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「友情崩壊」招いたレトロゲームたち 協力ゲーなのに対戦になっていた!?

マグミクス / 2023年2月11日 9時10分

「友情崩壊」招いたレトロゲームたち 協力ゲーなのに対戦になっていた!?

■協力プレイが「対戦」と化したファミコン時代

 インターネットの普及に伴い、友達と一緒に遊ぶスタイルも様変わりしました。今や同じ場所にいる必要はなく、オンラインで繋がり、協力や対戦プレイを楽しむことができます。

 そんな便利さとは無縁のファミコン・スーパーファミコン時代は、誰かの家に集まり、本体に繋がったコントローラーをそれぞれ手にして、協力・対戦プレイを楽しんでいました。友達に囲まれ、他愛のない会話が飛び交う空間は、平凡ながらかけがえのない時間と言えます。

 しかし、時に熱中しすぎてしまい、ケンカや仲違いに発展することも少なからずありました。その原因はもちろん本人たちにありますが、そこまで過熱させるプレイ体験を提供するのはどんなゲームだったのか。当時を思い出しつつ、振り返ってみてください。

●味方だったはずの友達が、最大の敵に!?

 ケンカの原因になりやすいゲームといえば、対戦ゲームが最有力でしょう。ファミコン最初期だと、1983年12月発売の『ベースボール』が対戦ゲームの代表格です。ですが、この『ベースボール』以前から、ファミコンの対戦プレイは始まっていました。

 その作品は、ずばり『マリオブラザーズ』(1983年9月発売)です。分担して敵を倒していたはずが、友達の操作キャラが立ちふさがったり、下から押し上げて妨害したりと、ケンカの火種が尽きません。特に、敵を倒そうと思った瞬間に復活させられると、友情崩壊ゲージがたちまちレッドゾーンに突入します。

『マリオブラザーズ』のように、協力プレイなのに味方を追い詰められるゲームは、ファミコンだけでも複数存在しました。特に有名なのは、命綱の風船を割り合うプレイに発展しやすい『バルーンファイト』、遅れた方がミスになるので山登り合戦になる『アイスクライマー』なども、過熱しがちなゲームとして名を馳せています。

 こうした作品のユニークなところは、ゲーム性自体は協力プレイの範疇にありながら、対戦ゲームとしても機能する点でしょう。最初から対戦ツールとして楽しむ場合もあれば、仲良く協力していたはずなのに気づけば対戦プレイになっていることも。そうした境目のない自由なプレイスタイルも、過熱の理由だったのかもしれません。

■ボードゲームや対戦ゲームでも友情破壊!

『ストリートファイターII』から始まった対戦格闘ブームは、特に友情が試された

●友情は、ボードゲームでも試された

 ファミコンも時代が進むと、ゲームジャンルがどんどんと広がっていきました。そしてボードゲーム系の登場により、新たな火種が舞い込みます。

 友情を揺るがしかねない白熱ボードゲームの代表とも言えるのが、『桃太郎電鉄』でしょう。馴染のある「日本」を舞台にした親しみやすさと、シンプルで分かりやすいルールで多くの人々を魅了した名シリーズです。

 記念すべき1作品目は、ファミコンソフト(1988年12月発売)として登場。この頃はまだ貧乏神はおらず、粗削りな部分もありましたが、続編のPCエンジンソフト『スーパー桃太郎電鉄』(1989年9月)でブラッシュアップされ、ボードゲーム対戦を大いに流行らせました。なかには、修学旅行に持ち込み、宿泊先にある部屋のテレビに繋いで、同級生同士でプレイする猛者もいたほどです。

 またファミコンからは、『いただきストリート 〜私のお店によってって〜』(1991年3月発売)も登場。こちらはモノポリータイプのボードゲームで、物件購入の見極めとサイコロ運に左右される展開が白熱しました。

 こちらはスーパーファミコンソフトですが、『決戦!ドカポン王国IV 〜伝説の勇者たち〜』(1993年12月発売)の対戦も非常にヒートアップしました。タイトルにある「IV」は4作目という意味ではなく、4人で遊べることを示しています。

 ボードゲームはサイコロやルーレットを使って移動する作品が多く、勝敗は運の要素に左右されます。つまり運が向かないと勝つのは難しく、そこで沸点を超えるケースもありました。運の良さばかりは操作できないので、過熱もやむなしかもしれません。

●スーファミ時代に盛り上がった対戦ゲームの数々

 協力プレイでのバトルやボードゲームを取り上げましたが、熱を上げてしまう最有力ジャンルはやはり、対戦ゲームでしょう。特にスーパーファミコン時代になると、対戦格闘やレースゲームなどで激戦が繰り広げられました。

 ゲームセンターで大ヒットを飛ばした『ストリートファイターII』(以下、ストII)は、スーファミでも対戦格闘ブームを起こします。それまでお金を入れないと遊べなかった『ストII』が家で遊び放題に──そのセンセーショナルな事態にゲームファンは熱狂し、友達同士で飽くことなき対戦プレイを繰り返します。

 しかし対戦格闘ゲームは、1戦ごとの時間が短く、集中して遊べば何十回と戦うことも珍しくありません。両者の腕が拮抗していればまだしも、偏りがあると一方的に負けが続くので、気持ちが折れてしまうのも無理のない話でしょう。

 スーファミ向けの対戦ゲームと言えば、外せないのが『スーパーマリオカート』(1992年8月発売)です。シリーズ1作目ながらすでに完成度が高く、純粋なドライビングテクニックだけではなく、獲得したアイテムでの一発逆転も刺激的な要素でした。ただし、こうらをぶつけ合うたびに友情が試されていた一面も否めません。

 またスーファミの時代は、同時にPCエンジンやメガドライブが活躍した時期でもあります。PCエンジンにおける定番の対戦ゲームと言えば、『ボンバーマン』(1990年12月発売)を思い出す人も多いはず。同名のゲームはファミコンにもありましたが、PCエンジン版で5人対戦を初実装。生き残りをかけた5人のバトルロイヤルは、手に汗握る緊張感の連続でした。

 メガドライブにも対戦ゲームが多数ありましたが、特に印象深いのが『ぷよぷよ』。当時、『テトリス』の大ヒットをきっかけにパズルゲームが注目を集めましたが、『ぷよぷよ』は多くのライバルたちを押しのけて活躍し、その名を知らしめました。

『ぷよぷよ』はアーケード版に続いてメガドライブ版(1992年12月発売)が登場し、こちらも家で好きなだけ遊べる状態になりました。どれだけ連鎖できるかが勝負を分けるため、その腕前の差が友情に影響を及ぼすケースも。遊び放題が悲劇を招きかねないのは、なんとも切ない話です。

* * *

 取り上げたゲームはいずれも人気が高く、後にシリーズ化や新展開を遂げたものばかり。また、この他にもさまざまな作品が、友情を揺るがすほどの影響を与えたものです。ケンカするほど面白いゲームという娯楽は、昔も今も罪作りな存在なのかもしれません。

(臥待)

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