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なぜ『スプラトゥーン』は国民的人気ゲームになれた? ヒットの理由と『3』の注目点

マグミクス / 2022年9月8日 18時10分

なぜ『スプラトゥーン』は国民的人気ゲームになれた? ヒットの理由と『3』の注目点

■TPSの革命児となった『スプラトゥーン』の魅力とは?

 任天堂は2015年5月に新たなゲーム作品を世に放ち、それが今日にまで及ぶ大ヒット作品の原点となりました。そのゲームの名前は『スプラトゥーン』。2017年にはNintendo Switch向けに続編がリリースされ、今年の9月9日には待望の最新作『スプラトゥーン3』が発売されます。

 その人気ぶりは改めて語るまでもありませんが、なぜ『スプラトゥーン』がこれだけ多くの人を魅了したのか。本作を遊んだ方はその魅力を実際に体験していますが、未プレイの立場だとまだピンと来ていない人もいることでしょう。

『スプラトゥーン』が気になっていたり、『3』でデビューしようかと思ったりしながらも、その魅力を今さら誰かに聞くこともできず、手を出しかねている──今回はそんな方々に向け、大ヒットに繋がった『スプラトゥーン』の特徴や、最新作『3』の注目点をピックアップして紹介します。

●世界観とビジュアルで、最初の難関を乗り越えた『スプラトゥーン』

 ソロプレイも楽しめますが、『スプラトゥーン』の主軸はチーム形式の対戦型TPSアクション。TPSは「サードパーソン・シューター」の略称で、操作キャラクターの後方からの視点を意味する言葉です。『スプラトゥーン』はTPSですが、ほかの作品だと操作キャラの視点になるFPS(ファーストパーソン・シューター)を採用しているものもあります。

 このTPSやFPSによる対戦形式のゲームは、当時既に大きな盛り上がりを見せており、いくつもの名作がシェアを握っていました。そうした状況下に登場した『スプラトゥーン』は、強豪たちがひしめくなかにあっても、たちまち注目を集めて大ヒットを記録します。

 これだけの人気を得たのは、もちろん『スプラトゥーン』が持つ魅力の数々が要因ですが、ゲームそのものに触れなければその魅力を実感できません。まず最初のハードルである「手に取ってもらう」を成し遂げたのは、その見た目のインパクトが理由に挙げられます。

 当時流行っていたTPSやFPSの対戦ゲームは、人間同士の撃ち合いが主軸で、リアルに描写された作品が大半でした。それがバトルの緊張感を演出していたのも確かですが、等身の高い人物同士の撃ち合いに抵抗を感じる人も少なからずいました。

 しかし『スプラトゥーン』のキャラは、デフォルメチックで等身が低く、しかも人間形態だけでなくイカにも変身。そのどちらの姿も可愛らしい見た目で、国内のみならず海外でも受け入れられる優れたデザイン性を備えていました。

 また作品全体のビジュアルも、ポップかつキュートな雰囲気で統一。これまでの対戦型TPSとは一線を画す世界観が、「まず、手に取ってもらう」という役割を大いに果たしました。

■初心者も魅了するゲームデザインで鷲掴み!

シオカラーズのふたり、アオリとホタル。シリーズを通して高い人気を誇る

●「キル」が取れない初心者でも、勝利に貢献できる「ナワバリバトル」

 しかし、ちょっと遊んでもらっても、そこで飽きられたら大ヒットには到底繋がりません。継続してプレイしたくなる、他のゲームにはない魅力の存在が不可欠です。その点について最も強力な魅力となったのが、「ナワバリバトル」です。

 TPS・FPSの対戦ゲームの多くは、敵を倒すこと──「キル」が最も重要な要素でした。相手をどれだけ倒したか=キルを稼いだかで、勝敗が左右されます。多人数が戦い合うバトルロイヤル系だと、逃げて隠れる技術も重要ですが、最終的には生き残った者同士による直接対決が待ち受けています。

 相手を倒すには、当然テクニックが問われます。常に攻撃を避け続ける相手の動きを予測して弾を撃ち、こちらは攻撃を食らわないように回避する。その立ち回りは、もろに腕前の差が出るため、そこで躓いてしまうプレイヤーも少なからずいます。

 特にチーム戦の場合、「キル」が取れずにやられるばかりだと、味方の足を引っ張っている罪悪感に駆られがち。ほかの人から責められずとも、内から湧き上がる無力感に心が折れ、そのままゲームから去ることもしばしばあります。

 ですが、『スプラトゥーン』の「ナワバリバトル」は、自分たちが撃つ「インク」で染め上げた面積の広さで勝敗を決します。「キル」の数は直接関係せず、チームの陣地がより広い方が勝者となるのです。

 その過程で相手を倒した方が有利になるのは間違いありませんが、まだ「キル」が取れない初心者でも、地面や壁を塗ることで勝利に貢献できます。そのため、前述の「無力感」が湧き上がりにくく、プレイ意欲を急激に失うような事態を避けられるのです。

 いくらやられても、最終的には陣地の広さで勝敗が決まる「ナワバリバトル」。この要素を主軸に据えたことで、対戦型TPSゲームの楽しさをより多くの方が味わい、新たなユーザー層への訴求に成功。その結果『スプラトゥーン』が大ヒットし、このジャンル自体の盛り上がりにも貢献しました。

●『スプラトゥーン3』が提供するのは、かつてない新たなバトル

 こうした魅力を受け継いできた本シリーズは、9月9日発売の『スプラトゥーン3』でいよいよ3作目に突入します。本作からの新要素も多数用意されており、「ストリンガー」や「ワイパー」といった新ブキをはじめ、新アクションやパワーアップした「サーモンラン NEXT WAVE」など、枚挙に暇がないほどです。なかでも最も注目を浴びているのが、かつてないスタイルで戦う「トリカラバトル」です。

『スプラトゥーン』には代々、お題に合わせた陣営に分かれて戦う「フェス」と呼ばれる期間限定のイベントがあります。これまでは、「マヨネーズ」と「ケチャップ」のような2択で各陣営に分かれていましたが、『スプラトゥーン3』では3つの陣営に分かれます。ちなみに先日行われた前夜祭では、「いちばん強いのはどれ? グーvsパーvsチョキ」というお題が掲げられました。

『スプラトゥーン3』における「フェス」ですが、前半戦はこれまで通り、違う陣営同士による1対1のチームバトルを展開します。しかし後半戦になると、最も優勢な陣営が4人1組のチームで登場し、残りふたつの陣営がそれぞれふたり1組のチームで参戦。そこで、シリーズ初となる「3陣営が入り乱れるバトル」を繰り広げます。

 これまでは、味方以外は敵というシンプルな構図でしたが、「敵の敵は味方」という新たな関係性が生まれ、最も優勢なチームに対して残り2陣営が攻撃を仕掛けるといった形に。シリーズ初の「三つ巴の戦い」が、『スプラトゥーン』ファンたちに新たな刺激を与えることでしょう。

「ナワバリバトル」でプレイ層の間口を大きく広げ、世界的な大ヒットを遂げた『スプラトゥーン』。その魅力的な特徴をさらに掘り下げる「攻めの姿勢」こそが、シリーズ最大のブキなのかもしれません。

(臥待)

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