)

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