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『ベルサイユのばら』新作アニメで描いてほしい「ときめきシーン」4選

マグミクス / 2022年11月24日 15時10分

『ベルサイユのばら』新作アニメで描いてほしい「ときめきシーン」4選

■TVアニメでカットされた「闇落ちアンドレ」のシーン

 不朽の名作『ベルサイユのばら』(著・池田理代子)の誕生50周年を記念し、完全新作となる劇場アニメの制作が発表されました。原作でファンになった方々も、宝塚歌劇でハートを撃ち抜かれた方々も、アニメでときめいた方々も、約2時間の上映時間にあの壮大な恋と歴史の物語がどんな風にまとめられるのかと、今からソワソワザワザワしていることでしょう。

『ベルサイユのばら』はフランス革命前後のベルサイユを舞台に、男装の麗人オスカルと彼女を愛し支えるアンドレ、悲劇の王妃マリー・アントワネットとスウェーデン貴族フェルゼンの2組の男女が織りなす愛の物語です。

 とはいっても、ただのラブストーリーではなくフランス革命という史実をベースに、大きな時代のうねりを起こした人びと、翻弄された人びと、そして自らの人生を切り開こうとした人びとの姿が生き生きと描かれています。

 今回は、そんな『ベルサイユのばら』新作劇場アニメでじっくりしっかり見たいシーンを振り返ります。

●アンドレの愛の形……毒入りワイン事件

 まずは、アンドレがオスカルを愛するあまり、彼女を自分だけのものにしようと毒入りのワインを飲ませようとするシーンです。このシーンは、突然のオスカルの結婚話で追い詰められたアンドレの狂おしいほどの愛と葛藤、そして我に返り、命をかけてオスカルを守ることを誓う……というドラマチックなシーンですが、TVアニメではカットされていました。
 普段は優しく穏やかなアンドレとは違う、思い詰めた表情に胸が締めつけられ、闇落ちするほどの愛に震え、「おれの…オスカル…」というセリフに涙がこぼれます……。アンドレというキャラクターの愛の形について気づかされるシーンです。

 そして、このシーンでのアンドレの決意は、原作マンガでは、この後の彼の最期にもかかわってきます。原作マンガとTVアニメではアンドレの死の原因が違っていましたが、新作劇場アニメではどうなるのでしょう? 原作に忠実に描くのであれば、たっぷりとアンドレに寄り添って描いてほしいシーンです。

●運命の出会い……仮面舞踏会の夜

 当時、王太子妃だったマリー・アントワネットとフランス留学中のスウェーデン貴族フェルゼンの出会いは、マリー・アントワネットがお忍びで出かけた仮面舞踏会でのことでした。

 TVアニメでは、お互いにひと目ぼれする様子が「ドキッ」「きらきら~」と、とても古典的ななイメージで描かれています。ここはマリー・アントワネットとフェルゼン、オスカルの人生が初めて交錯するとても重要なシーンでもあるので、新作劇場アニメではじっくりしっかり見たいシーンです。大人が見て恋の甘酸っぱさと同時に、この先に待つ運命への不安も感じさせるシーンになるでしょう。

■ルイ16世とマリー・アントワネットの最期は?

白バラの人、オスカルが表紙に描かれている『ベルサイユのばら』Kindle版第1巻(著:池田理代子)(フェアベルコミックス)

●ジェローデルの「愛の証」

 ジェローデルからオスカルへの求婚のエピソードも、原作マンガとTVアニメでは大きく異なった描かれ方をしています。貴族であるジェローデルは結婚相手としては申し分ありませんし、仕事のうえでもオスカルのライバルになりうるほど有能でした。そして彼はオスカルに対して次第に愛情を抱くようになっていったのです。

 そんなジェローデルはオスカルに正式に求婚した、ただひとりの男性です。原作マンガでは、オスカルと身も心も結ばれた後であっても、アンドレは身分の違いを承知して求婚はしておらず、「アンドレ この戦闘が終わったら結婚式だ」とオスカルからアンドレに告げています(TVアニメでは、アンドレの絶命シーンでオスカルから結婚式の話をしています)。
 しかし、ジェローデルは違います。自分からオスカルの父ジャルジェ将軍にかけあっているのです。それを考えると優しく穏やかでかつ、強さも持ち合わせた人物なのでしょう。原作マンガでは、身の引き方も紳士的かつオスカルへの思いにあふれたもので、筆者は大人になってあらためて彼の魅力に気づきました。このジェローデルの「愛の証」のセリフは、大人になった今こそ、じっくり聞きたいものです。

●王と王妃の毅然とした最期

 最後に取り上げるのは、「ときめきシーン」ではありませんが非常に重要なシーンです。オスカルの死後のフランスでの出来事については、TVアニメではアランやロザリーの回想によって話が進められます。そのため、王と王妃の死がさみしく、あわれでみじめに見えてしまうのです。

 特にルイ16世については、愚鈍で弱腰な人物と言われてきましたが、近年見直しが進んでいます。テュイルリー宮殿襲撃の際は、王が落ち着いていて、勇気を見せたからこそ国王一家は虐殺を免れたとも言われていますし、家族に対して優しく大きな愛を持った人物だったようです。

 王妃もけっしてフェルゼンとあけすけにラブストーリーを繰り広げていたわけではありません。お互いの立場を理解し愛するからこそ、簡単にいわゆる不倫関係には至れなかったとも言われています。そして新作劇場アニメでじっくり描いて欲しいのは、ルイ16世とマリー・アントワネットの最期です。

 断頭台に送られる人のなかには、泣きわめいたり暴れたりする人も多かったようですが、彼らは断頭台に登っても最期まで王らしく、そして王妃らしい態度であったといいます。『ベルサイユのばら』が、ただ恋愛物語ではなく、歴史を描いた作品だからこそ、ふたりの最期は大きな意味を持つと思うのです。

 TVアニメでは、原作マンガよりもアンドレが前面に出ていて、オスカルが市民側についた理由など、原作マンガとは大きく異なる部分があります。新作劇場アニメでは原作マンガ寄りになるのか、TVアニメ寄りになりのか、それとも新たなオリジナル脚本なのか……楽しみに待ちましょう。

(山田晃子)

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