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『水星の魔女』でも? 物語の分岐点となった、21世紀『ガンダム』衝撃トラウマシーン

マグミクス / 2022年11月26日 17時10分

『水星の魔女』でも? 物語の分岐点となった、21世紀『ガンダム』衝撃トラウマシーン

■大切な人を失ったことで、憎しみの連鎖が始まった

 現在、好評放送中の『機動戦士ガンダム 水星の魔女』。重苦しいシリアスさと軽快でクスッとさせる要素が交互にあって、その硬軟バランスの良い作風が人気の理由とも言われています。しかし過去の『ガンダム』では、それまでの空気感を激変させる悲劇的展開が、何度か見られてきました。

 物語の基本はよく「起承転結」と言われていますが、この「転」の部分でストーリーを動かすイベントが行われることが一般的です。物語がどのように転がるか、決定づける要素と言えるかもしれません。これまでの『ガンダム』でも物語の転機と言える部分は多々ありましたが、なぜか目を覆うような悲劇的な展開が目につきました。過去作の『ガンダム』からそういった部分を紹介していきましょう。

 しかし『ガンダム』では悲劇的な展開があまりに多いので、今回は21世紀以降に製作された作品からチョイスしました。

※この記事には『機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダム 00』、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のキャラクターの生死、物語の核心に関わる描写があります。

 まずは21世紀初の『ガンダム』だった『機動戦士ガンダムSEED』です。新世紀初の『ガンダム』作品ということで意欲的な作品だったため、作画レベルが高い作品でした。しかし、それゆえに本来なら省略してもいいかな? と思う凄惨な描写も再現されており、そのことは当時からファンの間でも問題になっています。

 ストーリーの方向性を左右した悲劇的展開というと、主人公であるキラ・ヤマトと親友だったアスラン・ザラの最後の直接対決となったシーンは忘れられません。

 それまで戦いのなかであっても、互いにちゅうちょすることが多かったキラとアスラン。この状況が一変したのが、アスランの僚友であったニコル・アマルフィの死でした。それもアスランを助けようとしたニコルを、キラが撃破してしまったのです。このことがキラとアスランの運命を大きく変えました。

 そして今度は、ニコルの死により憎悪を燃やすアスランの手により、キラの目の前で友人だったトール・ケーニヒが命を落とします。これによりキラとアスランは共にSEED状態に覚醒して、互いの憎しみをぶつけ合いました。

 その戦いの決着は、アスランが自分の機体・イージスを自爆させて、キラごと搭乗機のストライクを撃破するというものになります。この事態によりキラはMIA(作戦行動中行方不明)と認定されました。そしてアスランはストライク撃破の功績でネビュラ勲章を受勲、特務隊 (FAITH) へ栄転となります。

 この一連の戦いはかなりハードに描かれており、前述したニコルとトールの死亡シーンはかなり克明に描写され、当時視聴していたファンの多くは衝撃を受けました。しかし、中盤でこの戦いがあったからこそ、終盤へのカタルシスある展開へと結びつけられたとも考えられます。

 もちろん、キラはこの時に死亡しておらず、救出されて後半の主役機となるフリーダムで仲間の窮地に駆けつけるという名シーンにつながっていました。そして、アスランもこの戦いがきっかけで戦争について考えを新たにし、後半からキラと共に戦うことになります。

 ちなみにニコルとトールの死の衝撃は大きかったことからか、ゲーム『スーパーロボット大戦W』ではふたり同時に生存する救済ルートがありました。やはり多くの人が生存を望んでいたのでしょう。

■時には生きのびることで、さらなる悲劇が起きることもあった

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』 (C)創通・サンライズ

 続いては『機動戦士ガンダム00』です。衝撃というものは何もキャラの死亡イベントだけではありません。時には生きのびたことから過酷な展開が待ち受けることもありました。

 その悲劇の被害者だったのがルイス・ハレヴィです。当初のルイスはわがままなお嬢様で、恋人の沙慈・クロスロードを振り回す、戦争とは無縁の少女でした。番組当初から中盤は、物語の大筋とほとんど接点のない民間人だったのです。

 そのルイスの運命が激変したのが、故郷に戻った時でした。ルイスはネーナ・トリニティの乗るガンダムスローネドライがいたずらで放った攻撃に巻き込まれ、家族を失って自身も重傷を負ってしまいます。駆けつけた沙慈が元気づけようとルイスが欲しがっていたリングを差し出すのですが、その時すでにルイスはリングをはめるための左腕を失っていました。

 再生医療が発達した世界だったため、本来なら元通りにできるはずでしたが、毒性のある擬似GN粒子を浴びたことで細胞障害を起こし、ルイスの腕は失われたままになってしまいます。

 ルイスは『2nd』シーズンで、左腕を機械仕掛けの義手にして軍に志願。自分のような悲劇を繰り返させないために戦うことを決意しました。しかし、そのことを利用されたルイスは、復讐心からガンダムと戦うようになります。

 最終的には真のGN粒子の効果である「トランザムライザー」によりルイスの心と体は復調し、物語はハッピーエンドを迎えました。ちなみにルイスは当初は死亡させられる予定でしたが、「生きることで自分の罪と向き合う」というコンセプトにより奇跡的な復活を遂げたそうです。

 このように、『ガンダム』は最終的なカタルシスのために悲劇的展開が用意することがほとんどですが、時には悲劇の前段となる悲劇もありました。それが『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』中盤での展開です。

 もともと若者たちの危うい姿が描かれ、幾度も凄惨な場面があった本作でしたが、なかでも筆者が印象的だったのが物語の中心となる「鉄華団」の後ろ盾だった「タービンズ」のメンバーが相次いで退場したことでした。

 この退場劇は両組織が所属していた「テイワズ」での覇権争いが原因です。これによりタービンズのリーダーである名瀬・タービンはメンバーを逃すために敵艦に特攻して死亡しました。

 さらに、生き残ったメンバーにも悲劇が起こります。今度は鉄華団を挑発するため、戦いの場を去ったラフタ・フランクランドが刺客の凶弾により命を散らしました。これによって鉄華団は怒りを抑えきれず、タービンズの弔い合戦に臨み、その仇を見事に果たします。しかし、この事件が鉄華団の後ろ盾を奪い、破滅的な道を歩ませることになりました。

 この他にも、『ガンダム』作品では多くの悲劇的展開が物語の転機になったことがあります。はたして『水星の魔女』ではどんな転機がやって来るのでしょうか? 「株式会社ガンダム」の今後がどうなるのか見守っていきたいと思います。

(加々美利治)

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