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『銀河鉄道999』アニメ化に至った複雑な過程 子供の頃、胸を焦がした銀河の旅

マグミクス / 2022年9月14日 7時10分

『銀河鉄道999』アニメ化に至った複雑な過程 子供の頃、胸を焦がした銀河の旅

■銀河への旅路

「鉄郎のように、銀河をめぐる旅がしたい」
『銀河鉄道999』を見ながら、そう思っていた方は多いのではないでしょうか。

 戦士の銃を引っ提げメーテルと共にさまざまな事件や出来事を切り抜けながら、キャプテン・ハーロックのようなカッコイイ男たちと宇宙を駆け巡りたい。そんな夢を密かに胸に抱いていた頃から40年以上が経ち、今では一般人でもかろうじて宇宙へと上がれるようにはなりました。とはいえ、宇宙を旅行できるようになるまではまだ大分かかりそうです。筆者が生きている間には実現できないでしょうが、誰かが目指し続けている限り、いつか人類は到達できると信じています。

 かつて、多くの少年少女たちに夢を見せてくれた『銀河鉄道999』は、1977年から1981年にかけて少年画報社の「少年キング」に松本零士先生が連載した作品です。元々は松本先生がアニメ用に立ち上げた企画でしたが実現せず、「少年キング」からの連載要請に応じてマンガとして転用したところ大人気となり、ちょうど同時期に松本先生も関わった『宇宙戦艦ヤマト』がブームを巻き起こしたことから『999』もアニメ化に至ったという複雑な過程をたどっています。

 TVアニメは1978年9月14日にスタートし、1982年に終了するまで全113話が放送されました。ささきいさお氏が歌い上げるオープニングテーマ「銀河鉄道999」とエンディングテーマ「青い地球」の美しい旋律と歌声を今でも心に宿している人はきっと多いことでしょう。声優陣は主人公・星野鉄郎を野沢雅子氏、メーテルを池田昌子氏、車掌さんを肝付兼太氏が担当し、息の合った演技を披露してくれました。肝付氏が2015年に他界され、この3人が一堂に会することができなくなったのが残念でなりません。

 1981年に連載が終了した後も人気は衰えることなく、1996年には「ビッグゴールド」誌で続編となる「エターナル編」の連載が開始。1998年には新作劇場アニメ『銀河鉄道999 エターナルファンタジー』も製作されています。残念ながら「エターナル編」は現状では未完となっていますが、松本先生は「エターナル編」の完結について「描くと人生が終わりになる気がする」とコメントしており、なかなか難しいところがあるようです。

■母の仇を取り、少年は旅立つ

『銀河鉄道999 エターナル・ファンタジー』Blu-ray(TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)) (C)松本零士・東映アニメーション (C)東映・東映アニメーション

 さて、ここで44年前に放送されたTVアニメ第1話「出発のバラード」を振り返ってみます。西暦2221年、地球の宇宙交通機関は銀河の果てまで広がり、宇宙列車は毎日地球と惑星の間を往復するほどの発展を遂げていました。裕福な人びとは暑さ寒さを知らない機械の体を手に入れ、老いることもなく快適な生活を送っていましたが、貧しい人びとはろくに食べるものもない悲惨な暮らしを強いられていたのです。そんな明日をもしれぬ人びとの間に、あるうわさが広まっていました。銀河の果てにはタダで機械人間になれる星があると。その星へ行くには銀河超特急999に乗ればいいと。

 そのうわさを信じた少年・星野鉄郎は母親と共に999に乗るために旅を続けていました。しかし運悪く機械伯爵による人間狩りに遭い、母親は殺されてしまいました。かろうじて逃げ延びた鉄郎でしたが雪の中で行き倒れ、意識を失ってしまいました。

 謎の美女・メーテルに救われた鉄郎は、999のパスと引き換えに、メーテルと共に旅をすることを承諾します。しかし通信機から聞こえてきた機械伯爵の声に激昂した鉄郎は、銃を手に伯爵の館へと向かったのです。鉄郎は命乞いをする機械伯爵を打ち倒し、館に火をかけ母親へ別れを告げますが、機械警察に追われ窮地へと追い込まれます。しかしそこにメーテルが現れて鉄郎を救い共に脱出、ホテルへと身を寄せ一時の休息を取ります。が、鉄郎はシャワーを浴びているはずのメーテルが誰かと話をしていることに気付きます。

 メーテルはいったい誰と話をしているのか、メーテルは何者なのか。思索にふける鉄郎でしたが、機械警察に居場所を知られてしまいメーテルと共にホテルを脱出、999に乗り込み、果てなき銀河への旅路を歩み始めたのです。

 この先、鉄郎を待ち受ける数々の冒険と人々が織り成す重厚な物語は、時を経ても色あせることがありません。子供の頃、胸を焦がした作品に再び触れ、お茶の間で過ごした今は貴重なひと時を思い出してみてはいかがでしょうか。

(早川清一朗)

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