人工知能と「共闘」するゲーム『ゼノンザード』が示す、AIの多様性
マグミクス / 2019年3月5日 18時0分
■AIと共闘”ができるアプリ
2019年夏、株式会社バンダイは”AI×デジタルカードバトル”をコンセプトとしたカードゲームアプリ『AIカードダス ゼノンザード〈ZENONZARD〉』を配信する予定です。
トレーディングカードゲームアプリといえば、代表的なものにCygames社の『シャドウバース』や、スクウェア・エニックス社の『ドラゴンクエストライバルズ』などが人気ですが、今夏配信予定の『ゼノンザード』は、”カードゲームにAI”が搭載された点に注目が集まっています。
なかでも同作品に搭載された「カードバトル特化型AI」は、従来のAIとの対戦のみならず、プレイを通してAIを育成でき、さらにプレイヤーと共闘までも楽しめるというのです。
そもそもAIとは「Artificial Intelligence」の略で、「人工知能」と訳されます。現在さまざまな分野で研究開発が進められているAIは、収集したデータを分析し、最適の答えを導き出せるよう「学習」を行って、自らその精度を高めていくという特徴を備えています。
国内でよく知られているのは、AIを搭載したさまざまな将棋ソフトです。AIとの対局を楽しむだけでなく、プロ棋士が、戦法や終盤の詰みの研究を行う際に利用しているといいます。
■思い起こされる「将棋電王戦」
株式会社ドワンゴが2010年から主催する「将棋電王戦」では、プロ棋士とAIの対局を実施。現役のプロ棋士がAIに敗北するという衝撃的な一幕もあり話題となりました。同企業の川上量生会長(当時)は「人間とコンピュータが同じルールで真剣勝負をするという歴史的役割は終わった」と発言するなど、今後のAIと人間の関わり方について、多くの人びとの興味と関心を集めています。
まるで人間VS機械(画像:cyuhorakushin/123RF)
カードゲームアプリ『ゼノンザード』に搭載される「カードバトル特化型AI」は、将棋ソフト「Ponanza」で知られるHEROZ株式会社が開発を担当しています。
将棋界では「人間対AIの対戦」に注目が集まっていますが、『ゼノンザード』では「人間とAIの共闘」にフォーカスされています。
公式サイトによると、AIはバトルのサポートから対戦後の分析、デッキ構築のアドバイスなどを行います。また、対戦を重ね「育成」を進めることにより、AIを成長・強化していくことも可能とのことです。
『ゼノンザード』は、ゲームにおけるプレイヤーとAIの関わり方が多様であり、必ずしもその関係は対戦のみに限らないということを体現しています。
「ゲーム×AI」という組み合わせに新しい視点を持ち込んだ『ゼノンザード』。これを皮切りに、今後はAIがこれまでにない形でゲームに関わり、誰も見たことのないようなコンテンツが誕生していくのかもしれません。
(マグミクス編集部)
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