男子校の「姫ポジ」を楽しむ生徒 だけど意外な過酷さも知り「わかる」「うちにもいた」

■学年が上がると「姫ポジ」に変化？

　女子校の「王子ポジ」と同じく、男子校にも存在する「姫ポジ」。他の生徒だけでなく、先生まで優しくしてくれて、そのポジションをそこそこ楽しんでいた生徒ですが、学年が上がるとある残酷な面にも気付いてしまい……。

「男子校の姫ポジ。」というタイトルで、Twitterで公開されたマンガが、話題を呼んでいます。「ウチの男子校にもいました」「共学だけどそのポジションいたかも」「女子校の王子ポジは大変そうだった」と、男女問わずさまざまな感想が集まり、Twitter投稿は3万7千以上のいいねがされました。

このマンガを描いたのは、TwitterやInstagram、noteで『#男子校エッセイ』『#チビエッセイ』『 #僕は変態に絡まれやすい』『#CM業界エッセイ』などの作品を発表している、CMプランナーのコンテくんさん（@conte_kun）です。コンテくんさんに、作品についてのお話を聞きました。

ーー男子校出身以外の人には、「姫ポジ」という存在は意外だったと思います。今回のマンガを描いたきっかけを教えて下さい。

　中高6年間男子校だった経験を活かして「男子校エッセイ」という漫画をSNSで載せているのですが、それを描く上で男子校の同級生にたまに連絡をとって、ネタ集めをしています。

　そのときに、ある子から「予備校に通っていたときに、クラスに姫ポジの男子がいたけど、コンテくんで見慣れていたから弱く感じた」という話を聞いて、「……姫ポジってなに？」という感じになり……（笑）。「姫ポジ」というワードは、そのときに知りました。

　自分が男子校時代にしてきた（されてきた）行為の一連が「姫ポジ」だったんだと知って、エッセイマンガにしてみようと思ったのがきっかけですね。思った以上に反響があって驚いています。

ーー「姫ポジ」にいて、いちばん良かったことの思い出などはありますか？

　高校3年生のときに学校行事で劇団四季のミュージカルを見に行くことがあったのですが、席が自由席で早い者勝ちだったんです。でも同級生たちが「コンテくんは吹奏楽部だから前の席に行きなよ」とか「コンテくんは背が低いから、こっち側の席だとステージがよく見えるよ」みたいな感じでどんどん良い席を譲ってくれまして。最終的に前から三列目のど真ん中の席に案内してくれて、特等席でミュージカルを見ることができました……（笑）。役得という意味で、一番想い出深いかもしれません（笑）。

ーー卒業後に男子校時代のご友人と会う際などは、学生時代と同じようなノリなのでしょうか。

「お前は変わらないな」「でもやっぱ老けたな」とかいろいろ言われますが、基本的にみんなあの頃のように優しく接してくれますね。さすがにもう、膝の上には乗りませんが……（笑）。

男子校は愛でるものが少ない？（コンテくんさん提供）

ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

「俺の男子校にも姫ポジいました！」「共学にも姫がいた！」という声もあり、また、男子校に勤めている方からも「たしかに姫はいました」というリプライも来ていましたね。一方「６年間男子校だったけど、姫ポジなんてなかった」みたいな反応もあったので、姫ポジはニッチな存在だったんだなと改めて思いましたね。世代や学校によって、変わってくるのかもしれません。

　男子校や女子校みたいな「異性がいない環境」に身を置くと、今まで異性が担っていたポジションが回ってきて、役割分担的な感じで、いろんなポジションが生まれるんだと思います。

　例えば、女子校では王子ポジの子を守る「騎士ポジ」が生まれた、男子校では聖母みたいな「母ポジ」がいたという声も聞きました。女子校も男子校もまだまだ奥深いですね……（笑）。

ーー今後発表される作品については、どのように活動していきたいとお考えでしょうか？

　僕が描いている男子校エッセイは「男子校あるある」というわけではなく、「こんな楽しい男子校があったよー」くらいのゆるい感じで描いています。今後も「男子校」や「チビ男子」というニッチなジャンルをエッセイマンガで描いていきたいですね。

　そして、僕のマンガを読んで「こんな世界もあるんだ〜」みたいなノリで、これからも読んでくださるとうれしいです。

（マグミクス編集部）