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『WXIII 機動警察パトレイバー』BS12で放映 「リアルだけど、おかしい」ロボット&怪獣映画たち

マグミクス / 2022年10月23日 9時10分

『WXIII 機動警察パトレイバー』BS12で放映 「リアルだけど、おかしい」ロボット&怪獣映画たち

■パトレイバーが巨大生物と戦うことに

 もしも、巨大ロボットが現実世界に存在したら? 『マジンガーZ』や『機動戦士ガンダム』などのロボットアニメを観て育った世代は、そんなことを夢想したのではないでしょうか。人気アニメシリーズ「機動警察パトレイバー」はリアルな設定で、ロボットアニメ愛好家たちを大いに喜ばせました。押井守監督による劇場アニメ『機動警察パトレイバー the Movie』(1989年)、『機動警察パトレイバー2 the Movie』(1993年)は、どちらも高く評価されています。

 押井監督から、高山文彦総監督と遠藤卓司監督にバトンタッチされたのが、劇場アニメ第3弾『WXIII 機動警察パトレイバー』(2002年)です。脚本を担当したのは『山の音』などで知られる漫画家のとり・みき氏。ゆうきまさみ氏の原作マンガ「廃棄物13号」を脚色した、番外編的な作品となっています。

 2022年10月23日(日)のBS12では、19時からの「日曜アニメ劇場」にて『WXIII 機動警察パトレイバー』を放映します。泉野明と篠原遊馬の登場場面は限られていますが、東京湾に現れた全長20メートルある巨大生物と、パトレイバーとの対決がクライマックスには用意されています。

■サンライズが挑んだ実写映画『ガンヘッド』

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 リアルな世界観やディテールにはこだわったものの、作品としてはアンバランスで、完成度が微妙なものも少なくありません。そんな作品のなかから、ちょっとおかしな出来だけど、それゆえに愛おしく感じられる実写系ロボット&怪獣映画をご紹介します。『WXIII機動警察パトレイバー』がお好きな方なら、きっと気に入るに違いありません。

 リアルな巨大ロボットが登場する実写映画として、多くの人が思い浮かべるのは原田眞人監督の『ガンヘッド』(1989年)ではないでしょうか。『機動戦士ガンダム』を大ヒットさせたアニメ制作会社「サンライズ」が、特撮映画の伝統を持つ東宝とタッグを組んだアクション大作でした。制作費は日本映画としては破格の15億円を投じています。

 全長6メートルとなる可変式戦闘車両「ガンヘッド」は実寸大で制作され、人気アニメ『超時空要塞マクロス』で知られる河森正治氏がメカデザインを担当。若手時代の高嶋政宏さんが「ガンヘッド」に乗り込み、人類に反旗を翻した巨大コンピュータとの戦いに挑みます。

 メカデザインは凝っていて、ガンヘッド部隊は日米混成で日本語と英語が飛び交うなど、リアル路線のSFアクションなのですが、無人のロボット工場が舞台となっており、薄暗い工場内での攻防が続きます。ガンヘッドが二足歩行型でないこともあり、ロボットものとしての高揚感がないまま、物語は終わりを告げます。

 興行的にも残念な結果に終わった『ガンヘッド』は、サンライズにとって実写ドラマ『Gセイバー』と並ぶ「黒歴史」となっています。Netflixでの配信が予定されている実写版『ガンダム』は、黒歴史の過去を払拭してくれるのでしょうか。

■マニア人気の高い『ロボ・ジョックス』

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 巨大ロボットたちが大激突したのは、スチュアート・ゴードン監督による特撮映画『ロボ・ジョックス』(1990年)です。米国映画らしく、ド派手なロボットバトルが繰り広げられます。

 核戦争後の近未来、世界は共和国と連邦とのふたつの陣営に分断され、両陣営は戦争の代わりに巨大ロボットたちを戦わせるようになっています。ロボット同士による格闘試合です。レーザー砲や巨大チェンソー、さらにはロケットパンチまで繰り出される、迫力のある攻防となっています。

 マニア人気の高い『ロボ・ジョックス』ですが、一般層にはあまり知られていません。ドラマパートがチープなのが、その要因となっているようです。リアルロボットものは、特撮パートとドラマパートとのバランス加減が難しいジャンルでもあるのです。

■ロボットのデザインが衝撃的すぎた『ミカドロイド』

映画『ミカドロイド』DVD(東宝)

 東宝が再びリアルロボットものに挑んだのは、原口智生監督の『ミカドロイド』(1991年)です。劇場公開作ではなく、オリジナルビデオ作品としてリリースされました。『シン・ウルトラマン』(2022年)を大ヒットさせた樋口真嗣監督が、「特技監督」デビューを果たした作品でもあります。

 太平洋戦争末期に旧日本陸軍が極秘開発していたロボット型の人造人間がバブル時代に蘇り、殺戮を重ねていくという物語です。登場するのは人間大のロボットですが、『ガス人間第1号』(1960年)などの往年の東宝特撮ホラー映画を彷彿させます。

 洞口依子さんを恐怖のどん底に追い詰める殺人兵器「ジンラ號」は、戦時中に開発されたという設定のため、1960年代に放映された懐かしいTVアニメ『ロボタン』などを彷彿させる、超レトロなデザインとなっています。思わず笑ってしまいますが、そんな寸胴なロボットが容赦なく襲ってくる姿が不気味でもあります。

■世界初のフルCGによる怪獣映画『惑星大怪獣ネガドン』

 最後に紹介するのは、巨大ロボットが宇宙怪獣と激突する『惑星大怪獣ネガドン』(2005年)。わずか25分という短編映画ながら、粟津順監督がひとりで創り上げた入魂のフルCGアニメです。

 時代は「昭和百年」。人類が火星をテラフォーミングしたことで、火星で眠っていた巨大怪獣が目覚め、地球を襲うというスケールの大きな作品です。かつて未来型ロボットの開発中にひとり娘を事故で亡くしていた博士が二号機ロボットを操縦し、怪獣と戦います。

  レトロフューチャーな世界観が魅力的で、怪獣映画やロボットアニメを無邪気に楽しんでいた「昭和時代」が懐かしく感じられる作品となっています。

 巨大ロボットが怪獣と激闘を繰り広げるハリウッド大作『パシフィック・リム』(2013年)や、怪獣パニック映画『グエムル 漢江の怪物』(2006年)など、迫力あるロボット映画やリアルな怪獣映画が楽しめる時代となりました。そうした成功作が生まれるまでには、多くの夢狩人たちが流した膨大な汗と涙があったことを覚えておいてください。

※本文の一部を修正しました。(2022年10月23日 14:59)

(長野辰次)

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