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『ワンピ』ファン憤慨!連続強盗を指示する「にせルフィ」は逮捕可能? 元警察官が解説

マグミクス / 2023年1月29日 7時50分

『ワンピ』ファン憤慨!連続強盗を指示する「にせルフィ」は逮捕可能? 元警察官が解説

■主人公「ルフィ」をかたる主犯格 ファンからは「風評被害」の声も

『ワンピース』の連載が最終章に突入して盛り上がるなか、世間を恐怖に陥れ、全国の『ワンピース』ファンを怒り心頭させる事件が発生しています。昨年から全国各地で広がる「連続強盗」の実行犯とみられる8人が逮捕されましたが、彼らが「指示役」として挙げた主犯格の名前は、なんと『ワンピース』の主人公と同じ「ルフィ」。現在はフィリピンの入管施設に収容されているとも報じられていますが、果たして、「ルフィ」を名乗る主犯格を捕まえることは可能なのでしょうか。警察官として約18年間務めた筆者が解説します。

 まず、すでに逮捕されている8人の容疑は、2022年10月に東京都内で発生した強盗致傷事件です。住宅に侵入して家族を縛りつけたうえに暴行し、現金約3500万円や金塊141点などを奪い逃走した疑いです。同種の事件が2023年1月までに全国各地で発生しているため、警察では連続犯行の可能性が高いとして捜査を進めています。また驚くべきは犯行時間の短さで、大規模の事件を起こしておきながら、現場から約10分で逃走しています。

 実行犯と主犯格は異なり、連絡手段にはTwitterや「テレグラム」を使用していた模様。「テレグラム」はメッセージ送信後、速やかに送信履歴が削除されるため秘匿性の高い通信アプリです。

 1月28日時点の情報によると、「ルフィ」を名乗る指示役を含む主犯格には特殊詐欺事件で逮捕状が発行されており、日本警察はフィリピンに身柄の引き渡しを求めているようです。主犯は4~5人おり、フィリピン側は内容を慎重に精査し、要請への対応可否を判断したいとしています。一方で一部の主犯格についてはフィリピンでの事件が終わらなければ引き渡しは難しいとしています。

 凶悪な連続強盗の主犯として浮上した「にせルフィ」にファンは怒り心頭。「風評被害だ」「ゴムゴムのピストルでお仕置きしてほしい」「連続強盗団のにせルフィを必ず逮捕して、最も重い罰状にしたらしめてほしい」など、憤りの声が多くあがっています。もちろん、強盗事件が続くなかで主犯格が捕まっていないことに対する不安の声も広がっています。

■「にせルフィ」確保のカギは現地警察との連携

主人公のルフィがパッケージに描かれた、『ONE PIECE Log Collection “ZOU”』DVD(エイベックス・ピクチャーズ)

 では、フィリピンにいるとされる「にせルフィ」は逮捕できるのでしょうか。海外にいる容疑者を逮捕する場合の選択肢は、「犯罪人引渡し条約」か「国際手配」の2択となります。

 フィリピンと日本は「犯罪人引渡し条約」を締結していないため、こちらの選択肢は難しいでしょう。一方の「国際手配」は、国際刑事機構(ICAO)を通して捜索を行う手法で、今回のケースでは国際刑事機構と日本・フィリピンの警察が連携することが事件解決のカギを握るといっていいでしょう。

 経験上、主犯が仲間を操作する手口は「オレオレ詐欺」と同種です。自分の手を汚すことなく、捕まるリスクの高い犯行は仲間に行わせるという手口です。とはいえ、犯行は確実に成功させたいため、オレオレ詐欺と同様に「アポ電」を利用します。

 事前に家にある現金や金目のものを把握し、速やかに犯行を完了。実行犯は逃走後、主犯格に送金するのです。つまり主犯は自分の手をできる限り汚さず、お金を奪い取っています。見知らぬ相手からの電話や訪問に対して、お金や財産の話は禁物です。

 この1月には、連続強盗犯が起こした事件により亡くなられた方もいらっしゃいます。心からご冥福をお祈りするとともに、「にせルフィ」の事件が速やかに最終章を終えることに期待しましょう。

(LUIS FIELD 最上雄一朗)

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