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2023年のスーパー戦隊は史上初の「昆虫」モチーフ 原点は『ゴレンジャー』以前にあった?

マグミクス / 2022年12月25日 9時30分

2023年のスーパー戦隊は史上初の「昆虫」モチーフ 原点は『ゴレンジャー』以前にあった?

■これまで戦隊で「昆虫」が避けられてきた最大の理由

 2023年3月5日から放送開始されることが発表されたスーパー戦隊シリーズ第47作『王様戦隊キングオージャー』。その新しさと懐かしさを感じさせるモチーフに、早くも往年のファンから子供たちまで話題沸騰中です。

『王様戦隊キングオージャー』のモチーフはタイトルからもわかる通り、「王様」、「キング」、「王者」でしょう。三段重ねのネーミングが印象的です。そして、もうひとつのモチーフが「昆虫」。こちらはヒーロー名や巨大ロボに合体する昆虫型機械生命体「シュゴッド」に使われていました。

 ともに、戦隊史上初となるモチーフです。しかし王様は使いづらいのでわかりますが、どうして他の作品でも頻繁に使われる「昆虫」というモチーフが、戦隊の長い歴史のなかで今まで使われなかったのでしょうか? それには第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』の企画以前まで話が戻ります。

 もともと『ゴレンジャー』は、『仮面ライダーストロンガー』のボツになった企画『5人ライダー』から生まれたものでした。このため、一部の古参ファンから『キングオージャー』を「先祖返り」と表現する人もいます。

 そういった経緯がありますが、戦隊が昆虫モチーフを避けていたのは、この『仮面ライダー』とモチーフで被ることを避けていたところもありました。しかし、平成になったころから『仮面ライダー』で昆虫モチーフが少なくなり、現在放送中の『仮面ライダーギーツ』では、動物モチーフであるものの昆虫はどうやら登場しそうにありません。

 他にも昆虫モチーフが避けられていたのは、海外でのセールスを意識していたとも言われています。海外では昆虫は弱者や悪者というイメージを持っていることが多く、ヒーローのモチーフにふさわしくないと言われていました。もちろん前述の『仮面ライダー』をはじめ、昆虫ヒーローは少なくなく、絶対的に不利とは言えませんが、戦隊では避けていたのは間違いありません。そうでなければ47年近くも使っていないわけがないからです。

 とはいえ、実は戦隊シリーズで昆虫モチーフの戦士は初めてではありません。第26作『忍風戦隊ハリケンジャー』に登場するライバル戦隊「電光石火ゴウライジャー」のふたり、カブトライジャーとクワガライジャーという、カブトムシとクワガタをモチーフにした戦士がいました。

 しかし、あくまでもメインの戦隊ではないことから、今回の『キングオージャー』が初の昆虫戦隊ということになるわけです。

 さらにもうひとつ、『キングオージャー』には戦隊で初のポイントがありました。

■実は戦隊初? 「パープル」が意味する戦隊のニューカラー

戦隊史上初の紫色の戦士は『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のゲキバイオレットだったが、「パープル」と呼ばれる戦士の登場は『キングオージャー』が初。画像は「戦隊ヒーローシリーズ 07 ゲキバイオレット」(バンダイ)

 もうひとつの「『キングオージャー』が初」のこととは、最初から紫色の戦士がいることです。これまで紫は、追加戦士や番外戦士といった特別なキャラが使うことが多い色でした。

 同作で登場する戦士はクワガタオージャー(レッド)、トンボオージャー(ブルー)、カマキリオージャー(イエロー)、パピヨンオージャー(パープル)、ハチオージャー(ブラック)の5人。女性の定番色であるピンクがありません。その位置にパープルが入っています。

 このパープルというのも実は戦隊初の色。これまで紫の戦士はすべてバイオレットと名乗っていました。ところが英訳でバイオレットは菫色(すみれいろ)のこと。紫はパープルになります。つまり、英訳に従えば紫の戦士は初めてと言えるでしょう。

 ちなみに紫といえば、戦隊と同じくチーム内でメインカラーが分かれている「プリキュア」では、人気カラーとして頻繁に使われています。以前から紫は女の子には人気の色でしたが、これを戦隊がメインに取り入れることで子供全体をターゲティングしたのかもしれません。

 余談ですが、戦隊初の紫戦士は第31作『獣拳戦隊ゲキレンジャー』のゲキバイオレットです。21世紀に入ってからの登場ですから、いかに戦隊で紫を避けていたのかがわかります。一説には、印刷で色がキレイに出ないから……と言われていました。

 さらに偶然の一致だと思いますが、今回のメンバーカラーはアイドルグループである「King&Prince」と同じだそうです。

 初ではありませんが、珍しいのが昆虫モチーフの戦士の中心がカブトムシでなくクワガタという点。ヒーロー番組やオモチャなど、昆虫モチーフの作品の中心はほとんどカブトムシ。クワガタはそれに続くNo.2のポジションです。そこにテントウムシやバッタ、セミといったところが鉄板でしょうか?

 そう考えると、今回の戦隊メンバーのモチーフに選ばれた昆虫はメジャーなものとはいえ、従来のパターンにない組み合わせだと言えるでしょう。以前、「週刊少年ジャンプ」で連載されていた『森林王者モリキング』と、メインが4人までかぶっているという意見もありました。

 ファンのなかにはカブトムシは追加戦士だと考えている人も多いようで、筆者もまったくの同意見です。昆虫モチーフでカブトムシを外すことは十中八九ないでしょう。おそらく子供たちも同様に考えていることと思います。

 王様と昆虫という予想不可の組み合わせで期待感が膨らむ『キングオージャー』。その名前の通り、戦隊シリーズでは久しくない王道展開で見たいものです。ここ2年は変化球どころか魔球レベルの作品でしたので、「直球ズバーン」な爽快感ある作品を期待しましょう。

(加々美利治)

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