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『水星の魔女』で知識ゼロの「ガンダム体験」 前半で早くも感情が鬱屈とする

マグミクス / 2022年11月16日 18時10分

『水星の魔女』で知識ゼロの「ガンダム体験」 前半で早くも感情が鬱屈とする

■知識ゼロからの「ガンダム体験」は情報整理が大変だった

 筆者はその他大勢のアニメファンと同様に、ロボットもSFも好きです。しかし、重厚な世界観や40年以上続くという『機動戦士ガンダム』の歴史に、なかなか触れるきっかけがありませんでした。たまに放送される、アニメ系特番でアムロやシャアの名ゼリフを知っていたり、「ガンダム」はロボットと呼ばず「モビルスーツ」なのだということを知っていたりする程度です。

 そんな筆者にとって、初の「ガンダム体験」となったのが、2022年10月2日より放送がスタートした、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』でした。このコラムでは、「ガンダム」に初めて出会った筆者の、6話までを視聴した素直な気持ちをまとめました。

※「ガンダム」に精通する諸先輩方は、どうか温かい目でこの遭遇を見守って下さい。

●水星!? 学園もの!?

「ガンダム」の戦闘というのは、地球と地球周辺の宇宙空間を舞台としたものだと思っていました。それが水星とは……。想像のななめ上の壮大な世界観に、タイトルと第1話から度肝を抜かれました。

 しかも、物語の中心となるのが宇宙に浮かぶ学園だというのも、また驚きです。二国間の争い、地球軍と宇宙軍の争いが大きなテーマだという先入観を持っていたので、「ガンダム」という物語の懐の広さに、うなってしまいました。

 ちなみに、第1話で主人公・スレッタが宇宙に漂う要救助者(実際は学園から脱出しようとするヒロイン・ミオリネ)を助けようとするシーンのBGMが、とても良かったです。『天空の城ラピュタ』で、ロボット兵が暴れるなかでシータをパズーが救出するシーンで流れたような、緊迫感のある音楽でした。まあ、スレッタはこの後すぐに頭突きされてしまうわけですが(笑)。

●人間関係のややこしさと分かりやすさの絶妙なバランス

『水星の魔女』は学園が舞台ということで、割と登場人物やキャラクター同士の関係性がシンプルなのかなと思ったのです。はい、甘く見ていました。第1話から、複雑怪奇な人間相関図が次々とでき上がるのを見て、呆けてしまいました……。

 中世さながらの決闘システムが敷かれている学園。学園を取り巻くあらゆる規律を左右する、巨大な企業グループの因縁。いびつな親子関係。地球居住者「アーシアン」に向けられる、宇宙居住者「スペーシアン」からの強烈な差別感情。

 スレッタの機体・エアリアルやその他のモビルスーツの戦闘シーン以上に、人間ドラマが重厚すぎません? と驚きました。歴代の「ガンダム」シリーズも、これくらい人間同士がからみ合っているのでしょうか……? とはいえ、キャラクターの行動や性格はシンプルで分かりやすく、当初感じたややこしさはすぐになくなりました。

●ガンダムを取り巻く重すぎる物語

 作中では、「ガンダム」(本編では「GUND-ARM」と表現される)の「異質さ」が何度も語られており、シリーズ初視聴者でも、「ガンダム」という機体がいかに特別かがすぐ分かりました。同時に、「ガンダム」を取り巻くストーリーが展開される5話あたりから、いきなりシリアス度が増して驚きました。

「GUND-ARM」に搭乗するには、身体改造を施された「強化人士」となる必要があります。そんなリスクを背負ってでも、この機体に順応しようという人間の業の深さや、技術開発の犠牲となる人の悲しみがとてもリアルに描かれていて、ここまでの温度差にやられてしまいました。まさか、冒頭あれだけイヤな奴として搭乗したエリートパイロット、グエルが癒やしキャラに感じられるとは……。

 そして、これだけの展開を見せられて迎えた最新話は、まさかのダイジェスト特番でした。いやうれしいけれども! 振り返りは大事だけれども! この鬱屈となってしまった感情を、なんとか早く処理したい。つまり、続きを早く観たいという気持ちにさせられました。

 どこまでが歴代の「ガンダム」シリーズの「お約束的展開」かは、筆者には分かりません。それでも、SF描写の美しさとそれを凌駕する濃厚な人間ドラマは、見ごたえ抜群でした。個人的には、序盤でめっきり出番が減ったミオリネのお父さん、「ダブスタクソ親父」ことデリングの再登場を楽しみに待ちたいと思います。

(サトートモロー)

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