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『「宇宙戦艦ヤマト」という時代』BS12で放送 賛否分かれた福井晴敏版『愛の戦士たち』

マグミクス / 2022年9月4日 9時10分

『「宇宙戦艦ヤマト」という時代』BS12で放送 賛否分かれた福井晴敏版『愛の戦士たち』

■大ヒット作『愛の戦士たち』をリメイク

 太平洋戦争末期に海に沈んだ悲劇の戦艦「大和」を大宇宙に蘇らせたSFアニメ『宇宙戦艦ヤマト』は、1970年代~80年代に大人気を呼びました。なかでも1978年8月に劇場公開された『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』は、主人公・古代進が最後に選んだ決断に多くの観客が涙を流したことが知られています。沢田研二さんがせつせつと歌い上げるエンディング曲「ヤマトより愛をこめて」も印象的でした。

 シリーズ最大のヒット作となった『さらば宇宙戦艦ヤマト』は、同年10月からTVシリーズ『宇宙戦艦ヤマト2』(日本テレビ系)として放映され、劇場版とは異なる結末でまた話題となりました。

 そんな『さらば宇宙戦艦ヤマト』と『宇宙戦艦ヤマト2』をリメイクしたのが、2018年に全26話がTV放映された『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』です。2022年9月4日(日)に BS12の「日曜アニメ劇場」にて夜7時から放映される『「宇宙戦艦ヤマト」という時代 西暦2202の選択』は、その総集編になります。どんなエンディングになっているのでしょうか?

■オリジナル版に大号泣した福井晴敏氏

 今回はガミラスとの戦いが終わり、地球が環境汚染から救われた3年後の物語となっています。地球人類が復興に励む一方、ズォーダー大帝率いる帝星ガトランティスが現れ、再び宇宙の平和が脅かされます。古代進や島大介たちはヤマトに乗り込み、ガトランティスと戦うことになります。デスラー総統よりも冷血で、好戦的なズォーダーを相手に、古代たちは苦戦を強いられます。

 作家の福井晴敏氏が、脚本・シリーズ構成を手掛けた『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』に引き続き、『「宇宙戦艦ヤマト」という時代』の構成・監修を担当しています。国防問題を扱った小説『亡国のイージス』などで知られる福井氏は子供の頃、TV放映されたオリジナル版『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』を観て、大号泣したそうです。

前作『宇宙戦艦ヤマト2019』以上に過酷な戦闘シーンやシリアスな人間ドラマを、科学局の重職に就いた真田志郎の視点から振り返ったドキュメンタリータッチの内容に『「宇宙戦艦ヤマト」という時代』はなっています。

 神田沙也加さんが宇宙の平和を願う女神・テレサを演じるなど、オリジナル版からの人気キャラクターたちの登場に加え、オブザーバーとしてヤマトに同行するガミラス人のクラウス・キーマンといった新キャラクターも見逃せません。キーマンはその名のとおり、物語を左右する重要な役割を果たすことになります。

■「波動砲」の封印を破るかどうかで悩む古代進

ヤマトの乗組員のひとり、真田志郎のインタビューを軸に物語が進行する (C)西﨑義展/宇宙戦艦ヤマト2202 製作委員会

 出渕裕監督による『宇宙戦艦ヤマト2199』では、イスカンダル星から帰還したヤマトは「波動砲」が封印されているという設定になっていました。この「波動砲」封印という設定は、福井晴敏版『宇宙戦艦ヤマト2202』でも引き継がれています。

 木星に浮かぶ浮遊大陸を一発で消滅させたほどの威力を持つ「波動砲」は、究極の破壊兵器です。現実世界における「核兵器」のメタファーだと言えるでしょう。「波動砲」を使うことで、ひとつの星の生態系まで変わってしまうことにもなりかねません。

 亡くなったヤマトの沖田艦長は、イスカンダル星の女王・スターシャと「波動砲は二度と使わない」と約束を交わしていました。尊敬する沖田艦長が残した約束を、古代進は軽視することができません。強敵・ガトランティスを前にして、古代進は悩みに悩みます。

 古代進がどのような選択をするのかが、本作の大きな見どころとなっています。生死ギリギリの戦いをともにしてきた島大介たちヤマトの他の搭乗員たちの決断にも、注目が集まります。古代進ひとりに「波動砲」の引き金を引かせる責任を取らせないよう、島たちはある行動に出ます。このシーン、観る人によって意見が大きく割れることになるでしょう。

■責任の重さに苦しんだ実在の英雄

 1945年8月6日、米軍の爆撃機「エノラゲイ」は広島に人類初となる原爆を落としましたが、「エノラゲイ」を先導していた米軍機のパイロット、クロード・イーザリーは終戦後、酒に溺れ、精神病院に隔離されることになったそうです。米国では太平洋戦争を終結に導いた英雄と賞賛されたものの、被爆地の実態を知った彼は自分の犯した罪の重さに耐えられなくなってしまったのです。

 戦争が終わっても、戦争体験者たちはPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しめられることが知られています。戦場で体験した恐怖が、戦後もずっとフラッシュバックし続けるそうです。

 地球の危機をたびたび救ってきた古代進ですが、彼の心はボロボロに傷つくことになります。古代進をはじめ、ヤマトの搭乗員たちが平穏な生活を手に入れることは容易ではなさそうです。

(長野辰次)

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