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アニメ化されなかったジャンプマンガの名作たち ファンが望みを捨てなければ可能性ある?

マグミクス / 2022年9月14日 6時10分

アニメ化されなかったジャンプマンガの名作たち ファンが望みを捨てなければ可能性ある?

■連載陣の層の厚さが原因? アニメ化されなかった名作

「週刊少年ジャンプ」と言えば、数々のヒット作を生み出し、アニメ化していった週刊誌です。しかし、すべてのヒット作がアニメ化されているわけでもありません。なかにはアニメ化されることがなかったヒット作も多くありました。

「ジャンプ」の最初の看板作品と言われる『ハレンチ学園』(1968年11号~1972年41号)と『男一匹ガキ大将』(1968年11号~1973年13号)ですが、『ハレンチ学園』は実写ドラマが制作され、『男一匹ガキ大将』はTVアニメが制作されて別々の道を歩んでいます。

 時代的な側面もありましたが、70年代のジャンプ編集部はアニメ化に対して不信感が強かったと言われていました。そのためか、人気作であってもアニメ化されることは少なかったのです。その逆に実写化はハードルが低かったイメージがありました。前述の『ハレンチ学園』の他にも、『サーキットの狼』(1975年1号~1979年32号)、『ドーベルマン刑事』(1975年36号~1979年48号)などが実写化されています。

 もっともアニメ化が難しかった作品が人気だったという側面もありました。『ハレンチ学園』のように、人気が高くてもクレームの多い作品だった『トイレット博士』(1970年39号~1977年14号)は、TVアニメの企画があったそうですが途中で断念しています。

 この流れを変えたのが、『Dr.スランプ』(1980年5・6合併号~1984年39号)のTVアニメ作品『Dr.スランプ アラレちゃん』の大ヒットでした。この作品での版権収入、相乗効果などは編集部が予想していた以上の効果があったのです。

 この大ヒットが編集部の方針を改めさせ、アニメ化を積極的に行う流れになりました。『コブラ(TVアニメタイトルはスペースコブラ)』(1978年45号~1984年48号 ※休載期間含む)、『キン肉マン』(1979年22号~1987年21号)、『キャッツ・アイ』(1981年40号~1984年44号)などが、この当時アニメ化された作品です。

 しかし、この時期以降にも人気作品でありながらアニメ化に恵まれなかった作品も多く存在しました。

 1980年代の作品群で思い出す作品といえば、まずは平松伸二先生の代表作になった『ブラック・エンジェルズ』(1981年46号~1985年23号)でしょうか。この時期に「ジャンプ」の発行部数は300万部を突破したそうです。

『ブラック・エンジェルズ』は卑劣な悪党によって泣く人のために、法で裁けない外道を秘かに抹殺するという物語でした。当初は1話完結スタイルで話が進んでいましたが、徐々にストーリー性を組み込んだ長編作になります。

 当時の看板作品のひとつでしたが、毎回必ず人死にが描かれるので、アニメとしてお茶の間で放送するのは難しかったのでしょう。後にスピンオフ作品が作られたり、実写ドラマ作品も製作されたりするなど、根強い人気を誇ります。

 アニメ化が難しかったのではないか?と思うのは徳弘正也先生の『シェイプアップ乱』(1983年26号~1986年1・2合併号)もそうでした。基本的に下ネタとお色気を中心としたギャグマンガですが、時には人情味あふれた話や、ブラックジョークのきいたエピソードもあります。

 この作品の一番のギャグが「もっこり」で、絵として表現されていたこともありアニメ化するには避けられない描写でした。後のセリフだけというソフトランディングで絵的な表現を回避して、『シティーハンター』(1985年13号~1991年50号)は人気アニメとなります。

■現在ならアニメ化のチャンスがある?

永井豪によるギャグマンガ『ハレンチ学園』は、1970年に実写ドラマ化された。画像は「ハレンチ学園 コレクターズDVD <デジタルリマスター版>【昭和の名作ライブラリー 第32集】」(TCエンタテインメント)

 その後、1984年に400万部を突破。1989年には500万部を突破して勢いが止まらない「ジャンプ」では、続々と人気作品のTVアニメ化がされていました。しかし、この時も人気がありながらもアニメ化されなかった作品がいくつかあります。

 そのひとつが『空のキャンバス』(1986年33号~1987年41号)でした。飄々とした主人公にラブコメ要素もあった作品でしたが、その真骨頂は「泣き」からの「感動」にあったと筆者は思います。当時はなんでアニメ化しないの?と思った方は他にも多くいたことでしょう。

 作者の今泉伸二先生は、この後も『神様はサウスポー』(1988年22号~1990年31号)という名作を描いていますが、こちらも多くのファンを生んだ名作でした。しかし、この作品もアニメ化はされず、当時のジャンプ連載陣の層の厚さがうかがえます。

 アニメ化に恵まれなかったというと、「ジャンプ」誌上でいくつかの名作を生み出した巻来功士先生もそのひとりでした。代表作である『ゴッドサイダー』(1987年24号~1988年51号)は当時の人気作で、ゲームソフト『ファミコンジャンプ 英雄列伝』(1989年2月25日発売)にも登場しています。しかし、現役主人公8人のなかで唯一、現在のところアニメ化されていません。

 その理由を考えると、スプラッタやエロチックな描写が多く存在するので、当時まだ深夜枠というものが定着していない時代ではTVアニメ化は難しかったのでしょう。しかし、作品に対して根強いファンは多く、その後に何度か青年誌で続編が作られています

 逆にTVアニメ向きな作品だったのにそうならなかった人気作品が、にわのまこと先生の『THE MOMOTAROH』(1987年42号~1989年50号)でした。コメディ色の強いプロレスマンガということで、アニメファンから期待されていた作品です。なかにはアニメ化より先に同人誌を作るファンたちがいました。

 もっとも、この時期は「ジャンプ黄金期」の絶頂の頃で、数年後の1991年3・4号で602万部を突破しています。この時の連載作品19本中、後にアニメ化された作品も含めると13本がアニメ化作品。約2/3がアニメ化されているのですから、人気が高いだけではアニメ化は難しかったのかもしれません。

 しかし昨今のアニメ化事情を振り返ると、まだチャンスはあるのではないか?……そう考えられます。それは連載終了から何年も経過してからアニメ化される作品がいくつかあるからでした。

 たとえばジャンプのアニメ鎖国期に人気看板作品だった『リングにかけろ』(1977年2号~1981年44号)は、OVAで好セールスになった『聖闘士星矢』(1986年01/02号~1990年49号)の影響で、2004年にTVアニメ化されています。この同時期の2005年に『プレイボール』(1973年27号~1978年31号)もTVアニメ化しました。

 近年では、人気がありながらも長らくTVアニメは無理だと思われてきた『ジョジョの奇妙な冒険』(1987年01/02号~1999年17号)も全シリーズがTVアニメ化されるのではないかという勢いで、連載時に優るとも劣らない高い人気を誇っています。

 このように深夜枠、ネット配信といったアニメの視聴方法が増えたことで、かつてアニメ化されなかった作品が復活する可能性が出てきました。ひょっとしたら上記に挙げた作品群のなかにも秘かに進行しているものがあるかもしれません。

(加々美利治)

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