弾道ミサイルも登場!『大戦略』のシステムソフト作品を振り返る 「PC-98」発売40周年で
マグミクス / 2022年11月25日 6時10分
![弾道ミサイルも登場!『大戦略』のシステムソフト作品を振り返る 「PC-98」発売40周年で](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_122598_0-small.jpg)
■報道を賑わした「スカッドミサイル」もいち早く導入
1980年代から90年代にかけて、NECが発売したPC-9801シリーズ(以下、PC-98)用に膨大な数のPCゲームが発売され、ユーザーを楽しませてくれていました。そのなかでも当時大きな存在感を発揮していたのが、システムソフト(現:システムソフト・ベータ)です。PC-98にサードパーティとして参加した会社のなかで最も多い77タイトルを発売しており、光栄(現:コーエーテクモゲームス)の57本や日本ファルコムの28本を大きく上回ります。
代表的なタイトルとしては、ウォー・シミュレーションゲームの「大戦略」シリーズ、そして歴史シミュレーションゲームの「天下統一」シリーズが挙げられるでしょう。2022年で「PC-9801」の発売から40周年を迎えたこの機会に、振り返りたいと思います。
「大戦略」シリーズの第一作『現代大戦略』が発売されたのは1985年11月19日、今からおおよそ37年ほど前となります。アメリカ製の兵器であるF-16Cファイティング・ファルコン戦闘機やA-10サンダーボルトII攻撃機、SH-1Sヒューイコブラ戦闘ヘリ、ドイツ製の兵器であるレオパルドII戦車にゲパルと対空戦車など、さまざまな兵器を生産し、敵戦力を撃破していくゲームです。
歩兵で都市を占領し、資金を確保してさらに戦力を強化する流れでゲームが進行、登場するユニットの画像は当時としてはかなりクオリティが高く、戦闘の結果をアニメーションで見せてくれるなど臨場感を演出する仕組みが盛り込まれていました。
戦って生き残ればユニットに経験値が入りレベルアップできるなど、後のシミュレーションゲームの基本となるようなシステムは『現代大戦略』が持ち込んだものであり、後の数多くのタイトルの先駆けと言える作品です。
1987年には『大戦略II』が発売され、間接攻撃や敵味方同時攻撃の概念が導入されました。生産する兵器の国家・組織を選べるようにもなっており、より没入感も増しています。
その後も「大戦略」シリーズは『大戦略III』や『現代大戦略EX』など膨大な数の作品が発売され、家庭用にも移植され人気を博しました。湾岸戦争の際に有名になった「スカッドミサイル」の導入や、タイトルによっては弾道ミサイルの発射も可能となるなど新情報の取り込みも早かったのは、ゲームの開発を少人数で素早く行えた時代ならではといえるでしょう。
■『信長の野望』と人気を二分したシミュレーション
Window向けに発売されている「天下統一ADVANCE」(システムソフト・ベータ)
そしてシステムソフトといえば、「天下統一」シリーズも忘れることはできません。
初代『天下統一』は1989年にPC-98対応タイトルとして発売され、城や街道もシミュレートの対象となっており、国単位で争う『信長の野望』シリーズと比較して勢力争いの細やかさが印象的でした。
1991年には『天下統一II』が発売。武力以外にも外交での天下統一を目指せる柔軟なプレイが可能となっています。1992年には『天下統一II パワーアップセット』も発売。独自のシナリオを追加できるシナリオエディタも開発され、プレイヤーたちが独自のシナリオを作り上げてゲームの中に入れ込めるようになるなど、根強い人気を誇るタイトルとなりました。
なお、ゲームデザインを務めたのは黒田幸弘氏。1987年に『D&Dがよくわかる本』を世に送り出し、日本のテーブルトークRPG普及に大きく貢献したことでも知られている人物です。
システムソフトはその他にもRPG『ティル・ナ・ノーグ ダーナの末裔』やコンバットフライトシミュレーション『エアーコンバット』など印象的なタイトルを数多く発売していますが、特筆すべきタイトルとしては月刊ゲーム誌「コンプティーク」の読者参加型ゲームをPCゲーム化した『ロボクラッシュ』が挙げられるでしょう。
『ロボクラッシュ』はさまざまなパーツを組み合わせて自律型のロボットを作って戦わせるゲームで、戦闘開始後はプレイヤーがコントロールすることはできません。考え抜いて作り上げたロボットが敵のロボットと戦う姿を見ながら手に汗握り応援していた記憶は、今も忘れ難いものがあります。
システムソフトはすでにゲームの開発からは手を引いていますが、残した足跡は非常に大きなものがあります。
何もかも忘れ、熱中できた時間をありがとう、システムソフトさん。
(早川清一朗)
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