『ワンピ』の過去編は本当に長い? 「単行本だと印象違う」「名場面多い」
マグミクス / 2023年1月23日 11時50分
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■意外と短かった『ONE PIECE』の過去編
『ONE PIECE』に欠かせない要素とも言える「過去編」では、キャラクターのさまざまな過去エピソードが語られます。現在パートでは死人が少ない同作ですが、過去編は別です。各キャラの愛する人との永遠の別れも多く描かれるなど、重い内容が多いためか、読者のなかには「過去編は長い」「バトル中に挟まれるとダレる」という印象を持つ読者もいるようです。しかし、実際の話数を見ると、その他のマンガと比べても、そこまで長くはありません。
これまでいちばん長い過去編は、記憶にも新しい「ワノ国編」の光月おでんのエピソードで、960話「光月おでん登場」から、彼が死亡する972話「煮えてなんぼのおでんに候」までの13話、その後の光月トキ、モモの助、日和、錦えもんら家臣たちのエピソードが描かれた2話の15話です。そして、それ以前の過去編のなかで最も長いものは、8話に渡って描かれたエピソードで、ルフィ、エース、サボの過去編、ロビンの過去編、ローとコラソンの過去編の3つでした。長い過去編でも、連載で2~4か月程度で、単行本1巻分を超えたのは一度だけです。
「毎週連載で読んでるときは現在パート忘れそうになったけど、単行本で読み返したらあっという間だった」「情報量も多いから、体感が長かっただけかな」「おでんの過去はロジャーや白ひげやラフテルまで絡んでくるんだから、もはや単体の過去編の域を超えてて、長くてもしょうがない」「そりゃ普通のマンガに比べたら過去編多いし、話数も多いけど、これだけの超長期連載で、キャラも膨大なことを考えたら、どれもそんな長くない」という意見もあります。
ルフィ、ロビンだけでなく、サンジとゼフ、ナミとベルメール、チョッパーとヒルルクのエピソードなど、麦わらの一味の過去編はどれも人気ですが、今回は他にファン人気の高い過去エピソードを見ていきましょう。まず、「空島編」の過去編、「ノーランドとカルガラ」のエピソードが支持されています。空島の戦士たちが伝説とあがめるシャンディアの戦闘隊長・カルガラと、「北の海」の探検家のノーランドが、価値感の違いを乗り越えて友情を紡ぐストーリーでした。
熱い友情物語だけでなく、現在の空島につながる秘密も明かされ、ネット上では「過去の無念や夢を長い時間をかけて紡いでいくところが好き」「過去編を見ると、シャンドラの戦士の言葉に説得力を感じる」「単行本で読んだら一番好きなエピソードになった」と、過去編を含めた「空島編」全体が評価されています。
また、ビッグ・マム海賊団の船長シャーロット・リンリンの過去編も、ファンの間で話題になっていました。しかし、他の過去編に対する感想とは様子が違います。生まれつき他人より圧倒的に強いリンリンは、さまざまな問題児を引き取って育てるシスター、マザー・カルメルに保護され、巨人族の島「エルバフ」で暮らしていましたが、あるとき「食いわずらい」の発作を起こして、エルバフの村を半壊状態に追い込んでしまいました。
その後、カルメルがかばってくれたおかげで、殺されずに済んだリンリンでしたが、実はカルメルはみなし子を世界政府の人材として売る「ガキ売り稼業」をしており、強すぎるリンリンは逸材の目玉商品だったのです。そんな衝撃の事実が明らかになった後、リンリンは誕生日に大好物のお菓子・セムラを積んだクロカンブッシュを用意してもらい、我を忘れて食べ続けます。そして、気が付くと彼女の目の前から、カルメルや仲間の子供たちの姿が消えていました。
はっきりとは分かりませんが、リンリンがマザー・カルメルや、仲間を食べてしまったようにも見える場面です。「当人からすれば間違いなく悲しい過去だけど、読んでいる側としては恐ろしすぎる……」「絶対に分かり合えない感がすごい」「カルメルの正体含め、後味悪すぎるエピソード」と、衝撃の過去編として読者の記憶に残っています。
その他に、王下七武海ドンキホーテ・ドフラミンゴと、ハートの海賊団船長トラファルガー・ロー、そして彼の恩人のドンキホーテ・ロシナンテ(コラソン)の過去編も、熱く語られていました。ドフラミンゴの「元天竜人」という特殊な生い立ちが明かされ、コラソンとローの親子のような関係も描かれるのが魅力です。
「ローが普通の少年だったと分かるのが辛い」「読者しか知らない部分に、ドフラミンゴの弱いところがあるのが好き」と、キャラがより魅力的に見えるようになったエピソードとして、支持されています。ローが「オペオペの実」を食べるに至る経緯、ロシナンテとの別れの場面も、「特に泣けた」「コラソンが人気の理由はよく分かる」と人気で、また、ドフラミンゴとロシナンテの兄弟についても、「どちらに共感するか二分すると思う」と、複雑な関係性がファンの心をつかんだようです。
その他、前述の光月おでんや、魚人島の王妃・オトヒメのエピソードなども、「みんな信念があってかっこいい」「死に様が泣けた」と、人気を集めていました。最終章に入るも、『ONE PIECE』ではまだ過去が明かされていないキャラクターも多く、ファンの間では「クロコダイルやミホークの過去も見たい」「ロックス海賊団の詳細と、『ゴッドバレー事件』のガープとロジャーのタッグが気になりすぎる」「ジョイボーイは、どんな人物だったんだろう」「ドラゴンはじめ、革命軍は謎が多いから過去編やってほしい」と、期待する声が上がっています。最終回までに、誰のどんな過去編が描かれるのでしょうか。
(マグミクス編集部)
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