クソゲーと名高い『いっき』を平成生まれが初体験! 満喫した「脱力感」「声出そう」
マグミクス / 2023年2月15日 7時10分
■平成生まれライターが『いっき』本来の魅力を体験
サン電子によって開発され、2023年2月15日(水)の発売が決定したアクションゲーム『いっき団結』。同作は「元祖クソゲー」と呼ばれた『いっき』(ファミコン版)のテイストをそのままに、最大16人のプレイヤーが同時に楽しめるオンライン機能を実装しています。この発表は1980年代にリアルタイムで『いっき』に触れた世代をはじめ、同作に触れたことがないユーザー層の関心も一定数集めました。
未経験ユーザー層と同じく、平成生まれの筆者はこれまで『いっき』に触れる機会がありませんでした。もちろん職業柄、ゲーム内容や評判について大まかな情報は頭に入っていましたが、実際のプレイフィールまでは抑えていません。そこで気になったのが、「令和に復活を遂げた『いっき』はどんなゲームなのか?」という点です。
そこで今回は『いっき団結』を受けて話題に上がった『いっき』の魅力を体験するべく、ファミコン移植の元となった「アーケード版」に注目。Nintendo Switchで配信中のアーケードアーカイブスを遊びつつ、本来のゲーム性や「バカゲー」と言われるゆえんを確認しました。
まずは『いっき』のストーリーから見てみましょう。本作の主役はお百姓の「権べ(1P)」と「田吾(2P)」。ふたりは厳しい取り立て(年貢)を行う代官を懲らしめるべく、鎌や竹やりを手にとって「一揆」を企てます。ゲーム開始から1分足らずで判明する衝撃の事実。「たったふたりで一揆?」「もっと大勢でやるものじゃないの?」といったこのツッコミ要素が、本作を「クソゲー(バカゲー)」として一躍有名にさせたのではないでしょうか。
続いては一連のプレイ方法をご紹介します。流れとしては「ステージ内を移動」「敵を倒しつつ小判を探索」「小判を8枚集めてステージクリア」というもの。権べ(田吾)の攻撃手段は投擲(とうてき)可能な「鎌」。これを敵キャラに投げつけ、周囲の安全を確保しながら小判探しに励みます。
また時おり見つかる「巻物」は、得点アップ・移動スピード上昇などいくつかメリットがあり、拾っておくとゲーム攻略に役立ちます。運良く「竹やり」を装備できれば儲けもの。鎌と比べて攻撃範囲は狭まるものの、「前方に対して強力な攻撃判定」+「移動スピード上昇」といった補正がかかり、群がる敵キャラを一突きで沈める爽快感が味わえます(一部アイテムや仕様がファミコン版と異なります)。
完全な初見プレイでアーケード版『いっき』にチャレンジした筆者。38年前の作品ですが、率直に「今遊んでも楽しい!」と思えるほど、『いっき』はアクションゲームとして分かりやすくまとまっていました。
■令和でも通用する、アクションゲームとしての面白さ
アーケード版のみで挿入される幕間シーン。方言まじりで代官に文句をぶつける権べや、一揆を前に動じない代官の姿がシュールに映し出される (C)SUNSOFT Arcade Archives Series Produced by HAMSTER Co.
本作の感想を述べるなら、「シンプルだからこそ時代を越えて楽しめる」。このひと言に尽きます。見下ろし視点でステージを突き進む。敵キャラは撃退するか回避する。目標物(小判)をしっかり集める……『いっき』の基本ルーティーンは至極単純ですが、ゆえに分かりやすく、いつ遊んでも色あせないポテンシャルが感じられました。操作系統で特に不便な点(理不尽な当たり判定など)も見当たらないため、今回のプレイで大きな不満を抱くことはありませんでした(あくまで筆者の感想です)。
そして何より、本作の世界観はユーモアにあふれています。「忍者」「悪霊」「腰元」といった個性豊かな敵キャラクターはその最たる例と言えるでしょう。あまり麗しくない腰元から抱きつかれた時には、思わず権べとシンクロして声を荒げてしまいたくなるほど。一方で千両箱を見つけて大笑いする権べに戸惑い、無防備な状態を狙って攻撃された暁には、何とも言えない脱力感が全身を包み込みます。
そもそも、題材からして独創的と言わざるをえない『いっき』。本作に込められたサンソフトのセンスが、どんな形であれ誕生から現在まで話題になっているのも事実です。装い新たに令和で名乗りを上げた『いっき』は、またもやゲーム史に爪痕を残すのでしょうか。
(龍田優貴)
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