都市伝説『ミンキーモモ』第46話放送日に大地震が発生！「モモの呪い」が怖すぎる！？

■衝撃の急展開！　モモが天国へ

　TVアニメ化40周年を記念して『魔法のプリンセス ミンキーモモ』のシリーズコンプリートBD-BOXが2022年12月21日に発売されました。TVアニメ放送された1982年の第1期(全63話)、1991年の第2期(全65話)に加え、OVAシリーズ「夢の中の輪舞」「夢にかける橋」「旅だちの駅」、そして「ソングスペシャル　瞳の星座」が収録されています。

「ピピルマピピルマドリミンパ！　パパレホパパレホドリミンパ！　アダルトタッチで○○になれ～！」魔法の呪文を唱えながら、新体操のリボンのようなミンキーステッキを振って変身するミンキーモモ。TVアニメ放送当時、ピンクの髪の美少女は瞬く間に人気となりました。

『魔法のプリンセス ミンキーモモ』(テレビ東京)は1982年に全52話の予定でスタートし、視聴率も上々だったにもかかわらず、急きょ46話での打ち切りが決定します。原因はスポンサーの玩具会社が出資を止めると決めたからでした。これに困った、そして怒ったのは制作スタッフです。なんとか物語を終わらせるため、第46話「夢のフェナリナーサ」(1983年1月27日放送)でモモがトラックにはねられて死んでしまうシナリオを用意しました。

　横転したトラックの荷物から散らばったおもちゃに、『仮面ライダー』の人形がありましたが、それはスタッフからの抗議だったと思います。魔法少女アニメでこんな悲劇の結末は前代未聞。事情を知らない多くのファンから「なぜ死なせるの！」「意味が分からない！」という怒号のような声が飛びました。

■モモの呪いの魔法が日本を襲う！？

歌は声優の小山茉美さん『魔法のプリンセス ミンキーモモ』EP（ビクター）

　視聴者が衝撃を受けた最終回の放送中、モモが事故に遭った直後、画面に関東地方で地震発生の速報が流れました。一部のファンから「なぜ自分は死ななきゃならなかったの？」と怒ったモモが魔法で地震を起こした……そんなうわさが流れます。このときはまだ笑い話でした。

　最終回の放送を終えた『ミンキーモモ』はなんとか続行されることになり、総集編でつないだ後、第49話から第2部というかたちで再スタートします。第2部最終回・第63話「さよならは言わないで」は1983年5月26日に放送されますが、この日に日本海中部地震(最大震度5／M7.7)が発生します。またまた最終回放送日に大きな地震が発生したため「モモの呪い」とささやかれます。しかしこれで本放送は終了なので、オカルトな出来事で終わるはずでした。

　しかし「モモの呪い」には続きがありました。6年後に再放送があり、モモが死んでしまう第46話放送日、1989年11月2日に青森・岩手を中心にした三陸沖北部地震(最大震度4／M7.1)が発生します。かつての（？）出来事を憶えていた人が「これで3度目」と騒ぎます。

　さらに6年後、再放送の第46話放送日である1995年1月17日、阪神・淡路大震災(最大震度7／M7.3)が発生します。また、モモが死ぬ第46話放送日に大地震が発生してしまいました。「モモの呪い」は都市伝説レベルを超えて本物になってしまいます。しかもこれで終わりません。以下は全て第46話放送当日です。

・Yahoo!動画配信2008年6月14日、岩手宮城内陸地震(最大震度6強／M7.2)
・アニマックス2014年11月3日、北海道胆振地方中東部で震度4の地震
他にも、東京MXテレビ 2012年2月11日、KBS京都2013年9月10日、それぞれ第46話が放送され震度2の地震が発生しています。

　ただし「モモの呪い」と騒ぐのはいかがなものか、と思うところもあります。日本列島のどこかで毎日、小規模の地震は発生していますし、本放送時は多くの地方局で放送されていて曜日や時間もバラバラですから、「呪い」は絶対ではないわけです。ただ、実際に大きな地震が起きた例は不思議で、説明がつかないのも事実です。

また、こんなことを言う人がいます。裏を返せば、第46話放送日は「地震予言日」といえるのではないか。モモが「気をつけて！」と警告を発してくれているのだ。きっと第46話放送日と大地震発生日が合うように魔法をかけているのだ。そんな受け取り方もできる。……確かにモモが人びとを困らせる「呪い」をかけるなんてしない、そう思いたいです。

「ミンキーモモ」は人が作り出した架空の魔法少女ですから、「第46話放送日に地震が起こる」ことは都市伝説にすぎません。今後、再放送はあるか分かりませんが、あの第46話を見たいときは発売されたBlu-rayを見るのが一番です。

（石原久稔）