サッカー漫画の主人公だけで日本代表を組んだら 超攻撃的布陣が完成?
マグミクス / 2022年12月5日 21時10分
![サッカー漫画の主人公だけで日本代表を組んだら 超攻撃的布陣が完成?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/magmix/magmix_124644_0-small.jpg)
■サッカーマンガの主人公のポジションは意外と豊富?
FIFAワールドカップカタール2022で、日本代表が強豪スペイン、ドイツを破る快挙! 2大会連続の、グループステージ突破を達成しました。大金星の連続で、日本国内のサッカーへの注目度も過去最高と言えるのではないでしょうか。そして、『キャプテン翼』の高橋洋一先生が、ドイツ戦後にニュース番組でインタビューを受けるなど、サッカーマンガにも注目が集まっています。
サッカーマンガは数多く存在しますが、その主人公は攻撃的な選手に偏っていて、守備の選手が少ない印象があります。しかし、観戦すれば分かる通り、勝ち上がるには攻撃的なプレーヤーも守備に優れたプレーヤーも両方必要です。
そこで疑問です。攻撃的な選手が多い印象のサッカーマンガの主人公だけで、「現実の日本代表のフォーメーションを再現」することは可能なのでしょうか? ポジションごとに発表していきます。
※なお、ワールドカップの日本代表は4-2-3-1と3-4-2-1を併用していますが、キックオフ時点では4-2-3-1が多かったため、フォーメーションは4-2-3-1として考えます。また、サッカーマンガのキャラも、複数のポジションをこなせる例は少なくありません。選出のルールとして、たとえ本職のポジションでなくとも、公式戦かそれに準ずる試合で、そのポジションについていればOKとします。
●ゴールキーパーの主人公はかなり少ない?
・GK(ゴールキーパー):神谷蒼(『蒼のアインツ』)
『蒼のアインツ』の主人公・神谷蒼は、ドイツ2部リーグで活躍する若手ゴールキーパーです。180cmそこそこと、ゴールキーパーとしては身長が物足りませんが、度胸がよく反射神経と判断力に優れ、決して折れない鋼鉄のメンタルの持ち主でもあります。所属クラブの1部昇格に貢献し、作中でも日本代表選出経験がある選手です。
『蒼のアインツ』は珍しいゴールキーパーを主人公にしたマンガで、ストライカーの主人公だらけのサッカーマンガではあまり見ない、ゴールキーパーがコーチング(ディフェンスするプレーヤーへの指示)をする描写があります。ゴールキーパーはそのポジションの特殊性(手を使っていい)から、他のフィールドプレーヤーと練習内容が大きく異なるため、練習中の描写も新鮮です。
ゴールキーパーは直接的に得点に絡む可能性が低いポジションのためか、円堂守(『イナズマイレブン』)、熊谷五郎(『オフサイド』)、など、ゴールキーパーの主人公は少なめです。円堂と熊谷は後に別ポジションにコンバートされているので、今回は神谷を正ゴールキーパーとしました。
●DF(ディフェンダー)に選ぶ4人は?
・CB(センターバック):千明明(『Mr.CB ミスターシービー』)、嵐木八咫郎(『カテナチオ』)
・LSB(左サイドバック):青井葦人(『アオアシ』)
・RSB(右サイドバック):マツモト(『LOST MAN』)
ディフェンダーの主人公もあまりおらず、選考に苦慮しました。『LOST MAN』のマツモトは国籍も経歴も不明の謎の男で、日本代表資格があるかも不透明ですが、全ポジションをこなせるユーティリティプレーヤーです。最初のエピソードで、ルーマニアのチーム「ブラショフ・パレスFC」の右サイドバックに入っていたため、ここでは右サイドバックで起用します。どのポジションもできるため、味方の負傷など、不慮の事態が発生した場合は他のポジションに回せるのも強みです。
他の3人は本職のポジションです。センターバックの千明明(『Mr.CB ミスターシービー』)は、3部リーグのチームに加入したばかりの10代の選手。ルーキーですが、フィジカルの強さ、空中戦の勘に光るものがある選手です。
もうひとりのセンターバック・嵐木八咫郎(あらき・やたろう『カテナチオ』)は、イタリア1部リーグのクラブと契約したばかりで、同じく10代の選手です。フィジカルの強さとサッカーIQには、光るものがありますが、技術は未熟。また、高校最後の試合に懲罰的采配(チームメイトとの喧嘩が原因)でセンターバックにコンバートされるまで、攻撃的ミッドフィルダーだったため、ディフェンダーの経験が浅いです。『カテナチオ』自体が2022年の10月に連載開始された新しいマンガなので、嵐木が今後どのようなプレーヤーになるかは未知数と言えるでしょう。
左サイドバックには、アニメ化もされた人気作『アオアシ』の主人公・青井葦人を選びます。葦人は、ユース(育成組織)の選手です。フィジカルはイマイチ、技術は未熟ですが、ピッチを俯瞰できる視野の広さを持ったプレーヤーで、必要な選手と言えるでしょう。
他に候補として、右サイドバックに梶本洋平(『マネーフットボール』)、センターバックに武田弾丸(『超機動暴発蹴球野郎 リベロの武田』)がいますが、梶本は2部リーグ所属、武田はギャグマンガのキャラのため、重複するポジションは上記のプレーヤーを優先しました。
■超豪華な攻撃陣が完成する!?
こちらもサッカーマンガの金字塔『シュート!』1巻(講談社)
●守備的MF(ミッドフィルダー)のふたりは?
・DH(ディフェンシブハーフ、ボランチ):高杉和也(『俺たちのフィールド』)、沖千尋(『フットボールネーション』)
守備的ポジションの、ミッドフィルダーが主人公のマンガも、あまりありません。2ボランチの一角、『俺たちのフィールド』の高杉和也はマツモトと同じく、ユーティリティプレーヤーです。最終的にはフォワードに落ち着いていますが、センターバックと攻撃的ミッドフィルダーとボランチ、緊急時にはゴールキーパーもこなせます。高校サッカー、アルゼンチン、Jリーグ、日本代表、イタリアセリエAと経験豊富で、さらに熱血なムードメーカーでもあるため、キャプテンにもなれるでしょう。
和也はリザーブ・ドッグスでプレーしていたころにボランチをしていたので、ここではボランチで起用しています。運動量が豊富で、当たり負けしない強靭なフィジカルを持つプレーヤーです。
一方の『フットボールネーション』の沖は、珍しい守備的ミッドフィルダーを本職とする主人公です。社会人のアマチュアクラブでプレーする選手ですが、国内のトッププロに匹敵するテクニックを持っています。視野が広く、サッカーIQにも優れているので、守備だけでなく攻撃時のビルドアップ(自陣後方から、前方まで、パスやドリブルでボールを運んでいくこと)にも貢献してくれるでしょう。
●攻撃的MF(ミッドフィルダー)は最強の3人?
・LSH(左サイドハーフ):田仲俊彦(『シュート!』)
・RSH(右サイドハーフ):坂本轍平(『ファンタジスタ』)
・OH(オフェンシブハーフ、トップ下):大空翼(『キャプテン翼』)
攻撃的なポジション、特にトップ下とセンターフォワードの主人公は多く、3人中ふたりが本職ではないポジションでの出場となります。
『シュート!』の主人公・田仲俊彦はセンターフォワードが本職ですが、作中で左ウイングでも出場していたので、左サイドに起用しました。ウイングとサイドハーフだと少し違いますが、現実でも日本代表の伊東純也選手がフォーメーション変更にともない、ウイング、サイドハーフ、ウイングバックとポジションを変更している例があるため、今回は左ウイングの経験がある俊彦を左サイドハーフで起用します。俊彦は両足利きで、ファントムドリブル、幻の左など反則級の個人技を持っており、相手チームにはかなり厄介な存在となるでしょう。
『ファンタジスタ』の主人公・坂本轍平は、もともとはセンターフォワードでしたが、のちにコンバートされ、本職はトップ下です。しかし、右サイドハーフで出場した描写もあるので、ここでは右サイドハーフで起用しました。本来は司令塔タイプですが、スピード、テクニックもあり、個人で打開して突破する能力にも優れています。
そして、トップ下は我らが10番・大空翼(『キャプテン翼』)を、敬意を込めて選出しました。ゴールキーパーを吹き飛ばし、ゴールネットを突き破る人間離れしたシュート力や、ゴールキーパーの背後までカバーする広大なカバーエリアなど、翼くんはもはやいるだけで相手チームの脅威と言って間違いないでしょう。
●名選手だらけのFW(フォワード)は誰を選ぶ?
・CF(センターフォワード):逢沢駆(『エリアの騎士』)
俊彦は本職がセンターフォワード、轍平、翼くんももともとフォワードでした。また、ボランチに回した高杉和也はユーティリティですが、最終的にフォワードに収まっています。
フォワード、攻撃的ミッドフィルダー、またはその両方ができる主人公は多く、一条龍(『BE BLUES!~青になれ~』)、柄本つくし(『DAYS』)、風祭将(『ホイッスル!』)、潔世一(『ブルーロック』)、椎名曜(『VIVA! CALCIO』)、赤星鷹(『Jドリーム』)など、挙げていくとキリがありません。
特にセンターフォワードが本職の主人公は多いのですが、今回そのなかから『エリアの騎士』の逢沢駆を選びました。他のポジションとの兼ね合い、日本代表のエースとして活躍した経歴、マンガ自体の知名度、「φ(ファイ)トリック」などのかっこいい名前の技を持っていることが理由として挙げられます。駆は存在そのものが少年マンガ的で華があるので、主人公選抜チームに相応しい存在でしょう。
●監督に選ぶなら、この人しかいない?
・日本代表監督:達海猛(『GIANT KILLING』)
達海猛は、本格派サッカーマンガ『GIANT KILLING』の主人公で、選手時代から「モンテビア山形」監督の佐倉が、「指導者としても成功する」と予測していた男です。まだ30代半ばの若い指導者ですが、優れた戦術家でモチベーターでもあります。
まだまだ発展途上で、格上の国も多い日本にとって、数々の「ジャイアントキリング(番狂わせ)」を起こしてきた達海は、最適の指導者と言えるでしょう。各作品の主人公だらけの今回のチームでも、クセの強い面々を知略、人柄でまとめ上げてくれるはずです。
今回組んだ「主人公のみの代表チーム」は、センターバックふたりが駆け出しの10代選手、左サイドバックはユースの選手で、守備は強固とは言えないかもしれません。
その代わり、攻撃陣は超強力です。レアル・マドリード(俊彦と轍平)、FCバルセロナ(翼くん)など、ビッグクラブのプレーヤーが揃う豪華な布陣が出来上がりました。
カバーエリアの広い翼くんと運動量の豊富な和也、何でもできるマツモト、沖が守備をしながらビルドアップし、俊彦、轍平、駆の個人技で強引に突破すれば、失点したとしても、十分に取り返せるでしょう。2点取られたら、3点取り返すようなチームでしょうか。さらに、それぞれが「主人公補正」という強力な武器も持っているので、いろいろと夢のあるチームです。
現実の日本代表も、厳しい競争を勝ち抜き、実力を発揮してきた「主人公」のような選手ばかりです。さらに、今回のワールドカップ決勝トーナメント初戦は、因縁の多いクロアチア、さらに勝ち上がれば超強豪・ブラジル、もしくはこちらも因縁の相手・韓国が待ち受けているというのも、マンガのような展開です。はたして、どのような結果になるのか、楽しみに待ちたいと思います。
(ニコ・トスカーニ)
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