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悪役より汚い! 少年マンガの「邪道」主人公たち 「でも人気1位」

マグミクス / 2022年12月28日 15時10分

悪役より汚い! 少年マンガの「邪道」主人公たち 「でも人気1位」

■絆、友情、正義感、熱血の主人公ばかりではない

 少年マンガの主人公といえば、どのようなキャラクターを思い浮かべるでしょうか? 例えば世界的なヒット作『ONE PIECE』の主人公、モンキー・D・ルフィです。

 強きを倒し、弱きを守り、友情と絆を全力で肯定する……多くの人がイメージする少年マンガの主人公像として、ルフィはそれそのもののキャラクターと言ってもいいのではないでしょうか? また、ルフィはキャラクター世界人気投票まで含め、人気投票「7連覇」を達成している超人気キャラクターでもあります。

 それに対し、「週刊少年ジャンプ」の最長寿連載記録を誇る『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の主人公、両津勘吉は「真逆」と言っていいキャラクターです。一応は警察官ですが、ギャンブルが趣味で、欲望に忠実で、金の匂いがするものにはすぐ飛びついてビジネスを始める守銭奴で、さらに酒豪。

 10代、20代前半が多い少年マンガにあって、両さんは三十路を過ぎたおじさんという点もあり、まさに王道とは程遠いキャラでした。しかし、両さんは2度行われた人気投票で両方1位。しかも、2位以下に10倍以上の大差をつける得票数で、ぶっちぎりの1位を獲得しています。

 今回は、両さんのような少年マンガの非王道的(邪道)な主人公を、人気投票結果とともに紹介します。

●『DEATH NOTE』夜神月

 夜神月(やがみ・ライト)は、名前を書かれた者を葬る「デスノート」を手に入れた高校生です。ほとんどためらいなく、凶悪犯罪者の名前を書きまくって大量殺戮しただけでなく、自身の実が危ういと感じると、悪人ではないLやFBI捜査官まで葬っていくなど、極悪ぶりもどんどん加速していました。

『DEATH NOTE』は公式人気投票が実施されていませんが、ファンサイトの結果を見ると、Lに人気が集まっているようです。最後は敗北し、みっともなくあがきながら死んでいった、典型的な「邪道」主人公でした。

●『魔人探偵脳噛ネウロ』脳噛ネウロ

 脳噛ネウロは、『魔人探偵脳噛ネウロ』の主人公で、人間ではなく魔界から地上にやって来た、「謎」を食べる魔人です。

 魔人と名乗るとおり、悪魔的な頭脳と、「核爆弾が投下されても死なない」と豪語する怪物的肉体の持ち主です。性格に関しては、暇さえあれば協力者の桂木弥子や吾代忍を相手に、多種多様なサド行為を働く真性のドS外道で、彼らのことを「奴隷」「道具」とみなしています。

 王道ではないキャラですが作中随一の人気キャラでもあり、公式人気投票で3連覇を達成しています。彼の隣でフルボッコにされながら、どんどん成長していく実質的主人公・弥子との関係性も、人気を集めました。

●『銀魂』坂田銀時

 坂田銀時は、『銀魂』の主人公で、「万事屋銀ちゃん」を営む何でも屋です。すぐにパチンコに行く、泥酔して粗相をかます、甘いものがやめられず糖尿気味……など、だらしない行動が目立ち、目が死んでいるダウナーキャラでした。27歳と少年マンガの主人公にしては高齢で、彼もまた王道パターンには当てはまらない男です。

 毒舌家で、金にも汚い人物でしたが、情に厚い一面もあり、また無類の戦闘力で、かつては「白夜叉」と恐れられていた志士でした。「やるときはやる男」として、作中では随一の人気キャラです。公式人気投票ではルフィに次ぐ、「6連覇」を達成しています。

■まだまだいる非王道的な主人公たち

少年マンガには珍しい女性主人公の美神令子も守銭奴、ドSな非王道的なキャラクター。画像は『GS美神 極楽大作戦!!』1巻(小学館)

●『チェンソーマン』デンジ

 デンジはアニメも好評な大ヒット作『チェンソーマン』の主人公です。満腹になるまでものを食べたい「食欲」、「胸を揉みたい」と呟くむき出しの「性欲」を原動力に突き進む彼もまた、非王道的な主人公です。「少年ジャンプ+」に移籍して連載中の第2部でも、人質を取った悪魔に対し、迷いなく人質を見捨てて攻撃を仕掛ける外道ぶりを見せています。

 主人公より脇役の方が人気が出るのは、少年マンガあるあるですが、デンジも人気はあまりふるわず、公式人気投票の1回目は5位、2回目は4位に着地しています。

●『GS美神 極楽大作戦!!』美神令子

 続いて、少年マンガでは珍しい女性主人公です。『GS美神 極楽大作戦!!』の美神令子は依頼を受け、妖怪や悪霊などを退治するゴーストスウィーパー、いわゆる除霊師。美形で除霊の腕も一流、大金を稼ぐセレブですが、とにかく金にがめつい守銭奴です。

 法外な依頼料を取る一方で、従業員への給料は極度に渋り(助手の横島忠夫は時給250円、おキヌは日給30円)、脱税の常習犯であることがわかる描写まであります。また、戦いでも敵が引いてしまうような卑怯な手段を使うことも多く、仲間から「悪魔より酷い」と言われることもありました。

『GS美神』単体の人気投票は行われていませんでしたが、2019年に行われた椎名高志先生の全作品を対象にした「椎名キャラ人気投票」で、令子は全体3位でした。充分に高順位ですが、『GS美神』のキャラクターでは横島が2位で最上位です(全体1位は『絶対可憐チルドレン』の兵部京介で、作品の人気投票でも1位)。

『GS美神』は、当初戦闘能力皆無だった横島が能力に目覚めて以降、だんだんと彼の方が存在感が強くなっていくので、連載初期に人気投票を実施していたら、結果は変わっていたかもしれません。なお、もうひとりの主人公ともいえる横島も、性欲にまっしぐら(「ちちしりふともも」が口癖)の、王道とはちょっと違う3枚目キャラです。

●『賭ケグルイ』蛇喰夢子

 ギャンブル学園マンガ『賭ケグルイ』の蛇喰夢子(じゃばみ・ゆめこ)は、容姿端麗で頭脳明晰、丁寧口調の淑女のように見えますが、根っからのリスクジャンキーでギャンブル狂です。指を失う危険性があろうが、命を失う危険性があろうが、ギリギリのギャンブルに快楽を感じる、「頭のネジが飛んでいる系」の邪道主人公と言えます。

 同作の語り手・鈴井涼太は限りなく普通な人で、彼との対比も面白い点です。ちなみに、公式人気投票結果では夢子は5位。1位は、登場人物のなかでは比較的言動が常識的な、早乙女芽亜里(さおとめ・めあり)でした。

 以上、キャラクターと人気投票結果を紹介してきましたが、王道なら人気が出るとも、邪道なら人気が出るとも限らないのが、創作の世界のようです。ただ、1位でも、サブキャラに抜かれても、彼らが「邪道」ながらしっかりと物語を盛り上げていることは間違いありません。

(ニコ・トスカーニ)

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