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『るろうに剣心』4作が「金ロー」で放映 『京都大火編』成功はギャップ萌えにあり?

マグミクス / 2022年9月2日 20時30分

『るろうに剣心』4作が「金ロー」で放映 『京都大火編』成功はギャップ萌えにあり?

■シリーズ最大のヒット作となった『京都大火編』

 時代劇は古臭い、日本ではハリウッドみたいなかっこいいアクション映画はできない……そんな旧来のイメージを大きく覆してみせたのが、実写映画『るろうに剣心』(2012年)でした。人気マンガの実写化に抵抗感のある原作ファンも少なくありませんでしたが、佐藤健さんをはじめとする原作のイメージに合った配役、斬新なアクション演出が評判となり、興収30億円を超えるヒット作となりました。

 さらに二部構成という形で、2014年に連続公開されたシリーズ第2弾『るろうに剣心 京都大火編』、第3弾『るろうに剣心 伝説の最期編』は、どちらも第1作の興収を大きく上回る結果を残しました。とりわけ『京都大火編』は、シリーズ最大のヒットとなる興収52.5億円を記録しています。

 2022年9月2日(金)の「金曜ロードショー」(日本テレビ系)では、夜9時から『京都大火編』、9月9日(金)は『伝説の最期編』を2週連続放映。さらに10月14日(金)、10月21日(金)は2021年に公開されたばかりの『るろうに剣心 最終章 The Final』『るろうに剣心 最終章 The Beginning』を2週連続で地上波初放映します。

 今週放送の『京都大火編』から、実写版「るろうに剣心」シリーズが成功した要因を探ってみましょう。

■かつてない強敵、瀬田宗次郎の登場

 時は明治時代。江戸時代末期に「人斬り抜刀斎」と恐れられた緋村剣心(佐藤健)は、生き方を改め、神谷薫(武井咲)の道場で平穏に暮らしていました。そんな折、抜刀斎の後任として人斬りをしていた志々雄真実(藤原竜也)が明治政府への恨みから、反乱を企てていることを剣心は知らされます。

 志々雄の野望を阻止するため、剣心は京都へと向かいます。旅の途中、武術の心得のある巻町操(土屋太鳳)と知り合うことに。しかし、志々雄に仕える武装集団「十本刀」のひとり、瀬田宗次郎(神木隆之介)が剣心の前に立ち塞がるのでした。

 少年の面影を残す宗次郎ですが、剣心にとってかつてない強敵となります。「縮地」と呼ばれる特殊能力を使い、スピーディーな攻撃で剣心を苦しめます。剣心が愛用している「逆刃刀」は、宗次郎との戦いで真っ二つに折れてしまいます。

 志々雄は宗次郎以上の強さを誇るとのこと。絶体絶命のピンチに陥る剣心でした。

■文化系男子のイメージを更新した神木隆之介さん

シリーズ第1作となる『るろうに剣心』DVD(アミューズソフトエンタテインメント)

 剣心役の佐藤健さん、薫役の武井咲さん、相楽左之助役の青木崇高さん、斎藤一役の江口洋介さんら第1作からのレギュラーメンバーに加え、『京都大火編』からは宗次郎役で神木隆之介さんが加わります。神木さんは原作マンガに登場する宗次郎の大ファンで、かねてから「宗次郎役をやりたい」と周囲にアピールしていたそうです。それもあって、宗次郎へのなりきりぶりは見事なものになっています。

 もちろん、第1作の評価が高かったことがシリーズ化を成功させたわけですが、『京都大火編』の人気が原作を読んでいない層にまで広まった要因のひとつには、「ギャップ萌え」もあったのではないでしょうか。

 外見上は宗次郎にぴったりの神木さんですが、それまでは主演映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年)のような文化系男子のイメージがありました。実際にソフトな性格で人当たりのよい神木さんですが、『京都大火編』では所属事務所が同じ佐藤健さんらと意欲的にトレーニングに取り組み、難易度の高い殺陣を習得してみせました。超低姿勢での剣心との斬り合いなどは、それまでの時代劇にはなかった見応えのあるシーンです。

 宗次郎が一本足で「けんけん」すると、特殊能力「縮地」が発揮されます。ふんわりした雰囲気の神木さんが、激しい殺陣を披露する場面は、「ギャップ萌え」を感じさせます。

■劇中に仕掛けられた、さまざまなサプライズ

 神木さんだけでなく、操役の土屋太鳳さんも小柄な体型ながら、切れ味鋭い格闘シーンを演じてみせています。香港のアクション俳優ドニー・イェンを思わせる、華麗な空中蹴りは必見です。さらに翁役のベテラン俳優・田中泯さんは、トンファーを使った迫力満点の殺陣で魅了します。1945年生まれの田中泯さんの大奮闘ぶりにも、思わず「キュン」してしまいます。さまざまな「ギャップ萌え」を『京都大火編』は見つけることができます。

 実写版「るろうに剣心」シリーズを撮ったのは大友啓史監督。福山雅治さん主演の大河ドラマ『龍馬伝』などで知られる大友監督が、NHKを退職して最初に手掛けたのが「るろうに剣心」シリーズでした。従来の時代劇や日本映画の常識にとらわれることなく、積極的に新しい演出方法を取り入れています。俳優のパブリックイメージや性別、年齢に関係なく、逆にサプライズなシーンにしている点も、大友演出の面白さでしょう。

 原作のイメージを壊さなかったことが、実写版「るろうに剣心」シリーズのヒット理由ではありません。イメージを上回る「驚き」を観客に提供したからこそ、ヒットシリーズになったと言えるのではないでしょうか。

 神木さん演じる宗次郎は、来週放送の『伝説の最期編』で剣心と再び激闘を繰り広げた後は、生死が分からないままとなっていましたが、10月14日放送の『最終章 The Final』で宗次郎の安否が明かされることになります。最終章を楽しむ上でも、『京都大火編』は見逃せません。

(長野辰次)

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