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対立する「シャーマンキング」ハオとヤービス 正反対すぎる「人間観」が原因?

マグミクス / 2022年9月16日 19時12分

対立する「シャーマンキング」ハオとヤービス 正反対すぎる「人間観」が原因?

■500年前パッチ族に転生したハオについて、新情報を交えて考察

 ここ最近の「シャーマンキング」連載記事では、「少年マガジンエッジ」最新号に掲載される『SHAMAN KING THE SUPER STAR』を取り上げています。それは、同作がシリーズ全体をまとめ上げるような内容が続いているから、というのが理由のひとつです。TVアニメの放映によって知名度が格段に上がった今、そこで触れていたさまざまな出来事の現在や裏側が明らかになっていくことは、多くの方にとって楽しみのひとつでしょう。

 というわけで今回は、転生を繰り返していたハオの500年前について掘り下げてみたいと思います!

 麻倉葉王とは、TVアニメ『SHAMAN KING』の主人公・麻倉葉の一番最初の祖先(麻倉家の始祖)で、1000年ほど前の平安時代を生きた大陰陽師(だいおんみょうじ)です。記憶を持ったまま転生を繰り返し、アニメ劇中では葉の双子の兄として生を受けた後、未来王ハオと名乗ってラスボス的に立ちはだかり、最後はシャーマンキングになりました。

 平安時代の陰陽師と言えば安倍晴明(あべのせいめい)が有名ですね。葉王は彼とほぼ同じ時代を生きたと思われます。その能力は晴明以上だった可能性もありますが、歴史に名が残っていないのは麻倉家によって存在が隠されてきたからでしょう。というのも、麻倉葉王は人間に絶望し、シャーマンだけの理想郷を創ろうという野望に取りつかれ、普通の人間を全て抹殺することを企てました。そのため当時の麻倉一族によって葬り去られたのです。

 しかしすでに記憶を持ったまま転生する術を身につけていた葉王は、野望の実現をあきらめることなく、転生しては力を蓄えていったのです。

 そのうちのひとつ西暦1400年代の末に、葉王はパッチ族として転生します。TVアニメや原作では、セノミア族の末裔リリララが、祖先がハオに殺された瞬間をビジョンで葉たちに見せる……という場面で少し描かれています。内容はパッチ族だった当時のハオが、シャーマンファイトに参加していたセノミア族の戦士たちを言葉巧みに誘惑して優れたシャーマンを集めようとしていたものの失敗し、反発され、返り討ちに遭わせる……というものです。

 今月発売の「少年マガジンエッジ2022年10月号」に掲載されている『THE SUPER STAR」最新話によると、この時のハオはパッチ十祭司のひとりでした。となると彼はセノミア族を担当していて、だからこそ失敗したとはいえ人知れず有能なシャーマンを集める活動が可能だったのだと考えられます。

■ハオとフラ・ヤービスとの「対立の根深さ」が露見?

リリララが麻倉葉たちに、かつてパッチ族だったハオの行いを伝える、「SHAMAN KING KC完結版」10巻(講談社)

 またハオは、セノミアの戦士を殺す際にパッチ族の秘宝「スピリット・オブ・ファイア」(S・O・F)を使っています。ハオはこれを手に入れるためにパッチ族に転生していたと描かれていましたが、最新話によれば、ハオがS・O・Fを盗み出していることをパッチたちが知ったのは、フラ・ヤービスがシャーマンキングとして誕生する直前、ムー大陸で全てが終わった時のことでした。となるとそれ以前のハオはS・O・Fを密かに持ち出して使っては戻し……を繰り返し、自分にとっての有益性を確かめ、強奪する時期をうかがっていたのだろうと思います。抜け目がありません。

 それにしても、このハオの一件以来、パッチ族はかなり慎重になったようです。大抵のことはグレート・スピリッツの意志だからと受け入れる彼らですが、十祭司が担当シャーマンにどう接するのかはゴルドバたちに筒抜けだったようで、身内への監視体制が強化されています。

 またS・O・Fが盗まれて以来、残りの四大精霊は地獄の奥深くに封印されました。いずれもハオのことがなければ、そうなっていなかったでしょう。ただ『SUPER STAR』の時代、すでにパッチ族は滅んだとされているので、真偽を確かめることは難しいかもしれません。

 さて話は変わりますが、今回もうひとつ、先代シャーマンキングであるフラ・ヤービスとハオの対立の根深さが浮き彫りになりました。ヤービスは、ちょうど時代が武力支配から政治と金が支配するものへと移り変わるのを利用し、そこに強力な階級社会を作ろうとしました。多数の弱者を支配することで一部の強者が楽をする社会です。

 ところがハオは、シャーマン以外の人間は全員殺すというのが基本です。殺すといってもそれは、「凡人はグレート・スピリッツに還(かえ)った方が幸せに暮らせる」という意味です。ですから世界に必要としている人間の数も、人間に対する愛情も、ハオとヤービスは正反対なのです。

 そしてハオがシャーマンキングになった後もヤービスの作った世界が変わらない。確かにハオは人間の抹殺を思い留まりましたが、それでも変わらなさすぎる。それはなぜなのか? もしかしたら何かこのあたりに、物語を読み解くヒントがあるのではないか……筆者はそう思うのでした。

 この他にも最新話には衝撃の展開が描かれているので、ぜひご覧になってください。それでは今回はこの辺で! 次回もよろしくお願いします!

●タシロハヤト 
美少女ゲームブランド「age(アージュ)」の創立メンバーで、長らくシナリオ、演出、監督等を務める。代表作は「君が望む永遠」シリーズ、「マブラヴ」シリーズ。現在はフリーで活動中。『シャーマンキング』の作者、武井宏之氏と旧知の関係である縁から、同作の20周年企画に参加している。

(タシロハヤト)

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