『初代』プレイヤーが『ポケモンSV』で驚くこと 「手間省かれすぎ?」設定の進化がスゴい
マグミクス / 2022年11月25日 15時10分
![『初代』プレイヤーが『ポケモンSV』で驚くこと 「手間省かれすぎ?」設定の進化がスゴい](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_122898_0-small.jpg)
■プレイヤーの「面倒」をとことん排除した最新作
「ポケットモンスター」シリーズへ久々に復帰したプレイヤーは、最新作『ポケットモンスター スカーレット バイオレット』(以下、ポケモンSV)に登場する、今のポケモンの種類の多さに驚いたかもしれません。
とはいえ、『初代』こと『赤・緑』であれば、マサラタウンとトキワシティを往復するあたり……。チュートリアルを兼ねたごく序盤で、事前に公開された新ポケモンを含め、旅を共にしたいさまざまな顔ぶれが惜しみなく出現しました。この試みは、『ポケットモンスター』を長く追っているからこその驚きでもありました。
『初代』の頃に『ポケットモンスター』を楽しんでいた「復帰勢」と、継続してシリーズをプレイしている熱心なファン、両者が驚いた『ポケモンSV』のユーザビリティの進化をご紹介します。
●「ボックス」管理は今やスマホから。今作はポケモンセンターに入る手間さえない
スマホがPCの役割を兼ねているのは、現実世界も『ポケモンSV』の世界も同様です。「ポケモンセンターの公共パソコンにアクセス、ボックスでポケモンの管理する」という手間は、ナンバリング前作『ソード・シールド(剣盾)』からも省かれていました。『ポケモンSV』では施設に入る手間や、廊下移動の手間さえ極力排除されています。振り返ると、確かにエレベーター移動が面倒だったプレイヤーも多かったのではないでしょうか?
また、旅の序盤の回復後には、ハウツー情報を得ることができます。これまでであればNPCに話しかけていた手間もなく、冒険を進めることができます。
●望まぬ戦闘を「ラフな勝ち」に。とにかくフィールドでボールを投げたい
リアルエンカウント方式が採用された『ポケモンSV』では、お目当てのポケモンを求めて草むらを徘徊したり、今は遭遇しなくてもよいポケモンとの戦闘から逃げたりする機会も減りました。
『ポケモンSV』では、プレイヤーがこれまでのシリーズで少し無駄に思えていた戦闘シーケンスも、トレーナーがフィールド上でボールを投げることで解決できます。
NPCに話しかけずとも良いし、戦闘をするかどうかを選べるのは便利なようですが……。その一方で、何かRPGの大原則を揺るがされた気持ちになった復帰勢や、子供のプレイを見守る親世代も少なくないのでは、と筆者は推測します。
■「そらをとぶ」も標準装備されているが、とことん迷うのも『初代』以来?
マップを回しているうち、めちゃめちゃに迷う「パルデア地方」 (C)2022 Pokemon. (C)1995-2022 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
●Yボタン「空を飛ぶ(ワープ)」が初期実装されている
近年の『ポケットモンスター』はフィールド移動に、「ひでんわざ」を必要としません。『サン・ムーン』ではリザードンが、『剣盾』ではアーマーガアの「そらとぶタクシー」が移動手段を担っていたため、「ひでん要員」を用意する必要もありませんでした。
タマムシシティの左奥まで「いあいぎり」を使い、ひでんマシンをもらいに行かずとも、冒険序盤からワープすることができてしまいます。
●だけど迷う! 今どこにいるのか、何がしたかったのか、サッパリ分からない!
手間や不便さの改善はシームレスさを追求するオープンワールドゲームの命題でもあるでしょう。ましてや本作の目的は「宝探し」です。プレイヤーがゲームを起動してすぐに「やりたいこと(収集・育成・攻略)」へ移行できるゲームシステムの配慮や進化としてとらえることもできます。
しかしながら、以上の利便性をもってしても、とにかくプレイヤーを「迷わせる」ことこそ、『ポケモンSV』ひいては「ポケットモンスター」シリーズの特徴とも言えるのではないでしょうか。
ドーナツ状のマップが特徴的な「パルデア地方」では、たとえば特定のジムリーダーに挑もうとしても、まっすぐ、ポイントまでたどり着くことができません。フィールド上に散見される珍しいポケモンやドロップアイテム、テラスタル結晶が空に放つ光の柱に気を取られている間に、当初の目的を忘れてしまうことも少なくないのです。
よしんばジムにたどり着こうにも「誰で挑もうか」選択肢は無限大です。ニャオハのレベルが上がって進化すれば、「立つ」かも「立たない」かもしれません。熱烈なファンだとしても、発売直前まで姿も名前も知らなかった新ポケモンで6体を構成できる機会はあまりありません。歴代の相棒の枠を残すかどうかも悩みどころです。
利便性を追求し、さらに「戦闘アニメのカット」や「片手操作」など、これまでのシリーズでは「当たり前」であった要素を排除する取り組みがされている『ポケモンSV』は、とことんポケモンと冒険に向き合う作品に仕上げられているようにも考えられます。
『ポケモンSV』は、シリーズに通底する「自分で選択する面白さ」に突出した進化を遂げたのかもしれません。
※本文の一部を修正しました。(2022.11.25 17:00)
(ツナカン)
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