1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. 面白ネタ

「打ち切り」を経て、大ブレイクしたジャンプ作家たち 30年越しにまさかの連載再開も!

マグミクス / 2022年12月22日 17時10分

「打ち切り」を経て、大ブレイクしたジャンプ作家たち 30年越しにまさかの連載再開も!

■人気連載の前に打ち切られたジャンプ作家たち

「あの人気タイトルの漫画家が、こんな打ち切りを食らってたの!?」

 連載期間だけが人気のバロメーターではありませんが、あまりにも短い連載は、しばしば読者を困惑させてきました。しかし多くの読者を抱える長期連載作の以前には、、その原点とも言える実験的な作品の存在があるものです。

「この作品があったからこそ、次につながってブレイクできた」そんな事例をふたつ、ここでは取り上げます。

●荒木飛呂彦『バオー来訪者』

 マンドリルやコウモリ、大蜘蛛などをベースとした生物兵器や超能力者たちを、バルバルと唸りを上げて閃きとパワーで倒す戦士=バオー!

『ジョジョの奇妙な冒険』の熱いバトル要素は、その前作『バオー来訪者』に揃っていました。秘密機関ドレスによって寄生虫バオーの実験体にされてしまった少年・橋沢育朗にとって、転機となったエピソードをひとつ、ご紹介します。

 山中に暮らす老人夫婦は、闇の組織に追われている育朗と連れの少女=スミレを快く泊めてあげました。ところがドレスの殺意にバオーが反応して、育朗が六助じいさんを銃で撃ってしまいます。育朗を責めるおばあさんに、六助じいさんが言い放ちます。

「よくわからんがこの子は得体の知れん病気にさせられたんじゃ。そして女の子がさらわれた! そんな少年におまえは『出て行け』と言ったんじゃぞ!」異形の姿に変わった育朗を見ても、信じる気持ちを失わない六助じいさん。その心に宿る、優しさや悪を許さない誇り高い意思は、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの主人公たちに通じる「黄金の精神」を感じさせます。

一度は打ち切られたものの30年後に「週プレNEWS」にて連載が再開。現在も「少年ジャンプ+」で短期集中連載を継続している長寿作品となった『男坂』(車田正美オフィシャルサイト)

●車田正美『男坂』

「敵を殴って仲間を増やす!」これが『男坂』の法則です。

 それまでの車田正美作品に見られたボクシング(『リングにかけろ』)や忍者(『風魔の小次郎』)といった趣向を抜きにした、男気一本で押し通したシンプルな構成です。

「この作品を描くために漫画屋になった」という意気込みで始まったにもかかわらず、結果は全13話……堂々の打ち切りです。

 喧嘩の天才で一匹狼の13歳の少年、菊川仁義が、世界からの脅威から日本を守るため、男気を見せて仲間を増やしていくストーリーが描かれます。最終回のラストは、次のセリフと共に大きな文字で「未完」の文字が載りました。

「オレはようやくのぼりはじめたばかりだからな このはてしなく遠い男坂をよ…」

 マンガの早期打ち切りが話題になるたびに、ネットでコスられる名言(迷言?)となってしまった、このセリフ。後に車田正美さん自身が「つまらなかったから打ち切られた」と、まさに「男気」あふれる潔さで明言しています。

 この潔さがケレン味たっぷりの次作を生み出しました。人間社会のスケールを悠々と飛び越えて、現代にそのままギリシャ神話の世界を持ち込んだ『聖闘士星矢』です。

 星座モチーフの聖衣(クロス)を身にまとう聖闘士(セイント)たちが、地上侵略を狙う神々との戦いに明け暮れる『聖闘士星矢』。今もなお多くの作家がスピンオフを描き続ける一大ヒットシリーズとなりました。ですが、忘れないで欲しい、自分の命よりも大切なもののために戦う野心作が、全ての始まりだったことを……。

* * *

『バオー来訪者』のマインドを受け継いだ『ジョジョの奇妙な冒険』は第8部までで全131巻。現在も第9部『JOJOLANDS(仮称)』の開始が待たれている超長期連載です。そして『男坂』は、なんと30年越しの連載再開を果たし、今も「少年ジャンプ+」で連載中です。

『バオー来訪者』と『男坂』は奇しくも同じ1984年〜1985年に連載していました。短期打ち切りだったはずの両作品の流れは、こうして現代にも脈々と息づいているのです。

(かーずSP)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください