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異業種を経験した漫画家3選 警官の日常のリアルさ、コロナまで描くこだわりに驚愕

マグミクス / 2022年9月9日 18時10分

異業種を経験した漫画家3選 警官の日常のリアルさ、コロナまで描くこだわりに驚愕

■川合=泰三子先生?

「学生の頃から持ち込みをしていた」「デザイナーやイラストレーターから漫画家になった」など、漫画家になった方々の経歴はさまざまです。そのなかには、異業種から一念発起して漫画家になった先生も少なくありません。

●元自衛官、格闘技経験も豊富な漫画家!板垣恵介先生

 高校生にして秘密裏に行われている地下格闘技のチャンピオンである主人公・範馬刃牙と地上最強の生物として恐れられている父・範馬勇次郎との最強の親子喧嘩を中心に、強さを追い求める男たちのドラマを描いた格闘マンガ「刃牙」シリーズ。その作者である板垣恵介先生は、もともと陸上自衛隊に入隊し、約5年間にわたって勤務した後に漫画家になったという異色の経歴を持っています。

 TV番組『激レアさんを連れてきた』に出演時、板垣先生は自衛隊で上官から素質を見抜かれ、空挺部隊に入るよう勧められたと話していました。空挺部隊は陸上自衛隊でも最精鋭が集まるエリート部隊で、その過酷な訓練を板垣先生は自伝マンガ『我が青春の習志野第一空挺段』で描いており、「週刊少年チャンピオン」2022年40号で第3弾が発表されています。同作によると、板垣先生は食料や防寒具などを詰めた14kgものリュックや機関銃を持ったまま、3日間歩く訓練を行なっていたとのこと。過酷すぎます。ちなみに「刃牙」シリーズにも自衛隊や米軍がたびたび登場しますが、特に『グラップラー刃牙』の刃牙vsガイア(ノムラ)率いる第1空挺団精鋭部隊5名とのバトルは、板垣先生だからこそ描けた名エピソードと言えるでしょう。

 さらに板垣先生は、高校時代に少林寺拳法に励み、二段位まで取得、自衛官時代も空挺部隊にボクシング部があると知ってオリンピック代表の実力を持った選手に勝利するなど、格闘に関する才能も磨いていきました。最強を目指しすべてをかけるさまざまなキャラたちの強烈な姿は、板垣先生の過酷な状況に身を置いてでも強くなろうとする思いから生まれたのかもしれません。

●元警察官の描く、リアル過ぎる毎日!泰三子先生

 安定しているという理由で、大義もなく警察になった新人巡査・川合麻依と、麻依のもとに新たな指導員としてやってきた元刑事課のエース・藤聖子を中心に、警察官たちのリアルな日常を描いたマンガ『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』は、実写ドラマ、アニメのヒットも記憶に新しい人気作です。作者の泰三子さんは、10年間県警に勤めていた元婦警という経歴を持っています。

 泰先生はインタビューでマンガを描こうと思ったきっかけは、警察の広報の仕事だったと発言しています。地域の人たちに配っていた防犯チラシでは啓蒙活動限界があると感じた結果、「マンガ」であれば伝わるのではないかと考えたのです。絵の能力が警官としての仕事に活きるという経験は、主人公・川合が似顔絵の才能を見出される展開にも重なります。

 また、泰先生はかつて「警察官になりたいけれど、親に『立派な人がやる仕事』と言われてあきらめた」という男子高校生と出会い、「警察にいるのは君が思っているよりもっとしょうもない人たち」と彼にうまく伝えられなかったという経験があり、その際にもっとリアルな実情を教えたいと思ったことも漫画家への道に繋がったようです。

 作中では交通の取り締まりや青少年の補導、深夜のパトロールや被疑者の取り調べなど、さまざまな警察官の地道な仕事が描かれているほか、プライベートの警官たちのゆるいやり取りにもクスリとさせられます。ときにボヤきながら、ときに辛い事件に遭遇しながらも前を向いて働く警官の日々は、泰先生が経験したことと考えると見方が変わりそうですね。

■マンガ界屈指の長寿シリーズにも作者の経験が活きている!

島耕作が働く初芝電器産業のモデルは……?『課長 島耕作』1巻

●リアル過ぎる会社員の日々は、モデルとなった企業の勤務経験から? 弘兼憲史先生

 1983年から始まり、23年には40周年を迎える長寿作品「島耕作」シリーズは大手電器メーカーで働くサラリーマンたちのドラマを描き、映像化もされています。作者の弘兼憲史先生は、松下電器(現:パナソニックホールディングス)に勤務していた3年間の経験を、主人公・島耕作が務める作中の大手電器メーカー「初芝電器産業」の経営に活かしてきました。

 島耕作は企業内部の派閥争いや他社との競争など、会社員が経験するであろう、数々のリアルな苦難に直面しています。これを描けたのは、サラリーマン時代の経験に加え、弘兼先生が会社員時代の同期の方に聞いたり、現場で働く人たちへの取材をセッティングしてもらったりと、独自の人脈があったからこそ。

 課長から始まった「島耕作」シリーズは、現実の時間の経過とともに部長や係長、さらに会長、相談役、社外取締役と、あらゆる役職を主人公に経験させています。作中に各時代をしっかりと反映し、近年では新型コロナウイルス流行も描いて、島耕作自身も感染したのが話題となりました。いずれも綿密な取材に裏打ちされたエピソードが印象的です。時代をさかのぼった『学生島耕作』『ヤング島耕作』『係長島耕作』も、昭和のサラリーマンや学生のリアルなエピソードが盛り込まれ、人気を博しています。

(田中泉)

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