40周年迎えた『マクロス』シリーズ 近年特に再評価されている作品3選

■歴代作品のなかでも近年再評価をされているのは？

　1982年にTVアニメ『超時空要塞マクロス』が放送されてから40年。その間には歌とメカアクション、三角関係といった定番要素をおさえながらTVアニメや映画、OVAなどさまざまなメディアで多くの作品が展開され、『マクロス』はアニメにおける一大シリーズとなり、2019年にはNHK BSプレミアムの投票企画「全マクロス大投票」も行われました。

　しかしそれから3年が経ち、シリーズ作品を巡る状況も変わってきているように感じます。そこで今回は近年、再評価が進んでいる3つのアニメを紹介します。

●シリーズの元祖で根強いファンも多い『超時空要塞マクロス』

　言わずとしれたシリーズ初作品です。1982年から1983年にかけてTVアニメが放送されたのち、1984年に『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』が公開。1987年にはミュージックビデオとなるOVA『超時空要塞マクロス Flash Back 2012』も発売されました。

　特に『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』は今も高く評価され続ける名作ですが、古い作品だけに未見の若いファンもいたはず。しかしスマートフォン用リズムゲーム『歌マクロス スマホDeカルチャー』をきっかけに、「愛・おぼえていますか」はもちろん「小白竜」「天使の絵の具」「ドッグファイター」といった『超時空要塞マクロス』の名曲の数々を初めて知った人、改めてその魅力を噛み締めた人も多いでしょう。

●「大投票」1位の人気作品『マクロスF』

『劇場短編マクロスF ～時の迷宮～』キービジュアル　 (C)2021 BIGWEST/MACROSS F PROJECT

　シリーズ25周年記念作品として2008年にTVアニメが放送された『マクロスF』。本作は「全マクロス大投票」の作品部門で1位を獲得したことでも分かるとおり大人気となり、その後、2009年には『劇場版 マクロスF 虚空歌姫～イツワリノウタヒメ～』、2011年には『劇場版 マクロスF 恋離飛翼～サヨナラノツバサ～』が公開されました。

　そして2021年には単独では10年ぶりとなる完全新作『劇場短編マクロスF ～時の迷宮～』が上映されました。13分ほどの映像でしたが、ランカをはじめとしたキャラクターやライブシーンなどの魅力は健在。まだまだ続きが描かれそうな締めで、『マクロスF』ファンの思いを再燃させました。

●2021年公開の映画で評価急上昇！『マクロスΔ』

『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』キービジュアル　 (C)2021 BIGWEST/MACROSS DELTA PROJECT

　2022年時点で最新作となるのが『マクロスΔ』です。本作は2016年にTVアニメが放送され、これを再構成した『劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ』が2018年に公開されました。

　その後、2021年に『劇場短編マクロスF ～時の迷宮～』と同時上映されたのが『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』。完全新作となるこの作品は名シーン連発のうえにとてもまとまりがよく、シリーズファンの多くが絶賛しました。またこの8月には、作中に登場する戦術音楽ユニットの声や歌を担当する女性たち5人によるユニット「ワルキューレ」が、単独では最後となるライブツアーを2023年5月に開催することでも話題となりました。

　ここまで近年再評価されている3つの作品を振り返りましたが、ほかにも『II』や『プラス』、『7』や『ゼロ』など印象的な作品の多い「マクロス」シリーズ。ファンの方は、シリーズ40周年のこのタイミングに改めて過去の作品を観て評価し直してみてはいかがでしょうか？

（はるのおと）