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シャアはなぜアクシズを落とす必要があった? 理由のひとつは「35歳の壁」か

マグミクス / 2023年1月16日 6時10分

シャアはなぜアクシズを落とす必要があった? 理由のひとつは「35歳の壁」か

■『逆襲のシャア』時点で、シャアは30代半ばとなっていた

 宇宙世紀0093年3月12日、シャア・アズナブルは宿命のライバルであるアムロ・レイと戦い、両者共に行方不明となりました。アクシズの落下は阻止され、シャアが目論んだ地球の寒冷化による強制的な人類の宇宙移住も果たされることなく、人の営みがそれまで通りに続いていく結果に終わったのです。

 それにしても、シャアはなぜアクシズを落としたのでしょうか。アクシズはジオン共和国がアステロイドベルトにある小惑星を用いて建設した巨大プラントであり、一年戦争後はジオン残党軍の拠点として重要な役割を果たしてきました。宇宙世紀0086年には核パルスエンジンを用いて地球圏への移動を開始し、0087年10月に到達。ハマーン・カーン指揮の元、当初はアクシズ、後にはネオ・ジオンを名乗り、地球圏の諸勢力と激しい戦いを繰り広げたのです。

 ネオ・ジオンの敗北後は地球連邦の管理下に置かれていましたが、0093年3月、アクシズは金塊と引き換えにシャア率いる新生ネオ・ジオンへの譲渡が決定され、アクシズ落としへの道が開かれたのです。

 結果だけ見ればアクシズをシャアに渡した地球連邦の愚かさが際立ちますが、少し見方を変えると、地球連邦の考えが分からなくもありません。

 別に、地球に落とすのはアクシズでなくてもいいのです。何かを地球に落としたいのであれば、過去の例のようにコロニーを落とせばいいだけの話。戦乱で放棄されたコロニーはいくつもあるでしょう。わざわざネオ・ジオンの象徴でもあるアクシズを落とす必要はありません。地球連邦にとってはむしろ、アクシズを渡せば、どこに潜んでいるのか分からないジオン勢力が集結し、監視もしやすくなると考えても不思議ではありません。地球へ落とすためだけにシャアがアクシズを入手する必要性はなかったのです。

 ではなぜ、シャアはアクシズを落としたのか。もしかしたら、もっとも早く手に入る大質量物体だったことが理由かもしれません。シャアはネオ・ジオンの総帥としてスペースノイドのために働いていました。しかし真の望みが何かと言えば、アムロとの決着を付けることでした。そしてこのとき、シャアには時間的な制約がありました。公式の設定では、シャアの誕生日は宇宙世紀0059年11月17日。間もなく、35歳を迎えようとしていたのです。

■徐々に衰え逝く肉体

衰えを感じる歳であるシャアに対し、アムロはまだ若い…画像は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』DVD(バンダイビジュアル)

 35歳という年齢は、現代社会では間違いなく働き盛りです。しかしながら、肉体を酷使するスポーツ選手を例に取れば引退を迎えてもおかしくない年齢でもあります。日本中のフィジカルエリートが集結するプロ野球には「35歳の壁」があると言われており、ここから先は能力が上がらず、下がる一方となるそうです。

 自衛隊の戦闘機パイロット職も35歳から40歳でほとんどの方がエリミネート(配置転換)されており、35歳という数字には大きな意味があると分かります。『機動戦士0083 STARDUST MEMORY』に登場したサウス・バニング大尉は39歳でしたが、作中で加速時に大きなGがパイロットに加わった際に血液が眼球内の血管に集中して視野が赤くなる、レッド・アウトを起こし、衰えを自覚しています。ガンダム世界のパイロットの限界も、自衛隊パイロットと同じ程度の年齢で訪れるようです。

 対して、アムロはこのとき29歳。ニュータイプ能力こそ最盛期よりも衰えているようですが、技量・経験・肉体のバランスについてはおそらく絶頂期にあります。政治家としても活動しなければならないシャアと比較して、パイロット職に集中できるアムロの方が戦闘で有利なのは言うまでもありません。

 もしかしたら、シャアはこのタイミングでなければアムロに対し勝ち目はないと考えたのかもしれません。シャアの誕生日である11月17日は、アクシズ落としの8か月後になります。アクシズではなくコロニーを落とすためには、まず落とせるコロニーを探し、資金を集めて欺瞞工作を進め、連邦軍の目を出し抜ける状況を作る必要があります。

 それだけの準備をするには数年かかるでしょう。もし3年かかったとすればシャアは37~38歳、アムロは32~33歳。シャアは衰えを自覚せざるを得ない年齢であり、アムロはまだピークを維持できている年齢です。モビルスーツに投入される技術力によほどの差がなければ、アムロの勝利は間違いないと考えます。

 35歳を迎えるシャアが肉体に感じた焦り。あくまで憶測ですが、それがアクシズを落としたひとつの理由なのかもしれません。

(早川清一朗)

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