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劇場アニメ『時空の旅人』がBS12で放映 竹内まりやが大人気だった80年代Jポップ

マグミクス / 2022年11月12日 18時10分

劇場アニメ『時空の旅人』がBS12で放映 竹内まりやが大人気だった80年代Jポップ

■タイムループするラブロマンス

 竹内まりやさんが主題歌、キャラクターデザインは『11人いる!』『ポーの一族』で知られるマンガ家の萩尾望都さん、プロデューサーは『銀河鉄道999』(1979年)を大ヒットさせた監督・りんたろう氏……。劇場アニメ『時空の旅人』(1986年)は、豪華スタッフが集結したことで話題を呼んだ作品です。

 マイクロバスがタイムマシンとなり、高校生たちが時間旅行に繰り出すという奇想天外なSFストーリーです。原作は眉村卓氏の小説『とらえられたスクールバス』。大ヒット映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年)よりも早い、1977年~78年に発表されています。

 2022年11月13日(日)の BS12では、19時からの「日曜アニメ劇場」にて『時空の旅人』をオンエアします。作品の見どころとともに、世界的な注目を集めるようになったシティポップとアニメ作品との蜜月が始まった1980年代を振り返ります。

■戦国時代に流れる、竹内まりやが歌う英語歌詞

 物語の主人公は、女子高生の哲子。セーラー服の似合う美少女です。同級生たちからは「テコ」と呼ばれています。そんなテコが、ラグビー部の信夫、パソコン部の真一たちとマイクロバスに乗って、さまざまな時代を旅することになります。

 マイクロバスをタイムマシンに改造したのは、未来からやって来た謎の少年アギノ・ジロでした。国語の教師・北勉もたまたまバスに乗り合わせてしまいます。一行は大空襲に遭う太平洋戦争中の東京、さらには討幕派と佐幕派に分かれた幕末、そして関ヶ原の合戦……と、この国の歴史が変わる大きな分岐点に立ち会うことになるのです。

 時間旅行のさなか、テコは不思議な出会いも果たします。太平洋戦争中の東京で、テコはある少年から命を助けてもらったのですが、織田信長の小姓を勤める森蘭丸はその少年にそっくりでした。一方の蘭丸も、テコに初めて会ったような気がしません。運命的な恋に、ふたりは引き寄せられていくのでした。

 信長と蘭丸が死ぬ運命にある「本能寺の変」が刻々と近づいてきます。テコと蘭丸の時空を超えた恋愛はどうなるのでしょうか。

 竹内まりやさんが歌う主題歌「時空の旅人」は、テコと蘭丸が運命的な恋愛を育んでいくシーンで流れます。竹内さんが歌う英語歌詞が戦国時代に流れるという、なかなかシュールな場面となっています。時空を超えた想いを歌ったエンディング曲「タイムストレンジャー ~テコのテーマ~」も、ぜひチェックしてください。

■山下達郎がプロデュースしたアルバムは名盤に

美少女・テコと森蘭丸との時空を超えた恋愛は『時空の旅人』物語の軸に  (C) 1986角川映画

 竹内まりやさんが作詞作曲、ご主人である山下達郎さんがアレンジした「時空の旅人」と「タイムストレンジャー」は、竹内さんの14枚目のシングル曲としてリリースされました。7枚目のアルバム『REQEST』にも収録されています。

 1987年に発表された『REQUST』では、薬師丸ひろ子さんが大ヒットさせた「元気を出して」、河合奈保子さんに提供した「けんかをやめて」などをセルフカバーしており、竹内さんのディスコグラフィーを代表する大ロングセラーアルバムとなっています。

 1978年にデビューした竹内まりやさんは「SEPTEMBER」(松本隆作詞、林哲司作曲)などをヒットさせ、当初はアイドル的な人気を博していましたが、1982年に山下達郎さんと結婚して以降は、家事や育児をしながらソングライターとして活躍するようになります。

 前作『VARIETY』に続き、山下達郎さんが全曲プロデュース、竹内さんが作詞・作曲を手がけた『REQUST』は、いま聴いても古くささを感じさせません。竹内まりやさんと山下達郎さんは、ともにシティポップを代表するアーティストとして、海外でも人気となっています。

■親和性が高かったシティポップと80年代アニメ

 1980年代は劇場版三部作『機動戦士ガンダム』(1981年~82年)が大ヒットしたのを皮切りに、次々と人気アニメが生まれ、空前のアニメブームを迎えます。「アニメは子供が見るもの」という1970年代までの考え方が変わり、若者が楽しめるアニメが制作されるようになりました。

 元「ジャッキー吉川とブルー・コメッツ」の井上大輔さんは、劇場アニメ『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』(1981年)の主題歌「哀 戦士」、三部作完結編『機動戦士ガンダム III めぐりあい宇宙編』(1982年)の主題歌「めぐりあい」を作曲し、スマッシュヒットさせています。富野由悠季監督とは、日大芸術学部時代からの知り合いでした。当時の人気歌謡番組『ザ・ベストテン』(TBS系)で、井上大輔さんがサックスを手に「哀 戦士」を熱唱した姿はとても印象的でした。

 1983年にはTVアニメ『キャッツ・アイ』(日本テレビ系)のオープニングテーマ「CAT’S EYE」を杏里さんが歌い、ミリオンセラーになる大ヒット曲となりました。同じく、北条司氏のマンガを原作にした『シティーハンター』(日本テレビ系)のエンディング「Get Wild」は、1987年にリリース。TM NETWORKの名前を広く知らせることになります。小比類巻かほるさんが歌う「City Hunter~愛よ消えないで~」は、『シティーハンター』第1期のオープニングを飾りました。

 1985年に放映されたSFアニメ『ダーティペア』(日本テレビ系)の主題歌「ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット」は、中原めいこさん自身が作詞・作曲。2020年ごろから海外でリバイバルブームが起きている松原みきさんは、劇場アニメ『ダーティペア』(1987年)のオープニング曲「サファリ アイズ」を歌唱しています。

 作画力が向上し、若者向けのテーマ性を持つようになった80年代のアニメ作品は、シティポップの洗練させた世界との親和性が高かったと言えるでしょう。80年代はシティポップとアニメ作品とが幸せなマリアージュを果たした時代でもあったのです。

 竹内まりやさんをはじめとするシティポップ系アーティストたちの歌声を聴くと、青春時代にタイムスリップしたような懐かしい感覚に陥る人もいるのではないでしょうか。

(長野辰次)

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