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おろち 、ミサ、富江…恐怖マンガの「三大美女」 怖いけど惚れる、魔性のヒロイン像

マグミクス / 2023年1月15日 19時50分

おろち 、ミサ、富江…恐怖マンガの「三大美女」 怖いけど惚れる、魔性のヒロイン像

■怖いほど美しい、恐怖マンガ界の美少女たち

「美少女×恐怖マンガ」。こんなにもゾクゾクする組み合わせは、そうそうありません。そして、ホラー漫画のヒロインと聞くと、おろち、黒井ミサ、川上富江の3人を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

 楳図まこと氏の『おろち』、古賀新一氏の『エコエコアザラク』、伊藤潤二氏の『富江』は、どれも美少女ヒロインの妖しい魅力が忘れられない名作マンガです。旬の人気女優を起用した実写映画も、それぞれ制作され、話題を呼びました。

 美少女の整った顔が恐怖で歪むシーンも目を惹くものがありますが、おろち、ミサ、富江のBIG3には得体の知れない不気味な美しさがあります。怖いけれど、彼女たちから目が離せません。そんな恐怖マンガ界の3大ヒロインを、ドキドキしながら振り返りたいと思います。

■年をとらない永遠の美少女『おろち』

 2022年には東京と大阪で「楳図かずお大美術展」が開かれ、健在ぶりを見せた楳図かずお氏。天才漫画家・楳図氏が生み出した美少女ホラーの傑作が『おろち』です。おろちは年齢不詳で、不思議な能力を持っており、家政婦や看護師などをしながら、人間の営みをずっと見つめ続けているミステリアスな美少女です。

 吸い込まれそうになる、大きく美しい瞳が印象的な『おろち』は、1969年~71年に「週刊少年サンデー」に連載されました。それまでにも数々の恐怖マンガを描いてきた楳図氏ですが、『おろち』にはサイコホラーとしての面白さがあります。人間の心がさまざまな事件を引き起こし、おろちは好奇心から事件に巻き込まれていきます。事件内容がおぞましければおぞましいほど、おろちの美しさが際立って感じられます。

 鶴田法男監督による実写映画『おろち』(2008年)は東映系で全国公開され、美人姉妹役を演じた木村佳乃さんと中越典子さんが壮絶バトルを繰り広げました。おろち役には、『カナリア』(2005年)や『死にぞこないの青』(2008年)などで好演した谷村美月さんが起用されています。

 右手に包帯をし、100年に一度の長い眠りに就く不老不死の美少女・おろちとは、何者なのでしょうか。大蛇のことを「オロチ」と呼びますが、楳図氏の初期代表作『へび少女』と関連があるのでしょうか。謎が多ければ多いほど、おろちのことが気になってしまいます。

■途中からキャラ変した『エコエコアザラク』の黒井ミサ

伝説的ホラーマンガ『エコエコアザラク』 (C)AKITA PUBLISHING CO.,LTD.

 1975年~79年に「週刊少年チャンピオン」で連載された人気ホラーマンガが、古賀新一氏の代表作『エコエコアザラク』です。主人公はクラシカルな制服がよく似合う、女子校生の黒井ミサ。黒魔術を操る美少女です。「エコエコアザラク、エコエコザメラク」とミサが呟く呪文は、多くの読者の脳裏に刻まれていることでしょう。

 影のある美少女・黒井ミサを、転校先の男子生徒たちは放っておきません。しかし、彼女に手を出した男たちは、とんでもなく恐ろしい目に遭います。魔女である彼女の秘密を知った者は、命を落とすことになるのです。そんな冷酷さも、ミサの美しさを引き立てています。

 ところが、連載が続くにつれ、最初はクールだった黒井ミサはお茶目な表情も見せるようになります。当時は「主人公のキャラがブレている」などと思ったものですが、ミサは黒魔術を使うとはいえ人間の女の子。10代の少女が成長と同時に性格が変わってもおかしなことではありません。大人になって読み直すと、人間味を感じさせるようになったミサに、安堵するする自分がいることに気づきます。

 生身の女子校生であるミサは、たびたび実写ドラマ化されています。VFXを山崎貴監督が担当した、佐藤嗣麻子監督による実写映画『エコエコアザラク WIZARD DARKNESS』(1995年)では、グラビアアイドルとして人気だった吉野公佳さんが黒井ミサに扮しています。

 また、1997年からはテレビ東京系でTVドラマ版『エコエコアザラク』が放映され、こちらは佐伯日菜子さんが主演しました。佐伯さん演じるミサはハマり役と評判になり、Jホラー界のアイコニックな存在となりました。

■周囲を破滅に追い込むモンスター『富江』

「伊藤潤二傑作集(1)富江」上巻(朝日新聞出版)

 1986年に発表された『富江』のヒロイン・川上富江は、不条理な伊藤潤二ワールドを代表する大人気キャラクターです。Netflixで2023年1月19日(木)より世界配信されるオムニバスアニメ『マニアック』にも、富江が登場することが予告されています。

 富江もまた、正体不明の美少女です。長い黒髪と左目の下にある泣きぼくろが、とてもセクシーに感じられます。富江に出会ってしまった男たちは、みんな彼女に夢中になってしまいます。しかし、富江に惚れてしまったら、それは人生の破滅も意味することになります。恋多き女・富江を独占したいという想いにとらわれ、傲慢な性格の彼女を自分の手で殺害するはめになるのです。

 ところが、富江の本当の恐ろしさはそこから始まります。殺しても殺しても、バラバラにしても、富江はその度に蘇り、殺した男の前に現れるのです。彼女に出会ってしまった人たちは、もうボロボロの生涯を送るしかありません。まさに究極の「ファムファタール」です。

 富江は明らかに人間ではない、恐ろしいモンスターなのですが、多くの映像クリエイターたちからも愛されてきました。菅野美穂さんが初代富江を妖艶に演じた実写映画『富江』(1999年)がスマッシュヒットし、『富江replay』(2000年)では宝生舞さん、『富江 re-birth』(2001年)では酒井美紀さんが富江に扮しています。その後も実写化シリーズは続いています。

 おろち、ミサ、富江。3人の人間離れした美少女ぶりは、大人になった今も忘れることができません。異性や恋愛への憧れと、そんな未知なる世界への恐怖心がないまぜとなり、彼女たちをより官能的な存在に高めていたように思います。ミステリアスな女性ほど、魅力的に感じられるものなのかも知れません。

(長野辰次)

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