「意外と巻数が少ない」大ヒットマンガ4選 途中で挫折せずに全巻制覇できる!
マグミクス / 2023年1月4日 15時10分
■作者の天才っぷりが凝縮されている!
人気マンガといえば「長期連載」、そして単行本の数は何十巻、ときには100巻以上にもおよぶものもあります。しかし、多くの人が知る名作でも意外と少ない巻数で完結している作品もあります。例えば近年だと『鬼滅の刃』は全23巻、社会現象にもなった大ヒットを考えるとかなり読み切りやすい巻数です。そんな、密度の濃い名作たちを紹介します。
●『幽☆遊☆白書』全19巻
まずは1990年から「週刊少年ジャンプ」で連載されていたバトルマンガの名作『幽☆遊☆白書』(著:冨樫義博/集英社)です。物語は、不良の主人公・浦飯幽助が、子供の身代わりに事故にあって死んでしまうところからスタート。
幽助は生き返るための試練を受け、生き返ったのちに「霊力」や「妖怪」にまつわる事件を解決する霊界探偵として活動を始めます。そこから妖怪や裏社会の猛者たちが集う闇の武術大会「暗黒武術会編」や、魔界の王を決める「魔界統一トーナメント編」など、どんどんハイレベルになる戦いに巻き込まれていきます。どの章も密度の濃いバトルですが、これらが全19巻に収まっているのは改めてかなりの驚きです。
そんな本作は2022年でアニメ化30周年を迎え、いまだに新グッズが発売されたり、2023年には実写ドラマ化も決定したりするなどまだ「ヒット中」と言えます。飛影や蔵馬など主人公以外のキャラの人気も高く、敵キャラである戸愚呂兄弟に至っては「人が人を肩に乗せた状態」=「戸愚呂兄弟スタイル」として一定年齢以上の人には今もほぼ通じるネタとなっています。
●『DEATH NOTE』全12巻
続いては『DEATH NOTE』(原作:大場つぐみ、マンガ:小畑健/集英社)です。名前を書かれた者は必ず死んでしまうデスノートの力を使い、恐怖によって犯罪の起こらない理想の世界を作ろうとする主人公・夜神月(ライト)と、その正体を暴く天才探偵・Lとの超頭脳戦が繰り広げられます。2022年のサッカーワールドカップカタール大会では、日本代表の森保一監督のメモ帳が「対戦相手を倒すデスノート」と海外ファンに例えられるほど、世界でも知名度抜群です。
驚かされるのはそのテンポの速さ。1話目でデスノートを拾った月が、たった5日でノートにびっしり名前を書くほどデスノートを使いこなしたかと思えば、2話目ではLが自分の身代わりを使った罠によって、月が持つ「直接手を下さずに人を殺せる能力」の存在をあっさりと暴いてしまいます。
普通ならもっと引っ張ってもよさそうな部分も怒涛のスピードで展開していく様子は、月とLふたりの天才の頭の回転の速さを現わしているようにも感じられます。緻密な絵に、互いの計算や感情が細かく散りばめられたセリフなど、読みごたえ抜群の12巻です。
■ギャグマンガ界のカリスマとなった作品!
DVD『すごいよ!!マサルさん』第1巻(バンダイビジュアル)
●『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』全7巻
続いては、いまもなおギャグマンガ界でカリスマ的人気を誇る『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』(著:うすた京介/集英社)です。主人公・花中島マサルは空手・柔道・ボクシングなどあらゆる格闘技で優勝経験のある天才でありながら、相手を油断させることを「技」とする謎の格闘技「セクシーコマンドー」に心酔。その予測不能な行動に、常識人の転入生・フーミンこと藤山起目粒(ふじやま・おこめつぶ)がツッコミながらひたすら振り回されます。
「週刊少年ジャンプ」の看板だった『ドラゴンボール』の連載が終了した衝撃の1995年と同じ年に連載が始まると、そのクセから抜けられなくなる読者が続出。連載自体は2年弱、単行本は全7巻でありながら「ジャンプ」代表作に数えられる作品となりました。
また、この後にうすた京介先生は2000年から10年間にわたって、コミック累計850万部を超える『ピューと吹く!ジャガー』を連載。こちらも絶大な人気を誇りましたが単行本にすると全20巻。こちらも、おもしろさがかなり凝縮された巻数となっています。
●『五等分の花嫁』全14巻
最後は、2022年に完結したばかりのヒット作『五等分の花嫁』(著:春場ねぎ/講談社)です。「週刊少年マガジン」で連載され、これまでにシリーズ累計発行部数は2000万部を突破しています。TVアニメ化に続いて2022年5月には映画版も公開され、興行収入22億円の大ヒットを記録しました。
勉強ができて面倒見のいい高校生の主人公・上杉風太郎が、かわいいけれど全然勉強ができない五つ子姉妹の家庭教師として雇われたことから物語はスタート。最初は風太郎に警戒心や敵対心を持つ子もいましたが、ともに苦難を乗り越えていくうちに絆が深まり、いつの間にか風太郎はモテモテになっていきます。
また、恋愛要素以外にも、風太郎と五つ子との過去の記憶がだんだんと掘り起こされていく謎解き展開もあります。読み始めると一気に深みにハマって、あっという間に14巻が過ぎてしまうかもしれません。
連載期間の長さや単行本の巻数の多さは大ヒットの指標のひとつとなっていますが、それぞれの作品にあったちょうどいい長さも大事なのかもしれません。
(吉原あさお)
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