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初代ガンダムのツノの色は、白色? 黄色? なぜか2種類あるワケ

マグミクス / 2022年9月27日 6時10分

初代ガンダムのツノの色は、白色? 黄色? なぜか2種類あるワケ

■玩具のガンダムのツノはなぜ黄色?

 子供の時買った、合金おもちゃのガンダム。ふと思い返すと、あれ? そう言えばツノが白くなかったような……? まさか玩具メーカーが間違ったのでしょうか? 実はそれには深いワケがあるのです。

 1979年に放送が始まった、最初の『機動戦士ガンダム』は、当時のロボットものTVアニメと同様に、幼児から低学年男児対象の番組として企画されました。

 当時のロボットアニメの商品と言えば、プラモデルではなく、まずは玩具が発売されたものです。合体だったり変形だったり、遊び方はそれぞれのアニメにあわせてあり、そのせいもあってか、プラモとは違ってちょっと不格好だったりしたものですよね。

 ガンダムの玩具も、そんななかのひとつでした。

『ガンダム』のスポンサーは、それ以前に同じサンライズ(当時は日本サンライズ)で作られていた『無敵超人ザンボット3』『無敵鋼人ダイターン3』と同じ玩具メーカーの「株式会社クローバー」ですが、ガンダムの玩具を改めて見返すと何だか違和感があります。ガンダムの代名詞でもある「Vアンテナ」、つまり「ツノ」が黄色いのです。

 初代のガンダムのツノは頭部や体と同じ白のはずです。玩具が画面そのものでないのは仕方ないとしても、どうして色が、それもとても目立つツノの部分の色だけ違っていたのでしょうか。

●玩具は子供が遊ぶものだから

 実は、玩具とプラモデルは似ているようで商品として大きく違います。玩具は子供が遊ぶためのもの、一方、プラモデルは大人子供関係なく造ることを楽しむホビー、つまり趣味のもの。この差が、ツノの色の違いを生むのです。

 子供を対象とした玩具には、厳しい「安全基準」が決められています。例えば、取れたことで小さな子供がすぐに口に入れてしまいそうな小さなパーツは付けることが出来ません。男の子なら誰でも知っているミニカーの「トミカ」にフェンダーミラーが付いていない理由もこれです。「トミカ」はミニカーですが、子供のための「玩具」というカテゴリーの商品なのです。

 また、硬くて尖ったものが飛び出しているのも禁止です。尖ったものは、万一何かにぶつかっても刺さることのない、例えばゴムのように柔らかな素材でなくてはなりません。ガンダムのVアンテナ部分はこれに当たります。しかし、小さなパーツできちんと形を保てる柔らかな素材は限られていて、その素材の性質上、色にも限りがありました。それが、あの黄色の理由です。

 改めて、当時玩具になったサンライズロボットを見てみてください。ザンボットもダイターンも、ツノや翼の先など、尖ったところの色はほぼ黄色になっています。それは玩具のことも考慮しているからなのです。

 こうした「安全基準」を満たした商品のパッケージには、必ず「ST」というマークが印刷(またはシール)されています。一方、ホビー商品であるプラモデルにはこの「ST」マークは付いていません(一部STトーイのプラモもあります)。

 また、ハンカチや食器類など、当時の子供用の日用品に印刷されたガンダムのツノも黄色になっています。これは俗に「版権用」と言われる番組用とは別に作られた、玩具に合わせた商品用の原画を使っているからです。

 かつてのロボットアニメは、玩具あってこそ成立した番組でした。ガンダムも当初は幼い子供に向けて企画され、その商品は、まず子供の安全を第一につくられていたという証が、あの黄色いVアンテナいうことなのです。

【著者プロフィール】
風間洋(河原よしえ)
1975年よりアニメ制作会社サンライズ(現・バンダイナムコフィルムワークス)の『勇者ライディーン』(東北新社)制作スタジオに学生バイトで所属。卒業後、正規所属にて『無敵超人ザンボット3』等の設定助手、『最強ロボ ダイオージャ』『戦闘メカ ザブングル』『聖戦士ダンバイン』『巨神ゴーグ』等の文芸設定制作、『重戦機エルガイム』では「河原よしえ」名で脚本参加。『機甲戦記ドラグナー』『魔神英雄伝ワタル』『鎧伝サムライトルーパー』等々の企画開発等に携わる。1989年より著述家として独立。同社作品のノベライズ、オリジナル小説、脚本、ムック関係やコラム等も手掛けている。

(風間洋(河原よしえ))

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