「ポプテピピック展」世紀のクソアニメはどう生まれた？ 2期がもっと楽しくなる、初の展覧会【レポート】

■作画資料の釘バットも展示！

　不条理なギャグ、前半と後半で同じ内容をくり返す、主人公を演じる声優が毎回違う……など、前代未聞の内容が話題となったTVアニメ『ポプテピピック』。1期やTVスペシャル、そしてリミックス版（再放送）を経て、10月からは待望のTVアニメ2期がスタートしました。

　渋谷にある東京アニメセンターでは10月14日から11月6日まで、『ポプテピピック』の世界観を余すところなく堪能できる「ポプテピピック展-しょーがねーだろ赤ちゃんなんだから-」が開催中。今回は内覧会に潜入し、4つの見どころを探ってきました。あの伝説的クソアニメが生まれるまでの舞台裏とは……？

●作品誕生の経緯がわかる……かも？

　原作やアニメを紹介するコーナー、アニメ1期クリエイターからのコメントや撮影小道具などで、『ポプテピピック』の歩みを振り返る本展覧会。「ポプテピピックの赤ちゃん」と名付けられたスケッチも飾られており、作品の産声を感じられます。

　アニメ1期にまつわる展示コーナーは、淡いピンク色の壁に囲まれたかわいらしい雰囲気。天井からはおもちゃが吊り下げられており、まるで赤ちゃんの寝室のようです。

　安眠できそうな空間ですが、これは『ポプテピピック』の展示。作画資料に使われた釘バットや、7話に登場したヘルシェイク矢野のスケッチブックなど、尖った雰囲気のただようアイテムが置かれています。

　クリエイターからのコメントも一筋縄ではいかない様子。制作秘話を語っている人もいれば、斜め上の角度からコメントを寄せている人もいます。読み進めるうちに、アニメ版『ポプテピピック』が当初ショートアニメ形式で作られようとしていたことや、30分もののTVアニメとして放送するために前半と後半で同じ映像を使う「世界最速再放送」が生まれたことなどが明かされていきます。

　なかには「これはどういう意味なんだ……？」と考えてしまう内容もあるので、じっくり読んでみてください。

●声で楽しむ『ポプテピピック』

　豪華過ぎる声優陣も『ポプテピピック』の魅力。これまでポプ子とピピ美を演じた80人の名前がズラりと並んだコーナーは圧巻です。膨大なパネルのなかから、お気に入りのキャストをぜひ探してみてください。

　アニメ2期に登場した声優を紹介するコーナーも。「次は誰が演じるのだろう」と予想してみるのもおもしろそうです。

■音声ガイドや蒼井翔太さん着用の衣装も見逃せない！

時空を超えられそうな衣装　(C)大川ぶくぶ/竹書房　(C)大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード

　さらに会場内に貼られたまがまがしいお札をスマートフォンアプリ「HoloModels」で読み取ると、ポプ子とピピ美による音声ガイドを聞くことができます。会期前半の10月14日から10月25日までは、ポプ子を日笠陽子さん、ピピ美を佐藤聡美さんが担当。後半の10月26日からは11月6日までは、ポプ子役が中村悠一さん、ピピ美役が杉田智和さんに変化します。同じ台本でも印象がガラッと変わりそうです。

　音声ガイドをスムーズに楽しむためにも、アプリの事前ダウンロードやイヤホンの持参をお忘れなく！ ちなみに同じアプリを使って入場特典の「2次元バーコードバトルカード」（12種ランダム配布）を読み取ると、ちょっとしたバトルを体験できてお得感があります。

●インパクト大の撮影コーナー

　本展覧会は一部展示を除いて、携帯電話・スマートフォン・タブレットを使用した撮影が可能。ポプ子とピピ美はもちろん、破壊されたビルのイラストや、クラブのようなフロアなどバラエティーに富んだ撮影スポットも用意されています。

　注目すべきは、1期12話やTVスペシャル14話で蒼井翔太さんが着用した衣装。実物が展示されており、細部までじっくり観察できます。2期1話OPで使用された特撮風衣装もいち早く展示。ぜひ作中のポーズを再現して、渾身の記念写真を撮ってみてください。

　さらにショップには、観光地などでおなじみの顔出しパネル……ならぬ腕出しパネルが置かれています。自由に手の形をつくって、撮影を楽しんでみてはいかがでしょうか。

●あの人気ロボットが、金で買える！

　ショップでは今回の展覧会のために用意された描きおろしグッズや、復刻商品を購入できます。キーホルダー、クリアファイル、Tシャツなどの定番アイテムのほか、『ポプテピピック TVスペシャル』で話題となったピピ美の「最高にバリってるプラスチックモデルキット」も売られています。ぜひ思い出と一緒に、お土産もお持ち帰りしてみては？

『ポプテピピック』の世界を心ゆくまで満喫できる「ポプテピピック展-しょーがねーだろ赤ちゃんなんだから-」は、10月14日から11月6日まで東京アニメセンターで開催。入場料は前売券1414円（税込）、当日券1600円（税込）、小学生（前売・当日共通）797円（税込）です（赤ちゃん含む未就学児童は入場料無料）。土日祝日は全日日時指定制となるため、事前予約を忘れないようにしましょう。開催時間は11：00～20：00（展示最終入場19：30）なので、お近くの方は平日の仕事終わりに立ち寄るのもおすすめです！

　大人たちがクソアニメ制作に捧げた情熱を目の当たりにすれば、アニメ2期をより楽しめるかもしれません。

(C)大川ぶくぶ/竹書房　(C)大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード

（ハシビロコ）