PCアダルトゲームが残した「功績」は大きかった? 時代を席巻するクリエイターたち
マグミクス / 2022年11月24日 20時10分
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■「ニトロプラス」でデビューした脚本家
1980年代後半から2000年代初頭にかけて、パソコンでプレイできるアダルトゲームは高い人気を誇り、一大ジャンルを築いていました。若きクリエイターたちはチャンスや生活の糧を求めてアダルトゲームの世界に飛び込み、その才能を次々と開花させていったのです。
しかし2002年を頂点にアダルトゲームの市場は縮小しており、腕を振るったクリエイターたちも今では別のジャンルで仕事をしている……というケースも多くなっています。そのなかには超一流のクリエイターとして今なお傑作名作を世に送り出している方々も存在しているのです。懐かしの名作を作り上げた方々が近年は何をしているのでしょうか。
アダルトゲームジャンルでデビューし、その後に大活躍しているクリエイターの代表例としては、虚淵玄(うろぶち げん)氏が挙げられるでしょう。虚淵氏はゲーム制作会社「ニトロプラス」の処女作『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-(ファントム ファントム オブ インフェルノ)』でデビューを果たし、その後も『吸血殲鬼ヴェドゴニア』『鬼哭街』『沙耶の唄』など、ひと癖もふた癖もある傑作、名作、問題作を次々と 手掛けました。
小説家としても活躍しており、2004年には『Fate/Zero(同人版)』を執筆、その他にも多数のノベライズを担当しています。
2008年には『ブラスレイター』でシリーズ構成・脚本を担当しアニメ方面にも進出。2011年の『魔法少女まどか☆マギカ』では事前に虚淵氏が脚本を担当することが明らかになっていたため、蒼樹うめ氏の可愛らしいキャラクターデザインであるにも関わらず、おそらく凄惨な内容の作品だろうと推測しているファンが多く、事実その通りとなりました。
2013年には『仮面ライダー鎧武/ガイム』のメインライター担当し特撮方面にも進出。2016年に放送された人形劇『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』では原案と全話脚本、総監修を務めています。今なお活躍の幅を無限に広げつづける虚淵氏の活躍は、まだまだ続きそうです。
■『Fate』シリーズの生みの親も
『月姫』は奈須きのこ氏のデビュー作。2021年にリメイクされ、『月姫 -A piece of blue glass moon-』(アニプレックス)として発売された
アダルトジャンルでデビューを果たしたクリエイターとしては、奈須きのこ氏の存在を外すわけにはいかないでしょう。
2000年に盟友の武内崇氏らと共に同人アダルトゲームの『月姫』でデビューした奈須氏は、2004年に『Fate/stay night』のシナリオを手掛け、その人気を不動のものとします。学生時代から執筆していたという『空の境界(からのきょうかい)』シリーズや『DDD』などを手掛け、小説家としてもデビューを果たします。
その後は主に「Fate」シリーズのシナリオを手掛けていますが、その数はあまりにも膨大なため、ここに記すことはできません。アニメ『Fate/EXTRA Last Encore』ではシリーズ構成および桜井光氏と共同で全話の脚本も担当しています。
近年になってもゲーム『魔法使いの夜』や対戦格闘ゲーム「MELTY BLOOD」シリーズ、『月姫』のリメイクである『月姫 -A piece of blue glass moon-』、そしてソーシャルゲーム『Fate/Grand/Order』など、奈須氏が必要とされる場面は減るどころか増加しているようにも思えます。お体に気をつけて、これからも多くの人を楽しませてほしいと思います。
その他にも、『ゼロの使い魔』の故・ヤマグチノボル氏や『人類は衰退しました』の田中ロミオ氏、『彼女がフラグをおられたら』の竹井10日氏など、アダルトジャンルからキャリアを始めたクリエイターは数多く存在しています。現在のようにクリエイターが簡単に作品を発信できるようになる前の時代、アダルトジャンルがクリエイターを育成する重要な土壌となっていたのは間違いないのです。
ただ、アダルトジャンルでデビューしたクリエイターの活躍を想う時、ひとつだけ残念なことがあります。
『EVE burst error』や『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』などの名作を手掛けながらも、2011年に病魔に倒れた菅野ひろゆき(剣乃 ゆきひろ)氏がもし存命だったら、いま何をしていたのでしょうか。
どのジャンルかはわかりませんが、必ずや超一流のクリエイターとして活躍を続け、傑作を生みだしていたはずです。失われた未来はどのようなものだったのか。今はもう、誰にもわかりません。
(早川清一朗)
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