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『ドラゴンボール』不遇扱いナゼ? 愛されキャラなのに「出番無し」の魔人ブウ

マグミクス / 2022年9月4日 6時10分

『ドラゴンボール』不遇扱いナゼ? 愛されキャラなのに「出番無し」の魔人ブウ

■現在のブウの強さは?

『ドラゴンボール』には天津飯や餃子、ヤムチャなど、戦闘力の急上昇によって戦いについてこれず、戦場から遠ざかったキャラが何人かいます。しかし、その逆に強過ぎるせいで出番のなくなったキャラもいました。それが原作マンガでラスボスだった魔人ブウです。

 魔人ブウは驚異的な戦闘力はもちろん、自己再生能力に長け、他者の技を一度見ただけで再現する天才的なセンスも兼ね備えていました。まさに圧倒的な強さの持ち主でしたが、変身と分裂を繰り返すことで結果的に大きな隙を生みます。そして、本来の姿だった純粋なブウは、サタンにより善の心を持つようになったブウを分裂し、その善のブウの助けを借りた孫悟空によって倒されました。

 心がなく純粋に破壊を楽しむブウはその後、あの世で閻魔大王によって魂を浄化されて悟空の願い通り、ひとりの地球人へと転生します。それが原作マンガで悟空が最後に戦い、強くなる修行をするため共に旅立ったウーブという少年でした。

 一方、分裂したブウは悪の心がなくなったこともありサタンの必死の説得で、平和になった地球で「ミスター・ブウ」としてサタンと共に暮らすようになります。この時、ドラゴンボールの願いにより「魔人ブウ」の記憶は人々から忘れ去られ、ブウは普通の生活を送るようになりました。

 問題となるのはこの後、原作マンガで空白の時期だった物語を描いた『ドラゴンボール超』の話です。この作品でブウは、ほとんど活躍することがありません。それはなぜか? おそらく理由として、強過ぎてストーリーに組み込みづらいからと推測できます。

 この頃のブウの力はどの程度だったのでしょうか?

 ブウより間違いなく強いキャラは実際に戦って苦戦した純粋ブウ。その純粋ブウを倒した悟空。そして、ブウを子ども扱いした破壊神ビルス。さらにビルスの付き人のウイス。原作マンガ時点では優劣がわかりづらかったベジータも、その後の悟空とのパワーバランスを考えるとブウを超えた戦闘力を身につけていることでしょう。

 逆に原作マンガでは悟空を超えた戦闘力を身につけた孫悟飯は、著しくパワーダウンをしているのでブウよりも弱くなっている可能性が高いです。こうして振り返ってみると、ブウの強さは味方キャラのなかでもトップクラスにいました。

 復活して地球へ復讐に来たフリーザとの戦い、宇宙の命運をかけた「力の大会」に参加していた場合、どう考えても活躍することは必至です。直接の戦闘に関しては前述した3つの特徴があり、忘れがちですが他者を回復する能力も持っているブウは、あらゆる盤面で活躍する可能性がありました。

 こうなると設定を無視して意図的に弱体化させるか、最初から数に入れないようにするしかありません。そのため、『ドラゴンボール超』では、一度眠ると2ケ月は起きないという縛りを付けて登場させないようにしたわけです。

■ブウらしい戦いを見せたことは一度だけあった?

まるまるっとしたフォルムが可愛らしい魔人ブウ。画像は「ドラゴンボール改 DXF~Fighting Combination~vol.2 魔人ブウ」(バンプレスト)

それでは、このままブウがふたたび活躍することはないのでしょうか? ブウが実際に戦った例をいくつか振り返って見ます。

 原作マンガ後を描いた『ドラゴンボールGT』では、ベジータの身体を乗っ取ったベビーによってブウはバラバラにされ、純粋ブウの生まれ変わりであるウーブと一体化しました。これまでの作品内のパターンで言えば、融合合体していると格段にパワーアップしているはずですが、その後の戦いを見ると正攻法でベビーを圧倒するほどの力を得ていません。

 劇場版『ドラゴンボールZ 神と神』などでの破壊神ビルスとの戦いでは、相手にもならずに一方的に倒されています。もっとも、これはビルスが圧倒的に強いだけで、悟空ですら初戦で秒殺されているので仕方ありません。

 そして『ドラゴンボール超』で唯一の戦いが、「力の大会」前に行われた「全覧試合」でした。ここでブウは第9宇宙の戦士であるバジルと戦っています。この戦いではバジルの攻撃を平然と受け、身体に穴が空いても瞬時に治るブウらしい特殊能力を見せていました。

 前半はこのように余裕綽々で遊んでいたブウですが、観客席にいたサタンがバジルの攻撃でケガをすると一転、怒りだして本気を見せ始めます。そして、かめはめ波のような気功波でバジルを倒しました。

 こうして振り返ると、ブウらしい戦いができたのは『ドラゴンボール超』の一度だけのようです。そして、ブウを生き生きと動かすにはサタンが不可欠かもしれません。

 また、ブウの戦い方はコントを思わせるコミカルな動きが基本で、作品の主流である爽快でスピード感あふれるアクションとは対極にあります。その点もブウを作品で生かしづらい要因になっているのでしょう。

 総括すると、ブウは単純に強くてかませ犬になれない点と、独特な戦闘スタイルが他のキャラと合わせられないということがわかります。ブウを使うならば、相応の舞台が必要になるということでしょうか。

 たとえば今年公開された劇場版『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』では、孫悟飯とピッコロを中心に物語を進めるため、作品の最強戦士である悟空とベジータは地球から離れて大きな活躍のないまま終わりました。

 つまり悟空やベジータも、ブウと同じく他のキャラと合わせられない難しさを持つようになったということです。そのため、劇場版前作『ドラゴンボール超 ブロリー』では、味方側の登場キャラをしぼっていました。

 今後、アニメ化するかは不明ですが、マンガ版『ドラゴンボール超』ではブウが活躍することになる「銀河パトロール囚人編」というエピソードがあります。ネタバレ回避のために詳細は省きますが、これまで活躍してきた地球戦士が出てきて、そのなかでもブウは大きな活躍をしていました。

 このようにブウが活躍するエピソードは可能なのですが、その存在の大きさから考えると中心に置くしかないでしょう。そう考えるとキャラとして使いづらいということは間違いありません。

(加々美利治)

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