完結、アニメ『ダイの大冒険』結末は続編への伏線? 期待される「魔界編」とは
マグミクス / 2022年10月22日 10時30分
![完結、アニメ『ダイの大冒険』結末は続編への伏線? 期待される「魔界編」とは](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_117404_0-small.jpg)
■ダイが行方不明のまま完結した理由は、次回作への伏線だった
ついに2022年10月22日放送の第100話「さらば!愛する地上よ」で完結を迎えた、TVアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』。長いようで短くも感じた2年間でした。
「週刊少年ジャンプ」連載時から追いかけていたファンには、念願の完全TVアニメ化だったと思います。そして、今回のTVアニメ化から『ダイの大冒険』を見始めた人は、最初に発表された丘の上に刺さった「ダイの剣」のイラストのキービジュアルの意味がようやく分かったことでしょう。そして、あのキービジュアルを見た時の、往年のファンの気持ちも理解できたことと思います。
しかし、一部では「納得いかない」という人もいることでしょう。なぜなら完全なハッピーエンドと言うには主人公であるダイの行方不明をはじめ、いくつかの謎が残っているからです。それはなぜか? ……実は連載時、この後に「魔界編」と呼ばれるシリーズが考えられていたからでした。
この「魔界編」については後に書籍にて原作者である三条陸先生がいくつか語っているので、そのコメントを交えてご紹介していきましょう。
『ダイの大冒険』は人気作品だったゆえに、大魔王バーンを倒した後も連載を続ける予定がありました。そのため、次回シリーズへの伏線がいくつか散りばめられていたわけです。しかし人気の面でなく、休みなく週刊連載を続けてきたマンガ担当の稲田浩司先生の体力の面を考慮して、マンガ連載ではバーンとの戦いで作品は完結となりました。
そのため、いくつかの伏線が未回収で終わってしまいました。まるで打ち切り終了にも思える最後となりましたが、作品としてはキレイに完結した作品というわけです。もっとも、「魔界編」はまったく幻の作品になったのかというと、そうではないと思っている人も多いことでしょう。なぜなら三条先生がコメントした「魔界編」の構想は、第二部と呼ぶにふさわしい期待感のあるものだったからです。
「魔界編」の物語はバーンとの戦いから5年後。舞台はタイトル通り、魔界での戦いとなる予定でした。以降は筆者の考察を交えながら「魔界編」について解説していきます。
■隠されていた「魔界編」への伏線
『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』放送前に公開されたダイのビジュアル (C)三条陸、稲田浩司/集英社・ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京 (C)SQUARE ENIX CO., LTD.
「魔界編」ではダイが父であるバランの後を継ぎ、竜騎将となって「新生竜騎衆」を率いる予定でした。そのメンバーは陸戦騎にラーハルト。実はラーハルトがよみがえったのは魔界編への伏線だったそうです。
海戦騎にはクロコダイン。最終決戦で戦力外の「瞳」にされたので実力を疑問視する人もいるかもしれません。しかし、あの時のクロコダインはバーンとの初戦のダメージを回復することなく、超魔ゾンビとの戦いまで休みなしですから疲労困憊の状態だったと思います。むしろ、歴戦の疲れを表面に出していないタフさは驚異的でしょう。
そして、空戦騎には新しいキャラクターが加わる予定だったそうです。確かにダイの仲間で空を飛べるのはクロコダインのガルーダくらい。適任はいません。しかし、トベルーラを使えば空を自在に飛べるポップがいます。ひょっとしたら……と考えられます。前任者のガルダンディーとの因縁を考えれば面白いかもしれません。
「魔界編」の敵は誰でしょうか? ……これについても三条先生は明確にコメントしていました。「魔界編の敵はバーン、冥竜王ヴェルザーと並ぶもうひとりの魔界の王」だそうです。しかも、この3人はお互いに負けたら石になるという呪いをかけあいました。この第三勢力を地上に出さないようにダイと新生竜騎衆が戦うというのが、「魔界編」の最初の展開だったようです。
ちなみに伏線だったのが、ダイの前に現れたマザードラゴンが言っていた、「ある邪悪な力」の存在です。マザードラゴンが新たな竜の騎士を生み出せなくなった要因である邪悪な力。それこそが「魔界編」で登場する第三勢力の正体かもしれません。
この他にも魔界への入り口とされる場所が伏線としてありました。そのひとつはアバンが150階で進むのをやめた「破邪の洞窟」。アニメでは最下層が魔界につながっているというセリフがあります。
他にもデルムリン島にも魔界への入り口があるという記述が書籍にありました。考えてみると、レオナが儀式を執り行う予定だった場所にある大穴は、ブラスも「島のモンスターも近寄らない場所」と言っていました。
さらに外伝のマンガ『勇者アバンと煉獄の魔王』でもギュータにある「逢魔窟」が魔界へつながっているというエピソードが最近になって登場して話題となっています。こうなると幻の「魔界編」がリスタートする可能性はゼロではないかもしれません。
しかし、三条先生と稲田先生は現在、マンガ『冒険王ビィト』を連載中で、すぐには執筆できないと思われます。すぐに見れる可能性があるとすれば、両先生監修によるアニメでの展開でしょうか?
思えば三条先生の関わった特撮作品『仮面ライダーW』は終了後、マンガで『風都探偵』として復活、現在はTVアニメにもなっています。作品の発表媒体にこだわらなければ、早々の展開もあり得るかもしれません。
(加々美利治)
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