エアリス生存ルートあった!? 信じちゃう人が多かった「ゲームの都市伝説」4選
マグミクス / 2022年10月27日 15時10分
![エアリス生存ルートあった!? 信じちゃう人が多かった「ゲームの都市伝説」4選](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_117336_0-small.jpg)
■インターネットがない時代でもウワサが全国を席捲!
インターネットが普及し、情報化社会となって久しい今日。しかし、インターネットの普及前から「どうやってこんなに広まったの!?」と言えるくらいに強力な伝播力を持っていたのが、ゲームにまつわるさまざまなデマです。そんな人騒がせなデマの一部を振り返りましょう。
●256発撃ち込んでバキュラを破壊せよ!―『ゼビウス』
1983年にナムコ(現 バンダイナムコエンターテインメント)からリリースされたアーケードゲーム『ゼビウス』は、当時それまでにリリースされていたシューティングゲームをすべて過去のものにするくらいの圧倒的なクオリティで、大ヒットとなりました。
そんな本作で異彩を放ったのが、黒くて平らな鉄板のような形をした敵キャラクター「バキュラ」です。自機のソルバルウでショットを撃っても撃っても破壊できないキャラなのですが、いつの頃からか「256発撃ち込めば破壊できる」というウワサが流れ始め、数多のゲーマーやゲーム少年たちがショットの連射に命を燃やしました。
しかし、これはデマ! ウワサが流れ始めた経緯は「プログラムを深読みすると破壊できるようにも見えた」、「PCへの移植版など、一部ソフトのパッケージの裏側には壊せると書かれていた」、「制作者の遠藤雅伸さんがインタビューで壊せるか聞かれた際、冗談めかして壊せないと明言しなかった」など、さまざな要因があるようです。
もっとも、バキュラは「空飛ぶ建築素材」という設定で、飛行速度も速くなければこちらに弾を撃ってくることもない敵キャラだったので、壊せないからといって本作の面白さが損なわれることは何もありませんでした。
●名人、捕まっちゃヤダー!―高橋名人
1985年、ゲームメーカーのハドソンは子供たちに大ブームとなっていたファミコンのゲームのスーパープレイ実演役、および楽しさの伝道者として社員の高橋利幸さんを「高橋名人」として売り出しはじめました。
この試みは大成功し、高橋名人は瞬く間に人気者に。ゲーム化(『高橋名人の冒険島』)、アニメ化(『Bugってハニー』)、マンガ化(『ファミコンランナー 高橋名人物語』)、実写映画化(『GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦』)、そして歌手デビュー(「RUNNER」、「スターソルジャーのテーマ」ほか多数)と、その快進撃は止まりませんでした。
「ゲームは1日1時間」というキャッチフレーズや、身体能力を活かした「16連射」がそんな名人のトレードマークでしたが、ここまで時の人になると有名税――根拠のない悪いウワサ――もできてしまうもの。そのひとつが「高橋名人逮捕説」でした。
当時少年だった筆者が実際に聞いたもののひとつは「ファミコンのコントローラーにバネを仕込んで、不正な手段で16連射をしていた」というものでしたが、もちろんデマ! 高橋名人も、さぞご苦労をされたことでしょう。
前述の『ゼビウス』ネタにも言えますが、当時は「連射」がかなりのホットワードだったように思います。「連射ができるのはかっこいいことだ」みたいなイメージがあったんですよね。「連射は漢(おとこ)のロマン」。そんな時代がありました。
■秘境で謎の人面岩を発見!―『FFIV』『FFV』
月の人面岩が隠しダンジョンの入口になったゲームボーイアドバンス『ファイナルファンタジーIV アドバンス』
時代はくだり、1991~1992年。スーパーファミコンの『ファイナルファンタジーIV』と『ファイナルファンタジーV』で、全国を席捲……とまではいかなかったかもしれませんが、当時のゲーマーたちの間でよく話題になるトピックがありました。
それは『FFIV』の月面にある「人面岩」と、『FFV』の海底にある「モアイ像(のような岩)」はいったい何なのか、というものです。どちらも意図的に配置されているようにしか見えないのに、何の役割も持っていないのです。
いつしか「何らかの条件を満たせば中に入れるようになって……」というようなウワサが流れたりもしましたが、それも「こうだったらいいのに」という願望から生まれたものでしょう。
まず、月面の人面岩は現実に即したネタであったと思われます。1976年、NASAのバイキング1号が撮影した火星の表面を写した写真の中に、「人の顔にしか見えない岩がある」として大きな話題を呼んだため、それにちなんだものであると思われます。
余談ですが、その岩は1996年や2006年に打ち上げられた探査機が同じ区域を撮影した結果「影の付き方の具合で偶然人の顔のように見えていただけ」であったことが明らかになりました。
一方『FFV』の海底モアイ像ですが、モアイというのはイースター島に実際にある、人面を模した石像の名称で、2022年の今日でさえ何のために設置されたものなのかが分かっていないロマンの塊です。
そして『FFV』発売当時で「ゲーム」、「モアイ」と聞いて思い浮かぶものといえば、リング状の光弾で自機を攻撃してくる『グラディウス』シリーズの敵キャラ・モアイでした。もしかしたら『グラディウス』のオマージュ、というような意味合いもあったのかもしれません。
スクウェア(現 スクウェア・エニックス)の開発スタッフたちもこうした盛り上がりは察知していたようで、どちらも後年の移植作品では隠しダンジョンの入り口になったりという役割が与えられました。ある意味では「デマが本当になった」とも言えるかも?
現在配信中の『ピクセルリマスター』シリーズはオリジナルをベースにした作品であるため、またもやただの置き物に戻ってしまっているのがちょっと寂しいです。世界にロマンを!
●どんな形でもいいから生きてほしい―『FFVII』
1997年に初代PlayStationでリリースされ、その圧倒的な3Dグラフィックで世界中に衝撃を与えた『ファイナルファンタジーVII』。本作は、物語の中盤でヒロインのエアリスが非業の死を遂げてしまうストーリーにも大きな注目が集まりました。
そんななかで生まれたのが「エアリスを生存させる方法がある」というデマでした。彼女の死があまりにショッキングであったことから生まれた、ある意味では「願い」ともいえるデマでしたが、なんと実際に生存させる方法が発覚してややこしいことになりました。
とはいえ、ストーリー上で命を落としてしまうことに変わりはなく、正確には「バグを意図的に発生させることで、パーティーキャラとしてのエアリスを離脱させない」という類のもので、その手順も「ゲームプレイ中にディスクトレイを開けて『サガ フロンティア』のゲームディスクに入れ替えて…」というあまりに特殊なものでした。
そうすることでフィールドの地形に不具合が生じるので、「エアリスがまだパーティーにいる状態で、彼女が死んだあとでなければ行けない場所まで一気にゲームを進めて」しまえるというのです。いやはや、なんともすごい話ですね。筆者はこの話を初めて知った時、エアリスとずっといられることよりも、誰がどうやって発見したのかの方が気になってしまいました。
そんな『FFVII』は、2022年現在スクウェア・エニックスからリメイクシリーズの第1作『FFVII リメイク』が発売中で、作中では物語の端々に原作と異なる展開が見られ「これは、もしかしたらもしかするのでは……?」とファンの間で再び大きな話題を呼びました。
20年以上の時を経てまた踊らされてしまっているだけかもしれませんが、筆者もリメイクの2作目となる『ファイナルファンタジーVII リバース』の発売が待ち遠しいです。生存してくれてもいいんですよ……!
(蚩尤)
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