1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. 面白ネタ

長~いけど面白いマンガの「過去」編 「現在パート忘れかけた」「胸が痛い」

マグミクス / 2022年12月31日 10時30分

長~いけど面白いマンガの「過去」編 「現在パート忘れかけた」「胸が痛い」

■母の愛を求め地上最強の生物に立ち向かった結果……

 本編の時間軸から遡った人気作の「過去編」は、『Fate/Zero』や『呪術廻戦0』、『るろうに剣心 追憶編』など、それ自体が単体作品として評価されるほど盛り上がります。長く続く過去編のなかには、完成度が高く、「現在」の状況を忘れそうになったものすらありました。今回は、そんなマンガのとても長く、盛り上がった衝撃の過去編を紹介します。

●幼年編:『グラップラー刃牙』(9巻~20巻)

 人気格闘マンガ『刃牙』シリーズの主人公・範馬刃牙は、第1部『グラップラー刃牙』で、地下闘技場の無敗のチャンピオンに君臨する17歳の高校生として登場しました。そして、「スーパー・ドクター」鎬紅葉との戦いの後、10巻以上にわたる刃牙の中学生時代を描いた「幼年編」が始まるのです。

 闘争を価値観の最上位とする「地上最強の生物」の父・範馬勇次郎と、勇次郎に夢中で、刃牙のことを勇次郎を喜ばせるための道具としか見ていない母・朱沢江珠。「幼年編」では、13歳の刃牙が、そんな母の愛を求めて勇次郎に挑むため、がむしゃらに強くなろうとする日々が描かれています。夜叉猿、花山薫、ガイアら強者との死闘と、彼らと交わした友情など、とても見どころの多い「幼年編」ですが、そのラストは衝撃的でした。

 数々の戦いを経て成長し、ついに勇次郎との決戦を迎えた刃牙でしたが、実力の差は明らかでした。刃牙の攻撃は軽くあしらわれ、勇次郎の攻撃で刃牙は気を失います。しかし勇次郎は、刃牙が気を失った後も攻撃をやめず、刃牙は確実に死に向かっていきました。そんな、誰も勇次郎を止めに入れない状況で、動いたのはずっと勇次郎を優先していた江珠だったのです。

 刃牙を守るため勇次郎に立ち向かった江珠は、抱きしめられるような形で体の骨を砕かれます。そして、その後、気絶した刃牙を抱きながら江珠は息絶えてしまうのです。どうしても欲しかった母の愛をようやく手に入れたのに、最悪の形で失ってしまった刃牙。冷たくなった母を背負い、幸せな母子の会話を夢想しながら街を歩く刃牙の姿は、物悲しさにあふれていました。そして、物語は伝説の「最大トーナメント編」へと続いていきます。

●黄金時代篇:『ベルセルク』(3巻~14巻)

『ベルセルク』は作者の三浦建太郎先生が亡くなったあとも、盟友である森恒二先生監修のもとで連載を再開している、大人気ダークファンタジー作品です。同作の主人公・ガッツは、第1巻で「烙印」を刻まれた「黒い剣士」として登場しました。そして、使徒となった伯爵が「5人のゴッドハンド」を呼び出す「降魔の儀(蝕)」を経て、ガッツの過去が描かれる「黄金時代篇」が始まります。

 死んだ母親の骸から泥のなかに産み落とされ、傭兵団に拾われて、剣だけを頼りに生きた幼少期。グリフィスやヒロイン・キャスカたちと出会い、傭兵軍団「鷹の団」で過ごした青春時代。そして、グリフィスが鷹の団を「生け贄」に捧げて起こした、最悪の事態・「蝕」……。その地獄を生き延びたガッツが、5人目のゴッドハンド・フェムトになったグリフィスを追って、復讐の旅に出るまでが描かれています。

 グリフィスという圧倒的カリスマに率いられ、夢に向かって突き進む鷹の団の青春模様は、まさに「黄金」のような輝きでした。そんな鷹の団が、グリフィスの天才ゆえの孤独と脆さから崩壊し、「蝕」へと至る流れには、夢と希望と絶望が詰まっています。そんな、「黄金時代篇」は「完璧な物語」という声もあるほどの、人気の過去編です。2012年から13年にかけて3部作でアニメ映画化もされ、好評を博しました。

●記憶の旅:『からくりサーカス』(23巻~27巻)

 200年前のプラハで起きた、美女・フランシーヌをめぐる白銀(バイイン)と白金(バイジン)の兄弟の争いが物語の出発点である『からくりサーカス』には、いくつかの「過去編」が存在します。そのなかで最も長いのが、23巻から27巻まで描かれた才賀正二の「過去編」です。ここで同作の複雑な物語が、一気につながっていきます。

 実は白銀の弟子で、彼の遺志を継いでいた才賀正二は、孫である才賀勝が黒幕・白金の記憶を受け継いだ才賀貞義に人格をダウンロードされ、精神を乗っ取られていると思っていました。そして勝を捕えた正二は、貞義に罪を自覚させてから殺すため、自身の「記憶が溶けた血」を飲ませたのです。

 江戸時代の長崎での白銀との出会い、フランシーヌそっくりな娘・アンジェリーナとの結婚、造物主(白金)のもとを離れたフランシーヌ人形や、ギイとの出会いなど、勝の記憶の旅は素晴らしいエピソードばかりです。なかでも、本来は敵だったフランシーヌ人形が、自らを犠牲にして赤ん坊(エレオノール)を助け、笑顔で溶けていくシーンはとても切なく感動的で、『からくりサーカス』最大の名場面という声もあります。

(SU_BU)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください