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賑わった「コミックマーケット」初心者への施策が課題? 参加者はコロナ前の4分の1

マグミクス / 2023年1月6日 12時10分

賑わった「コミックマーケット」初心者への施策が課題? 参加者はコロナ前の4分の1

■参加者上限は8万5千人から9万人に

 2022年の12月30日から31日にかけて、東京ビッグサイトで世界最大の同人誌の祭典、コミックマーケット101(C101)が開催されました。新型コロナウイルス対策のため設けられている1日の参加人数上限は前回の85000人から90000人へと引き上げられ、両日ともに多くの人でにぎわいました。

 2020年の「コミックマーケット中止」という大問題を乗り越え、今回もまた無事にC101の開催にこぎつけました。もちろん、コミックマーケット準備会をはじめとする関係者の不断の努力と熱意があってこそ開催が実現したことは言うまでもありません。

 さて、コミックマーケット当日ですが、まず多くの人を集めたのは、やはり南館の企業ブースです。秋にヒットしたTVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく』を押し出したANIPLEX、12月にコンシューマー版『魔法使いの夜』を発売したばかりのTYPE-MOON、KADOKAWAなど、常に注目を集める企業のブースは長蛇の列ができていました。

 近年急成長を遂げているVtuber系のブースもやはり人気が高く、ホロライブのブースには多くの人が群がり大盛況となっていました。また、ゲームに本気で取り組むメンバーが集まってeスポーツ の良さを広げていく、次世代 Virtual eスポーツプロジェクト「ぶいすぽっ!」も注目を集めており、ブースに近づくのも難しいほどの列が形成されていました。

 先日TVアニメの放送が終了した『マブラヴ オルタネイティブ』のブースでは、全高2メートルほどの戦術機「不知火」のモデルが展示され、道行く参加者たちが足を止めて撮影に興じる姿も見られました。スクエア・エニックスが送る最新アプリ『Engage Kill』のブースや『ブルーアーカイブ』や『雀魂』で知られるYostarのブースではコスプレイヤーの方々の撮影が可能となっており、やはり多くの方がスマホを向けていたのが印象的でした。

■初心者が参加しやすくなる対策が必要に?

『マブラヴ オルタネイティブ』のブースに登場した、人形兵器・戦術歩行戦闘機「不知火」

 また、今回の個人ブースでは特筆すべき出来事が発生しています。先述した『ぼっち・ざ・ろっく』の原作者である、はまじあき先生が今回ブースを出展していたのですが、申し込んだのが作品のヒットよりもだいぶ前だったため壁サークルではなく、島中での大変な混雑が予想されました。そこで急きょ外部に臨時ブースを設営することとなり、『ぼっち・ざ・ろっく』の作者が本当にぼっち席でサークル参加することとなりました。このような柔軟な対応はコミケならではの出来事といえるでしょう。

 2日間にわたり多くの企業や個人が参加し盛況に終わったC101ですが、若干気になる点もありました。コミケ特有のピリピリとした熱気が、減退しているように感じられたのです。今回の参加者は2日間でのべ18万人。新型コロナウイルスがまん延する前の2019年冬の「75万人」と比較すると、約4分の1の規模であることから、ある程度はやむを得ないことではあるでしょう。

 しかしながら、現状のチケット方式はコミケ初心者にはかなりハードルが高いと思われます。今回のC101では、早い時間に入場できる「アーリーチケット」「午前入場チケット」が事前の抽選販売、「午後入場チケット」も先着順の事前販売……という形になっていました。かつて、コミケの参加者は強烈な熱意がある人だけではありませんでした。「コミケってどんな場所なんだろう?」と興味を持った人や、午後からふらっと会場を訪れ、目に入ったものを買って帰るような人もいたのです。

 特に、コミケにちょっと興味を持った人が会場に入れないのは後々かなり効いてくるでしょう。会場をのぞいてコミケの空気に圧倒されて常連となり、自分でもブースを出展するようになった人は大勢存在しています。初心者の入り口が狭まってしまった業界は、大抵の場合そのまま衰退することが多いため、新人がもたらすエネルギーは極めて貴重なのです。

 ここ数年は同人誌の通販事業がかなり伸びており、老舗の「とらのあな」も池袋店を除いてリアル店舗を閉鎖し、通販に特化しています。地方在住の作家さんにとってはコミケに出展する意味が薄れつつあることも間違いありません。

それでもコミケには、年に2回開催される祭典としてこれからも重要な存在であって欲しいと考える方は多いでしょう。今後のコミケのためにも、新規参加者やライト参加者に対する何らかの措置が必要な状況にあると考えられます。簡単には解決できない問題であることは承知しつつ、今後もコミケの未来を見据えた開催のあり方を願ってやみません。

(早川清一朗)

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