『ワンピース』完結まであと何年かを予想 最大の未回収伏線は「頂上戦争を越える巨大な戦い」

■エルバフで巨人たちとの再会も近い？

　2022年は、『ONE PIECE（ワンピース）』ファンにとって、かなり記憶に残る1年間だったのではないでしょうか？　夏に公開された、映画『ONE PIECE FILM RED』をはじめ、連載25周年を記念したイベントや、「ONE PIECEカードゲーム」の発売などが世間をにぎわせました。

　※ここから先の記事は単行本未収録、未アニメ化の内容に一部触れています。ご了承の上お読み下さい。

　とうとう「最終章」へ突入した『ONE PIECE』ですが、ひとつのエピソードが完結されるまで、数年かかることもファンにとってはおなじみです。では、実際に「最終章」はどのくらいの期間続きそうか、『ONE PIECE』に長年触れ続けている研究家・ミヤザワさんにお話を聞きました。

ーー現在、「エッグヘッド」でのエピソードが進展中ですが、本編に名前や姿は登場している島のなかで、ルフィたちが行きそうな島の予想はありますか？

　最終章に入った現在、これから新たに上陸する島は多くてもふたつくらいかと思います。高確率で上陸するであろう島は巨人島のエルバフです。ほかには名前だけ登場した、ログポースの最終地点である水先星島（ロードスター島）も可能性としてはありますが、ルフィたちのルートではこの島に行く必要性がなくなっているため、登場しないかもしれません。

　また私が期待しているのは、もはや島ではないですが、宇宙・月への進出です。扉絵連載の「エネル編」にて、『ONE PIECE』の世界では宇宙でも普通に生きていけることは確定しています。『ONE PIECE』の大きな謎である「Dの意志」「空白の100年」に月が関わってくることは濃厚ですが、もしかするとルフィたち自身が月に行くこともあるかもしれません。

ーーミヤザワさんが「ラフテル」にたどり着くまでに経由する、と予想する島のなかで楽しみにしている島はどこですか？

　上記の回答にもありますが、巨人島のエルバフです。エルバフという名前の初出は13巻の「リトルガーデン編」でのドリーとブロギーとの会話で、実に22年以上前の話になります。この島の出港時に、ルフィとウソップはふたりの偉大さに感動し、いつか必ず行こうと肩を組みながら歌っています。その後も「エニエスロビー編」でのオイモとカーシーや、麦わら大船団の一員でもあるハイルディンなど、ルフィたちに関わりのあるエルバフ出身のキャラが多く登場しています。

　また、直近の1066話ではハグワール・D・サウロが生存しており、エルバフに潜伏していることが確定しました。エルバフでこれらのキャラが再登場する可能性は高いです。まだ決闘中のドリーとブロギーとも、なんらかの理由で再会することができたら「激アツ」です。20年以上前、私が小学生の頃に読んで、いつ行くんだろうとわくわくしていたエルバフについに上陸するとなれば、感動もひとしおです。

■「頂上戦争を越える巨大な戦い」は、いまだ回収されていない伏線のひとつ？

ーー「最終章」に突入後も、回収されていない伏線に加え、新たな「匂わせ」情報も明かされています。ミヤザワさんが、特に注目している伏線について教えて下さい。

　最近の『ONE PIECE』では怒涛の伏線回収や長年の謎の解明が続いていますが、いまだに物語の根幹に関わる未解決の謎は多いです。ですが、これらのほとんどはひとつにつながる形で一気に解明されると思っています。

　そのなかで、注目する伏線のひとつは「頂上戦争を越える巨大な戦い」についてです。2018年の尾田先生のコメントで、「頂上戦争がかわいく見えてくる」展開が待っているとあります。これは「カイドウ・ビッグマム戦のことでは？」との説もありますが、個人的にはそうではなく、これから描かれる最後の大決戦を指していると考えています。

　576話、頂上戦争で白ひげが死の間際に語った「世界政府が恐れる世界中を巻き込む巨大な戦い」。

　800話、ドフラミンゴ撃破後ドレスローザを出港する際にナレーションで入った、ルフィたちが起こすとされる「歴史に名を残す一大事件」。

　このふたつはイコールであり、それが上記の「頂上戦争がかわいく見える戦い」なのだと思います。この戦いがどういったものになるかはまだ分かりませんが、近いうちにこの戦いに突入していくと思われます。

　ほかにも、魚人島でのマダム・シャーリーの「麦わら帽子を被った人間によって魚人島が滅ぼされる」といった予言、ジョイボーイの謝罪文の理由と約束の舟ノアの役割、などキーになる謎・伏線が多数存在します。そして一番の謎である「空白の100年」と「Dの意志」。これから始まる「巨大な戦い」の起こる過程や戦いの果てでこれらの謎が全て解き明かされるはずです。

ーーずばり、お聞きします。「最終章」の連載は結局、あと何年かかると予想していますか？

　とても寂しいですが、あと3年から4年かと考えます。120巻・1200話完結説はちまたで有名ですが、これは私もその可能性が高いと考えています。尾田先生はキリの良い話数でちょうど区切りをつけ、意味を持ったタイトルとすることが多いです。

　1話「ROMANCE DAWN －冒険の夜明け－」と601話「ROMANCE DAWN for the new world －新しい世界への冒険の夜明け－」は対比しており、601話から2年後編の開始となっています。また、1巻と61巻の表紙の構図が対比関係にあるのも有名で、このふたつの要素から前半=60巻・600話まで、後半=120巻・1200話まで、と推定します。

　現在の連載ペースは1年でおよそ35話ほどのため、2022年12月12日現在で1069話かつ1200話を最終話として逆算すると、やはりあと3年から4年という結論になります。ちなみに、2019年に尾田先生自身が「あと5年で完結」と宣言していますが、上記の検討結果とそこまでズレはなさそうです。

（マグミクス編集部）