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45周年!大場久美子版『コメットさん』でウルトラ戦士の後日談が語られた理由

マグミクス / 2023年2月4日 15時10分

45周年!大場久美子版『コメットさん』でウルトラ戦士の後日談が語られた理由

■うそ、なんで!? 数年ぶりに姿を見せたウルトラ戦士!

 アイドルの大場久美子さんが魔法使いを演じた『コメットさん』が、1978年の放送開始から45周年を迎えました。この『コメットさん』全68話のなかで、3つのエピソードに「超大型ゲスト」が出演しています。それがウルトラセブン、タロウ、レオです。魔女とウルトラマンが共演!? いったいどんな内容だったのでしょう。

『コメットさん』は、乙女座の学校の卒業課題「地球でいちばん美しいもの」を見つけるためUFOに乗ってやってきた魔法使い・コメットが、人びとと触れあいながら、その美しいもの(愛の形)を見つけてゆくというコメディドラマです。魔女が主役なので、女の子はもちろんですが、かわいいクーミン(大場久美子さんの愛称)は男の子のハートもつかんで離しませんでした。

 しかし、そんな男の子たちにある日、衝撃が走ります。第16話の最後に流れた次回予告映像を見たら……「な、なんでセブンが!?」。それは「事件」でした。

 なぜかというと、『コメットさん』放送開始の1978年は、ウルトラシリーズ『ウルトラマンレオ』放送終了から3年以上が経過し、TVで(再放送以外で)その姿を見ることがほぼなかった時期だからです。しかも驚くべきことに、ウルトラ戦士たちの登場は第17話「私の親友ウルトラマン」のセブンだけではありませんでした。第43話「初恋の人ウルトラマン」にはタロウ、第63話「ウルトラマンと怪獣アカゴン」にはレオと、3回も登場したのです。しかも、特に第43、63話はウルトラファンに対するメッセージ性を感じる内容でした。

●第17話「私の親友ウルトラマン」客演:ウルトラセブン

 まず17話のあらすじを書くと

「『親友』という言葉を都合良く使われ、友達から用事を押しつけられるコメットさん。トラブルの元になってしまい、周囲から『コメットさんは親友がいないだろ』と馬鹿にされます。そこでコメットさんは親友として、ウルトラセブンを紹介しました」

 セブンが山で遭難したコメットさんたちを助けに登場するなど、「親友とは?」について考えさせられるお話です。また、セブンは、コメットさんたちを手に乗せ、宇宙を遊覧飛行しました。ウルトラシリーズ以外の番組で、ウルトラセブンが登場した作品はかなりレアだと思われます。

■まだ地球にいてくれたんだ……

『コメットさん』放送前の最後のウルトラシリーズ作品『ウルトラマンレオ』Blu-ray BOX(バンダイナムコアーツ)

●第43話「初恋の人ウルトラマン」客演:ウルトラマンタロウ

 43話のあらすじは

「初恋の人であるウルトラマンタロウの太郎さんと再会するコメットさんが、会社員として働く太郎のアパートへ通うようになります。しかし、ある日、太郎と暮らす少年(宇宙人)が足の傷口から地球の菌に侵されてしまいます。太郎は、タロウに変身したら、地球にいられなくなるという宇宙の掟を破って変身。少年を連れて地球を去って行くのでした。」

 この回は、タロウとコメットさんが宇宙で友達だった事実が前提になっています。しかも、『ウルトラマンタロウ』本編最終回の「さらばタロウよ! ウルトラの母よ!」のアフターストーリーのように、つながっていました。

 本編の最後は、主人公・東光太郎がウルトラバッジを投げ捨てて人混みのなかへ消え、「完」となりました。そして、『コメットさん』に登場した下塚太郎は、「変身しないことを条件に地球に住む許可を得ていた」と言っています。しかし、最後は変身して地球を去らねばなない状況になり、コメットさんと別れてしまう、という悲しい結末です。ちなみに、太郎役は本編のタロウ・光太郎役の篠田三郎さんではなく、『マッハバロン』の嵐田陽役で知られる下塚誠さんでした。

●第63話「ウルトラマンと怪獣アカゴン」客演:ウルトラマンレオ(おゝとりげん)

 63話では

「ある朝、小学生の準平君が、全身垢だらけの怪獣アカゴンになってしまいます。魔法でも治せず、悩むコメットさんが空を見上げて祈ると、ウルトラサインが! 目の前に、ウルトラマンレオのおゝとりげんが現れます。『怪獣になった子供を戻すには、君が宇宙人だと宣言するんだ』と、言われたコメットさんは悩みます。「準平は宇宙のアルファ線、ガンマ線を浴びると治る」というげん。彼は宇宙の掟により、レオに変身すると地球を去らなければなりませんが、コメットさんを見かね、レオになって準平を連れ宇宙へ飛び立ちます。そして、地球から去ってゆくのでした」

 という物語が描かれました。

 ウルトラマンレオことおゝとりげん役の真夏竜さんが、そのまま登場したことにも驚きです。また、タロウと同じく、『ウルトラマンレオ』のアフターストーリーを思わせる内容でした。

『ウルトラマンレオ』の最終回「さようならレオ! 太陽への出発!」の最後は、げんが変身リングを外して仲間の前から消え、行方知れずで終わります。つまり、あの後、レオは地球に滞在していたことになるのです。この63話では、「レオのふるさと・獅子座L77星は爆発してなくなった」、「地球はたったひとつのすみか」というセリフも飛び出し、『ウルトラマンレオ』への愛が伝わりました。

●なぜコラボが実現したのか?

 情報が少なかった放送当時、みんなが思った「なぜコメットさんにウルトラ戦士たちが出たの?」という疑問について、いろんな理由が考えられます。まず、放送局が同じTBSだったこと、また、『コメットさん』の脚本家・阿井渉介さんが『タロウ』や『レオ』の脚本も書いていた縁や、制作会社の国際放映と円谷プロにパイプがあったこと(両社は事業面などで良好な関係だったとか)などから、まさかのコラボが実現したと思われます。

 また円谷プロは1979年4月からアニメ『ザ☆ウルトラマン』を放送することもあり、異質な組み合わせでしたが、PRとしてもファンサービスとしても、素敵なコラボとなりました。特番でもないのに違うドラマ番組が、こんなにがっつりと絡み合うのは本当に珍しい出来事です。

(玉城夏)

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