ファミコン時代だけじゃなかった 2000年代に発売された「クソゲー」にお腹痛い!
マグミクス / 2022年11月26日 19時10分
■ユーザーから総ツッコミをくらった笑えるクソゲー
「ゲームバランスが壊滅している」「どうしようもなくバグが多い」……など、さまざまな理由で「クソゲー」の烙印を押された作品は数え切れないほど存在します。しかしなかには、「クソゲーだけどネタ要素に振り切っている」といった珍作があるのも事実と言えるでしょう。
「クソゲー」といえば、まだ本数も情報も少なかったファミコン全盛期に多く出回った印象が強いかもしれません。ですが、21世紀に入っても「クソゲー」は滅んでいませんでした。今回は筆者の独断を交えつつ、2000年代に発売された「笑えるクソゲー」を3本ピックアップ。ツッコミどころ満載のゲーム内容をいま一度ひも解きます。
●結末に抱腹絶倒!『エルヴァンディアストーリー』
2007年4月に発売されたPlayStation 2用ソフト『エルヴァンディアストーリー』。本作はルート分岐システムを採用した「ヒロイックファンタジーRPG」ですが、いずれのルートを通ってもシナリオが破綻……と言うよりも、初見プレイでは理解に苦しむ結末を迎えることで知られています。
また、「戦略的にプレイする」「コツコツと進めてパーティーを成長させる」といったRPGの伝統とも言える要素もほぼ皆無に等しく、とりあえず主人公を育てておけば戦闘で苦労することもほぼありません。主人公+数名でラストステージも突破可能という低難易度が、かえって本作の評価を厳しいものにしました。
そんな本作のツッコミポイントは、作中に登場するボスキャラクターの音声。と言うのも、彼らの声は声優陣による肉声ではなく、重度の加工が施された「ボイスチェンジャー声」なのです。物語の最終盤で訪れる重大な決戦シーンでも、聞こえてくるのはエフェクトのかかった妙なキャラボイス。どうとらえても「ニュース番組に出演する匿名人物のインタビュー音声」にしか聞こえず、本作を手に取ったプレイヤーをもれなく抱腹絶倒させました。
●野球ゲームなのに野球のルール無視『MAJORDREAM メジャーWii パーフェクトクローザー』
1994年から2022年現在も連載され、単行本の累計発行部数が5500万部を超えた『MAJOR』。同作品は野球ファンのみならずプロ野球選手も愛読する人気マンガですが、2008年のWii用ソフト『MAJORDREAM メジャーWii パーフェクトクローザー』(以下、パーフェクトクローザー)は、ひと味違った方向で有名になりました。
版権ありきのキャラクターゲームと言えば、「原作に沿ったストーリーモード」「原作の設定に基づくゲームシステム」を採用する作品がほとんど(一部例外もあり)。作り込みの奥深さという観点はあれど、原作の雰囲気を損なわず、どれだけゲームに落とし込んでいるかという点がまず重要視されます。
しかし『パーフェクトクローザー』の場合、野球を題材にしたキャラクターゲームにも関わらず、「野球のルール実装が不十分」という仕様でユーザーから総ツッコミをくらうことになりました(一例:インフィールドフライの概念がない)。くわえてグラフィック周りのバグも多く、「グローブをはめている方の手でボールを投げる」「キャラクターの首が真反対を向く」……などなど、インパクト抜群の珍プレーがひんぱんに発生します。
挙げ句の果てにはキャラクターがプレイヤーの指示を受け付けずどこかへ走り去ったり、打者がバッターボックスから外れた状態でスイングしたりする始末。野球ゲームの皮をかぶった「バカゲー」という見方もできる反面、ゲーム進行が不可能になるバグも少なくないため、やはり世間からの厳しい評価は免れませんでした。
■制作サイドの奇妙なプロモーションが話題に
2009年に発売されたWii用ソフト『黄金の絆』(ジャレコ)
●制作サイドが謎すぎる奇行『黄金の絆』
最後にご紹介するのは、2009年発売のWii用ソフト『黄金の絆』。本作品は「開発費4億円をかけて作られたアクションRPG」という触れ込みだったのにも関わらず、単調な戦闘アクション・シーンチェンジ毎に発生する数十秒のロードなど、クオリティ面の問題でユーザーから指摘の声が多数上がり、発売から短期間で評価を下げる結果を招きました。
しかし、『黄金の絆』にある意味でシュールな笑いをもたらしたのは、奇行としか思えない「制作サイドの販売プロモーション」にあります。
大きな具体例は「販促用のTVCM」と公式サイトに設置された「掲示板」のふたつです。前者は「名古屋城のシャチホコが映し出される・全身金色の男女がバスの車内で熱い抱擁を交わす」という実写CM(2種類)で、ゲーム画面の挿入などは一切なし。後者は某インターネット掲示板を模した作りで、それゆえに荒らし行為にはしるユーザーを大量に生み出してしまうことになりました。
余談ではありますが、本作の発売元があの有名なファミコン用ソフト『燃えろ!!プロ野球』と同じことも、好事家の間で一躍話題を集める燃料となりました。
(龍田優貴)
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