『キューティーハニー』をコソコソ見ていた少年たち 最大の強敵は「家族の目」
マグミクス / 2022年10月13日 6時10分
![『キューティーハニー』をコソコソ見ていた少年たち 最大の強敵は「家族の目」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_115740_0-small.jpg)
■家族の目を盗み、TVの前にこそこそ陣取る
「ハニーフラッシュ!」
遠い昭和の時代、TVの前で『キューティーハニー』の主人公・如月ハニーの艶姿を楽しみにしていた記憶をお持ちの方も多いでしょう。もちろん筆者もそのうちのひとりです。
とはいえ筆者が子供の頃は今のような配信など存在せず、家庭用の録画機材もありません。それどころか家にTVが一台しかないのも当たり前。変身シーン以外にも、如月ハニーのセクシーな姿が作中にふんだんに登場するアニメを見るには、家族の目が最大の強敵だったことは言うまでもありません。
それでも母や姉の目が届かないタイミングを見計らい、こそこそと見る『キューティーハニー』はたまらないものがありました。うまく見ることができた次の日には、学校のクラスメイトと一緒に、ハニーのセクシーさについて熱く語り合ったことを思い出します。
さて、『キューティーハニー』は1973年の10月13日から放送された、永井豪とダイナミックプロ原作のTVアニメです。全25話。本放送はNET系列(現:ANN、テレビ朝日系列)の土曜日20時30分から放映が開始されていましたが、実はこの時間、TBSでは最高視聴率視聴率50.5%を記録した超人気番組『8時だョ! 全員集合』が放映されていたのです。
今のように塾や習い事がそれほど多くもない時代だったこともあり、お茶の間には家族全員がそろっていることも多く、前番組の『キカイダー01』から続いて『キューティーハニー』を見ようとしても、セクシーすぎて親にチャンネルを変えられてしまった方もいるのではないでしょうか。実のところ、当初の放送時間は19時台を想定していたのですが、セクシーすぎたために回避され、さらに後の時間の放送となったようです。再放送はひんぱんに行われていたので、筆者と同様にそちらで見た方が多い作品だと思われます。
■オープニングは時代を超えた名曲
庵野秀明監督による実写版『キューティーハニー』DVD (バップ)
『キューティーハニー』と聞いて多くの方が真っ先に思い出すのは、おそらくオープニングテーマ「キューティーハニー」でしょう。作曲は『機動戦士ガンダム』や『キャンディキャンディ』などさまざまな名作アニメの音楽を手掛けた渡辺岳夫氏。歌は『リボンの騎士』のオープニングなどを担当した前川陽子さん。そして作詞は謎の人物「クロードQ」が手掛けています。正直、『キューティーハニー』を見ていた頃はこのクロードQが誰なのか気になって仕方がなかったものですが、後に広告代理店の博報堂で辣腕(らつわん)を振るったクリエイティブ・ディレクター、岩崎富士男氏であることが明かされています。
元々は博報堂で化粧品のCM案を作った際に没となった「このごろ流行の~~、こっちを向いてよ~~」というフレーズを、岩崎氏の同僚が「アニメの主題歌として使いたい」と申し出たのを受諾したところ採用されたそうで、さらに当初は歌詞が2番までしかなかったことを電話で聞かされ、そのまま電話口で3番の歌詞を作り上げたという極めて優秀なクリエイターだったことを物語るエピソードが残されています。しかし博報堂はアルバイトが禁止されていたため、楽曲の権利はすべて放棄したそうです。
『キューティーハニー』は後にOVAやアニメ、映画など数多くのスピンオフ作品が制作されていますが、その多くはさまざまなアレンジを行いながら同じオープニングテーマが使われ続けています。特に2004年に公開された庵野秀明監督が手掛けた実写映画では倖田來未さんがカバーし、倖田さんの「エロかっこいい」イメージを確立。出世曲ともなりました。
今回、記事を書くにあたり久々に『キューティーハニー』を見返してみましたが、1970年代前半に「強い女性が男性を守る」スタイルの作品を世に送り出した先進性に驚かされました。また、如月ハニー役を務める増山江威子さんが低く張りのある声で繰り出す「あるときは花形レーサー、またあるときは~~だがその実体は、愛の戦士・キューティーハニーさ!」の口上は、内容は前衛的でありながら語り口は時代劇風であり、新しい文化と古い文化の融合により魅力的なコンテンツを生み出す手法は見事と言うほかありません。
2018年にも新作TVアニメ『Cutie Honey Universe』が世に送り出されるなど長く愛され続けている『キューティーハニー』は、2023年にいよいよ50周年を迎えます。果たしてどのようなイベントがファンを待っているのか、今から楽しみで仕方がありません。
(早川清一朗)
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