「最新鋭のゲーム機」はそもそも必要? PS5が最高の家庭用ゲーム機として君臨する日は来るか
マグミクス / 2022年9月15日 6時10分
■高性能なゲーム機は必要なのか
高性能なゲーム機は必要なのかと問われれば、筆者は「YES」と即答するでしょう。1981年にゲームウォッチ「オクトパス」を手にして以来、「ファミリーコンピュータ」「PCエンジンCD-ROM2」「メガドライブ」「スーパーファミコン」「PlayStation」「セガサターン」など新たなゲームハードが登場するたびにゲームがさまざまな方向性で進化してきたのを目の当たりにした身としては、高性能なゲーム機の存在はゲームのさらなる発展のために絶対に欠かせないという思いが強いのです。
しかしPlayStation 5(以下、PS5)が必要と問われた場合の答えは「NO」になってしまいます。将来的には「YES」になって欲しいという気持ちはもちろんありますが、現状では遊びたいタイトルが思いつきません。
そもそも本来ならありえない話ではありますが、筆者はゲームライターであるにも関わらずPS5を所有していません。販売当初は必死になって探し求めましたが、抽選にことごとく外れ続けるなか、いつか購入意欲を失ってしまったのです。そしてこの2年弱の間、仕事で困ったことは一度もありません。
通常、ゲームライターは最新鋭のハードを持っていなければ仕事にありつけないことも多い職業です。にも関わらず、この2年で使用したハードは「Nintendo Switch」「PS4 pro」「スマートフォン」「Androidタブレット」「ゲーミングPC」あとは古い作品を扱う際に「ファミリーコンピュータ」を引っ張り出したくらいで、PS5を要求されたことは一度もないのです。
現実問題として2022年9月10日時点での日本国内市場におけるゲームソフト売り上げ数において、Nintendo Switch は1000万本を超えているのに対しPS5は50万本程度にとどまっています。PS4と合わせても150万本規模であり、現状はNintendo Switchの独壇場と言えるでしょう(数字は週刊ファミ通調べ)。ゲームライターの仕事は「より多くの人に記事を届ける」要素が強いため、PS5の記事を書く機会そのものが少ないのは仕方のないことでしょう。
■PS5は転売屋とキラータイトル不在が痛い
ファミリー向けのハードとして揺るぎないNintendo Switch (C)Nintendo
なぜこのような状況に陥ったのか。まず挙げられる理由としては転売屋の存在が挙げられます。販売開始当初からPS5はかなりの数が転売屋の手に渡ってしまったため実際のユーザー数が分かりづらくなってしまい、ゲームメーカーはPS5用として予定していたタイトルをPC向けへと振り向けざるを得なくなってしまったのです。結果として「PS5でなければ絶対に遊べないタイトル」の数は極めて少なく、他のハードウェアに対する優位性が感じられない状況となっています。
さらに近年のゲームは特定のハードに依存しないプラットフォーム化が進んでおり、PC、スマホ、家庭用ゲーム機のすべてで遊べるタイトルも多くなっています。他のゲームハードでは性能不足でグラフィックの表示が厳しく、PS5の高性能を生かせば快適に遊べるタイトルも存在していますが、その場合でも高性能ゲーミングPCでプレイする道が残されているのもPS5には苦しい状況でしょう。またマイクロソフトが提供しているサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」は安価に数多くのタイトルを遊べる極めて便利なもので、近頃は日本の家電量販店でもXboxコーナーが徐々に存在感を増しています。
Nintendo Switchも発売からは5年以上が経過しすでに最新鋭のハードとは言えなくなっていますが、「ゲームを遊ぶ」という点においては比類なき存在感を発揮し続けており、衰えなどみじんも感じさせません。子供のために買い与える・子供と一緒に遊ぶという観点で考えれば、Nintendo Switchが最優秀ハードであることは間違いないでしょう。
ではPS5には未来が存在しないのかと言えば、そのようなことはありません。2023年冬に発売予定の『ファイナルファンタジーVII REBIRTH』は現在PS5専用タイトルとして告知されており、注目を集めています。ハードに勢いを付けるためにはまずはキラータイトルとなるソフトが必要不可欠です。PS5の高性能に疑う余地はありません。あとはその高性能がなければなし得ないドキドキ・ワクワク・感動を見せつける必要があり、今のところそれはできていません。
PS5供給の安定化とキラータイトルの登場、このふたつの課題さえクリアできれば、PS5が最高の家庭用ゲーム機として君臨できる日も来るかもしれません。その日を待ち望んでいる方も、多いのではないでしょうか。
(早川清一朗)
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