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『ウルトラマンタロウ』第1話が今も評価される理由 「本当は2時間必要な内容」

マグミクス / 2022年9月17日 8時30分

『ウルトラマンタロウ』第1話が今も評価される理由 「本当は2時間必要な内容」

■すさまじいボリュームが1話に凝縮

 昭和ウルトラシリーズで人気が高い作品といえば『ウルトラマン』『ウルトラセブン』そして『帰ってきたウルトラマン』と、やはり初期作品が支持を集めていますが、こと「第1話」の出来の素晴らしさでいえば、ウルトラマンシリーズ第5作目として放送された『ウルトラマンタロウ』が今もなお特撮ファンの間で高い評価を集めています。

 どうしてなのでしょうか。第1話「ウルトラの母は太陽のように」を振り返ってみましょう。

「ウルトラ6番目の兄弟 ウルトラマンタロウについての物語が今ここから始まる」

 と、前作『ウルトラマンA』で隊長役を務めた瑳川哲朗さんのナレーションによって開幕すると、主人公・東光太郎が颯爽とタンカーより登場します。まさに自由気ままな風来坊といったいでたちです。すると海より超獣オイルドリンカーが出現し、光太郎は果敢にもクレーンで撃退します。

 その勇気を見込まれ、光太郎が防衛チームZATに入隊するのですが、自分が植えた花の球根より出現した怪獣アストロモンスによって撃墜され、命を落とす寸前でウルトラの母とウルトラ5兄弟たちによってウルトラの国へと運び込まれ、ウルトラマンタロウと一体化。タロウに変身した光太郎は怪獣アストロモンスを見事撃退します。

 さて、光太郎はタンカーでお世話になった白鳥船長のところに下宿が決まり、その娘である白鳥さおりとの恋愛的展開を予感させ、ペーギー葉山さん演じるウルトラの母からのメッセージで幕を下ろします。

 ……2時間映画並みのボリュームです。これが25分に凝縮されているのですから信じられません。3度にわたる怪獣(超獣)との格闘シーン、ZATの説明、白鳥家との絡み、そしてウルトラの母をはじめとした新たなスペースオペラ的世界観の導入などなど、いったい、どうしてそんなことが可能だったのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

■25分に凝縮できた理由はオープニングにもある

 東光太郎のキャラクターは超獣を単身で撃退したり、アストロモンスに飛びかかったりする展開で端的に示されます。また超獣は前作『ウルトラマンA』で「怪獣を超える存在」として登場したものであり、それをアストロモンスが飲み込み、さらなる強敵の出現を提示する流れもスムーズです。

 またウルトラマンタロウはウルトラの父、母の実子という設定。これは『帰ってきたウルトラマン』で導入された「ウルトラ兄弟」の設定と『ウルトラマンA』ですでに登場済みのウルトラの父という存在を経た上で視聴者に明かされたものでした。多少、込み入っている部分もあるのですが、オープニングの「ウルトラの父がいるウルトラの母がいるそしてタロウが ここにいる」という歌詞で、事前に補助線が引かれている点もまた丁寧なのです。

 こうした設定の要請を踏まえ、テンポよく進む脚本を下敷きに展開される特撮シーンも最高です。夜の石油タンク地帯を襲うオイルドリンカーと、それを食らうアストロモンスの死闘。街のど真ん中にあるZAT本部が攻撃を避けるべく空を滑空するシーン、炎で燃えるブティックを内側から撮影するミニチュアワークと、素晴らしいものばかり。

 こうして見ると『ウルトラマンタロウ』の第1話はウルトラマンシリーズだけでなく、特撮作品全体からみてもトップクラスの「第1話」を成功させたといっても過言ではないでしょう。

(片野)

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