衝撃！ 『ドラクエ』の意外な「実写」作品3選 庵野監督が「竜王」役を？

■ドラクエの雰囲気を損なわない「実写化」作品！

人気RPG「ドラクエ」シリーズは、1作目『ドラゴンクエスト』が1986年に発売されて以降、35年以上にわたって多くのファンを獲得し続けています。

　これまで「ドラクエ」シリーズはさまざまなメディアミックスがされてきましたが、ミュージカルやドラマなど、「実写化」されていることはご存知でしょうか。なんと1992年には、当時6人だったSMAPが主演を務めるミュージカルも上演されていました。ストーリーは中居正広さん演じる勇者・アレルと木村拓哉さん演じる戦士・ライアンを中心に描かれ、実はライアンの正体は闇の帝王・ゾーマで他メンバー演じる魔物を率いていた……という驚きの展開です。

　今回はそんな「ドラクエ」シリーズの実写化について、アレンジされたストーリー内容やエピソードを含め紹介します。

●庵野秀明監督も出演していた『ドラゴンクエスト ファンタジア・ビデオ』

　1988年に発表された『ドラゴンクエスト ファンタジア・ビデオ』は、『ドラクエ』の世界観を再現したオリジナルビデオ作品です。セリフはなく、勇者と魔法使い、賢者の3人が『ドラゴンクエスト』のラスボスでもある竜王を倒しに行く様子が、オーケストラ演奏の映像と交互に流れるという構成になっています。

　今観ると映像がつたなく感じる部分もありますが、当時としては最新の技術をふんだんに使っており、スライムやゴーレム、あくましんかんがリアルな姿で登場するのも見どころのひとつです。また、途中で仲間に加わる魔法使いの放つ攻撃魔法も、臨場感あふれるものとなっています。

　そして、冒険を経て勇者たちが対峙する竜王は、『新世紀エヴァンゲリオン』でも知られる庵野秀明監督が演じています。これには『エヴァ』を制作する以前の株式会社ガイナックスが、『ドラクエ』の制作に関わっていたことも関係していました。特殊メイクをしていてすぐにはわからない上に、竜へと変身するため出演シーンは短いですが、強烈な印象を残しています。

●有名人も多数登場！『ドラゴンクエストライブスペクタルツアー』

　誕生30周年を迎えた2016年には、最先端テクノロジーを取り入れた観客参加型ライブエンターテインメントショー『ドラゴンクエストライブスペクタルツアー』が開催されました。

『ドラクエIII』をベースに勇者ロトの誕生を描きながら、テリーやアリーナ、ヤンガスといったシリーズの人気キャラクターたちが登場するショーは、『ドラクエ』ファンにとってたまらない内容でした。「観客参加型」とあるように、トルネコが直接会話をしたり、客席にあるライトを使って勇者たちの冒険をサポートしたりと、その場にいる観客も参加できる形式となっていたそうです。

　また、テリー役は風間俊介さん、アリーナ役は中川翔子さんと、『ドラクエ』愛にあふれる豪華キャストもショーを大いに盛り上げていました。2016年の限定イベントではありましたが、今後の周年イベントなどで新たに公演が行われる際はファンなら参加しておきたいですね。

●海外でも公演！バレエ『ドラゴンクエスト』

「ドラクエ」シリーズといえば、すぎやまこういちさんによるテーマ曲を聴くだけで胸が高鳴る方も多いはず。そんな「ドラクエ」の楽曲に乗せ、華やかな衣装と迫力のある舞台装置で新たな物語を作り出したバレエ作品もあります。

　バレエ『ドラゴンクエスト』は、1995年に初演して以来、2019年にはフランスで開催された「ジャパンエキスポ」でも公演されたほか、2022年にも新たに公演が行われるほど長く人気を集めています。

　ストーリーは、魔王と黒の勇者にさらわれた王女を助けるべく、白の勇者が賢者や戦士、武器商人とともに決戦の地に向かう……といったもので、バトルシーンは美しいバレエが華を添えています。そして武器商人はトルネコにそっくりな外見であり、そのユーモラスな演技は観客から人気も高いようです。

　バレエ『ドラゴンクエスト』には黒の勇者と白の勇者とふたりの勇者が登場しますが、彼らには隠された秘密があるというのも特徴のひとつ。オーケストラの生演奏とともに、観るものを圧倒するダンスは圧巻で、ドラクエファンなら一度は観ておきたい作品です。

（田中泉）