インスタのネイル写真に「友達割引ある？」ケチすぎる旧友の数々の暴走にドン引き！

■驚きのケチ行動の裏側にあるのは？「人には人の事情がある」

　姪っ子にネイルをしてもらっているきよかは、かわいいネイルをいろんな人に見てもらいたくてInstagramに写真を投稿することにしました。すると大学時代の同期・チコちゃんから「どこのサロン？」「友達割引あったら紹介して」とDMが届き、姪っ子作だと伝えると「練習台になる」とグイグイ話を進められて困惑します。これをきっかけに、チコちゃんの「ケチ」エピソードの数々を知ることになり……。

　ぱん田ぱん太さん（@pandapantade）によるエッセイマンガ『インスタにネイル写真をアップしたら最強にめんどくさいことになった』がTwitterで公開されました。本作は作者の友人の実話に一部アレンジを加えたもの。「得をしたい」という気持ちから一般常識では理解しがたい行動をくり返す女性の周囲との関わりや、背景となる家庭環境などが丁寧に描かれています。

　300ページに及ぶ長編ながら、先が気になってどんどん読み進めたくなる作品。果たして結末は？　読者からは「気付いたら一気読みしてた」「あるあるの変な人の話かと思いきや、全く違う方向で考えさせられた」「人には人の事情がある」「ここまで向き合う旦那さんすごい」「いろんな人に読んでほしい」などの声があがりました。Twitter投稿は1.2万いいねの反響を集めています。

　本作の全編は、ぱん田ぱん太さんのTwitterやブログ「ぱんをたずねて2000里ちょい」で読むことができます。作者のぱん田ぱん太さんにお話を聞きました。

ーー今回のエピソードは友人のきよかさんの体験とのことですが、マンガに描こうと思ったきっかけを教えて下さい。

　友人から聞いた話をもとに、身バレ防止のフェイクも兼ねて一部を隠したり変更したり、逆に私の創作を入れたりとアレンジをして作っています。彼女から軽く話を聞いた時に、これはきっといろんな人から共感を得られると思ったため、ぜひ私の描いたマンガという形でシェアしたいと思い、描き始めました。

ーーきよかさんの大学時代の同期・チコちゃんがすごい人ですね。背景には複雑な家庭環境があったようですが、チコちゃんのお話を聞いて、どんなことを思いましたか？

　あまりいい感情を抱かない相手にもいろんな事情があるということ。同時に、それを皆が知る義務はないし、知ったからといって同情や共感をしたり、仮にその相手から被害を被った場合、それを許したりする必要はないということ。ただし「そういった事情があるのではないか」とまず想像することは決して自分自身にとってマイナスにはならないのではないかということです。

他の人が注文したポテトをトレイに全部出すチコちゃん（ぱん田ぱん太さん提供）

ーー今回のお話ではSNSでのやりとりや価値観の違う人との付き合い方など、考えさせられることがたくさん盛り込まれていました。マンガを描くうえで心がけたことはありますか？

「こういった場合、こうすべき／考えるべきである」などといった啓蒙的な表現を入れないことです。登場人物それぞれの考えがあり、これを読んだ皆さんにもそれぞれの考えや感じ方があり、個々がそれを大事にしてほしいと思いました。

ーー今回の作品は合計300ページに及ぶ長編となっており、完結まで大変だったのではと思いますが、どのように描き進めていかれましたか？

　大変だと感じたことはありません。私が「伝えたい」と思ったことをマンガを通して表現することができたので、描き進めながら「次はこれを伝えよう」というワクワクがあり楽しかったです。

ーー作品に対する反応で、特に印象に残った読者の声について、教えて下さい。

　作品を読んで通ずるものがあったご自身の体験談を丁寧に書いて下さる方のコメントは、いつもとても興味深く読ませていただきました。

ーーSNSで精力的にマンガを公開なさっています。創作するうえでの原動力になるものはありますか？

　定番ですが、皆さんの反応です。私の作品をとても丁寧に、情熱的に、いい意味でのめり込んで読んで下さっている方々からの熱いコメントが来ると、もっと描きたい、もっと読んでほしいという気持ちがどんどん強まっていきます。

（マグミクス編集部）