声優交代の「違和感」を乗り越えたキャラたち 「夫も反対していた」
マグミクス / 2022年9月14日 15時10分
■日本中が“心配”していたドラえもんの新声優……実は身内も大反対
アニメ大国日本において人気キャラクターの「声優交代」は大きなニュースです。とりわけ長年、大御所声優さんが担当していたキャラの交代となると、そのハードルは天井知らず。こうした高いハードル、世間からの重圧を見事に乗り越えた声優交代劇の代表的なものを振り返ってみましょう。
ここ十数年のアニメ史において最も世間に衝撃を与えたのが2005年『ドラえもん』(原作:藤子・F・不二雄)のレギュラー陣交代でしょう。大々的にニュースでも報じられました。とりわけドラえもんの声を担当されていた大山のぶ代さんの声はあまりにも唯一無二にして、後任となる声優さんは一体誰なのか。新生ドラえもんは一体どんな声なのか日本中が固唾を飲んで見守りました。
結果はご存知の通り。水田わさびさんがその重責を引き受けたわけですが、当初は予想どおり世間からの風当たりは強めでした。これはもう宿命であるにしても、水田さんがとりわけ驚いたのが家族である夫の反応。「ドラえもん役」を引き継ぐにあたり大の藤子・F・不二雄好きである夫からは「やめるなら今だ」と言われていたのです。まさか身内までもが反対していたとは……驚きです。
さて交代から17年が経過しました。今の大学生くらいまでの年代の人たちは「わさびドラ」を観て育っています。水田さんは当初「いつクビになるんだろう?」と怯える事もあったのですが、そうした不安をはねのけ見事に平成、令和とアニメ『ドラえもん』を引っ張り続けているのです。
なおアニメ『ドラえもん』でいえばジャイアン役の木村昴さんの躍進ぶりは瞠目です。たてかべ和也さんからジャイアン役を引き継いだ時の年齢はなんと14歳。世間からの不安の声を見事に押しのけ、名曲「おれはジャイアンさまだ!」のしっかりボエ~と歌い上げています。なおたてかべさんはジャイアン役を引き継いでくれる人と酒を酌み交わそうと考えていたのですが、決定当時木村さんがまだ未成年だっただめ実現せず。木村さんが成人した後の2014年にやっと実現。「お待たせしました」と涙を流しながら乾杯されたのです。「声優交代劇」はまさに、ドラマです。
■人気キャラクターを急遽引き継いだ声優さんたちの苦労は他にも……
アニメ『名探偵コナン』の毛利小五郎を特集した、「名探偵コナンDVDコレクション: バイウイークリーブック (6)」(小学館)。
「ハマり役」の声優交代はまだまだあります。1996年より放送中のアニメ『名探偵コナン』(原作:青山剛昌)の毛利小五郎役は当初より大御所の神谷明さんが務めていらっしゃいました。コメディにもシリアスにも振れる神谷さんの小五郎は作品の中核そのもの。それだけに2009年の降板は多くのファンから惜しまれました。
2代目に抜擢されたのは小山力也さん。すでにその実力はお墨付きでしたが、神谷ボイスの慣れきったファンからすれば違和感は必至。それでも小山さんは「神谷明さんの作り上げた小五郎を大切に、そして失礼のないよう、心をこめてやっていきます」という所信表明の通り、小五郎を誠心誠意、演じ続け気づけば13年が経過。もう神谷さんと同じ年数となります。誰もが認める「眠りの小五郎」となりました。
かつては盤石の体制であったアニメ『サザエさん』の声優陣も近年ではその入れ替わり頻度が多くなってきています。2014年には波平役の永井一郎さん逝去。それに伴いベテランの茶風林さんが2代目波平に抜擢。2015年にはフネ役の麻生美代子さんが年齢を理由に、寺内よりえさんに交代。声質の若返りぶりにしばらくの間、ネットでは否定的な声も散見されました。また2019年にはマスオ役の増岡弘さんがご自身の年齢を理由に交代されました。芸人さんに度々ネタ中で声マネされていただけに、意外なところまで影響を及ぼしました。後任にはベテランの田中秀幸さんが抜擢されましたが当初の違和感もなんのその。今では完璧な「マスオ兄さん」を演じていらっしゃいます。
これまで紹介してきた声優さん達のインタビューを読む限り、国民的キャラクターを引き継ぐことは並々ならぬ覚悟が必要であることがわかります。「違和感」を実力で持って払拭する……「声優交代劇」に宿るプロフェッショナルには胸が震えます。
(片野)
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