「PS5値上げ」でゲーミングPCに手を出すのは「待った!」 初心者が知らない3つの盲点
マグミクス / 2022年10月20日 6時10分
■「PS5よりゲーミングPCの方がいい」ってホント?
ゲーム業界は時代の流れと共に、ゲーム機の性能も向上し続けてきました。その結果、今では実写かと見まごうようなグラフィックで遊べるゲームが多数登場し、刺激的な体験を提供しています。
据え置き型ゲーム機の最先端として注目を集めている「PlayStation 5」もそうした例に漏れず、高い性能を生かしたハイレベルなゲームを展開。そのため、発売前からPS5を求める需要が高まっており、今もまだ供給が追いつかないほど。欲しいのに買えないゲームファンが後を絶ちません。
そんなPS5の価格が改定され、5500円の値上げが行われました。マイナーチェンジや廉価版の提供で価格が下がることはありますが、希望小売価格の値上げは珍しいケースです。部品の品薄や高騰、急激な円安といった背景があるため、値上げ自体はやむを得ない面もありますが、この値上げで購入意欲が削がれた人がいるのも事実です。
そうした人々のなかには、ゲーミングPCへの移行を考えている人もいます。最近は、国内メーカーのゲームもPCに向けてリリースする形が増え、以前よりも遊びやすい環境になりました。手に入らないPS5よりも、快適なPCに環境を移そうと考えるのは、ごく自然な流れでしょう。
ですが、ゲーミングPCが全てにおいて素晴らしいとは言いきれない面もあります。もちろん、PCで楽しむゲームライフもいいものですが、デメリットや問題点も踏まえた上で、じっくりと考えてみるのがお勧めです。
●「PS5の値上げ」以上に懐を直撃
ゲーミングPCが快適なのは確かですが、この点について身もふたもなく言えば、快適さは価格に比例します。PS5よりも優れた環境で遊ぶことは可能ですが、そのゲーミングPCはPS5の何倍もの費用がかかるのが現実です。
最近のゲーム機は、ゲーム以外の機能(ゲームプレイの配信や動画サービスの利用など)も増えていますが、出来ることの多さはPCの方が遥かに上。逆を言えば、ゲームプレイに特化しているからこそ、ゲーム機は今程度の価格に抑えられるのです。
PCとPS5を単純には比較できませんが、PS5と同程度の性能を持つPCを用意する場合、2~3倍程度の費用がかかるとも言われています。5500円の値上げは嬉しい話ではありませんが、それだけを理由に何倍もの費用がかかるゲーミングPCを選ぶのは、やや早急と言えるでしょう。
ピンからキリまでありますが、ゲーミングPCは高価な買い物です。そのため、「お金はかかってもいいから、優れた環境で遊びたい」「ゲーム以外の用途でもPCを使う」などの明確な理由がない限り、少なくとも慌てて買う必要はないかと思います。
■ゲーミングPCが持つ高性能、しかし欠点になる場合も
方向性が真逆に近いため、ゲーミングPCユーザーでも、スイッチも所持している人が少なくない
●ゲーミングPCの性能と価格に上限なし? 初心者には荷が重い選択と決断
ゲーミングPCの利点は、豊かなゲーム体験を味わえる高い性能にあります。ハイエンドクラスのゲーミングPCとなれば、PS5であっても決して追いつけません。しかしその高性能は、逆に最も大きなネックとしても横たわります。
PCを構成するパーツは、母体となる「マザーボード」、頭脳に例えられることも多い「CPU」、データ処理の快適さに直結する「メモリ」、データを保存する「ストレージ」、動作に不可欠な「電源ユニット」など多数あり、どれも重要なパーツです。
また、優れた描画でゲームを楽しみたい場合は「グラフィックカード」の性能も重要ですが、いずれのパーツも上を目指せばキリがありません。例えば、先日NVIDIAが最新のグラフィックカードを発表しましたが、「RTX 4090」と呼ばれるグラフィックカードの価格は29万円超え。パーツひとつだけで、この値段です。
この調子ですべてのパーツを最高峰で揃えると、途方もない金額になることは想像に難くないでしょう。ゲーミングPCを扱うオンラインサイトを見ても、20~30万円台のPCが並んでいますし、50~60万円台もごく普通にあります。
性能を高められるゲーミングPCだからこそ、上を目指せばキリがありません。「そこまでの高性能はいらない、ほどほどでいいんだ」と思う人も多いでしょうが、その「ほどほど」が個々人で異なるため、第三者が「ちょうどいい、ほどほど」を提案するのは至難の業。自分に合ったPCが欲しい場合、知識を身に着け、腰を据えて選ぶしかありません。
●あなたの部屋に十分な置きスペースはありますか?
PS5の詳細が発表された時、その性能でこれだけ価格を抑えたと話題になりましたが、もうひとつ、そのサイズにも注目が集まりました。
ディスクドライブのある通常版のサイズは、幅が39cm、高さが10.4cm、奥行が26cmです。縦置きにすると、幅が高さになるので39cmの高さになり、これは一般的なゲーム機と比べても群を抜く大きさです。そのため、「置き場所に困る」「PS4を置いていた場所に入らない」といった声も上がりました。
この点についてゲーミングPCは、残念ながらPS5の比ではないほどスペースを取ります。ケースによってサイズは変わりますが、動作中はパーツが熱を持つので、排熱のためにどうしてもケースは大きくならざるを得ません。そのため、ゲーミングPCを導入するなら、あらかじめ置き場所を確保する必要もあります。
「ゲーミングのノートPCなら、省スペースで済む」という意見は確かにその通りですが、デスクトップ型のPCと同程度の価格のノートPCは、性能面で一回り劣る傾向にあります。機器の小型化はどうしても高くつきますし、モニタ・キーボード・スピーカー・マイクなどが標準搭載されているため、その分も価格に影響します。
コンパクトかつオールインワンなぶん、同価格だと性能は一段下がってしまうノートPC。それを覚悟の上でチョイスするなら問題ありませんが、ここでもやはり購入側の目利きが問われます。
●コスパ最高のゲーム機、高性能のゲーミングPC、どちらにも揺るぎない魅力が!
デメリットや注意点を中心に書いたため、ゲーミングPCに否定的のように見えるかもしれませんが、お金に糸目をつけないか、価格に納得してプレイ環境に相応の折り合いをつけられるならば、ゲーミングPCによるゲームライフは十分お勧めできます。
そして、コストパフォーマンスに優れ、気軽かつ手軽にゲームを遊びたい場合、PlayStation 4やNintendo Switchが今も選択肢に入ります。また値上げ後であっても、PS5の価格と性能のバランスが非常に優れている点は、未だ揺るぎありません。
各ゲーム機、そしてゲーミングPCは、いずれも長所があり、同時にデメリットやリスクも抱えています。せっかく選択するのであれば、その両面を把握した上で、後悔の少ない選択をしたいものです。
(臥待)
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