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『鬼滅の刃』堕姫と妓夫太郎は本当に「弱くてダメな鬼」だった? 兄妹最大の弱点とは

マグミクス / 2023年2月11日 15時10分

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■堕姫は、最高に美しく、狂暴で「弱い鬼」?

 2023年2月3日から公開がスタートした映画『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』は、すべり出しも上々。公開3日間で観客動員81万3422人、興行収入11億5876万5410円を記録しました。

 この映画は、TVアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』の第10話と第11話、そして2023年4月から放送されるTVアニメ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』の第1話で構成されたものです。そのため、「すでにTVで見たものなのに……」「これからTVで放送するものなのに……」という声もありました。

 しかし、実際に映画館の大きなスクリーンで観るド派手な「遊郭編」は、街全体が燃える、戦いのスケール感を改めて知り、音柱・宇髄天元様の華麗な攻撃は派手派手で心躍るし、「刀鍛冶の里編」冒頭では、無限城に魂ごと吸い込まれそうで……。筆者としては「映画にしてくれて、ありがとう」という感謝の気持ちが自然と湧きあがりました。

「遊郭編」で天元、炭治郎、伊之助、善逸らが上弦の陸を倒したことによって、物語は大きく動きます。上弦の鬼と言えば、「無限列車編」で炎柱・煉獄杏寿郎を倒した猗窩座は上弦の参で、圧巻の攻撃力でした。

「遊郭編」で登場した上弦の陸・妓夫太郎と堕姫の兄妹は、上弦の鬼のなかでは最も低い位の「陸」。無惨は、堕姫の美しさは気に入っていたようで、わざわざ訪ねて「期待している」「特別な鬼」と甘い言葉をささやきながらも、倒された後には手のひらを返すような発言もします。この記事では、上弦の陸のふたりは、本当に弱くてダメな鬼だったのかを考えてみます。

●なぜ、堕姫は弱く見えてしまうのか 頸を斬られた回数は弱さの証?

「無限列車編」では、煉獄さんの訃報を聞いた天元が、「上弦の鬼には煉獄でさえ負けるのか」とつぶやいていました。現役の柱たちは、誰も上弦の鬼と戦ったことはなく、その強さは未知のものだったのです……。堕姫と妓夫太郎の場合も、何柱と、どのように戦ったかという詳細は分かりませんが、堕姫が7人、妓夫太郎が15人の柱を殺しているほど。ふたりの頸を同時に斬らなければ倒せないという特殊な事情もあり、柱であってもひとりで彼らを倒すのは無理だと考えられます。

 しかし、上弦の陸が弱いと見られてしまうひとつ目の理由として、妹の堕姫が天元にあっけなく頸を斬られたことが挙げられるでしょう。もちろん、堕姫は善逸を一撃で気絶させるほどの腕力もあれば、伊之助の追跡をかわすほどの素早さもあります。そして、炭治郎は、水の呼吸の技では堕姫には太刀打ちできませんでした。

 しかし、禰豆子の血鬼術・爆血で燃やされて大きなダメージをくらっていたとはいえ、堕姫本人が気付かないくらいサクッと頸を斬られるというのは、天元の言葉を借りれば「弱すぎなんだよ」と見られても仕方ないかもしれません……。

 しかも、その後もう一度、天元に頸を斬られていますし、伊之助にも斬られ、頸を抱えて逃げられるという恥ずかしい目にも合っています。そして、最後は善逸と伊之助に斬られて、計4度も頸を斬られているのですから、「弱い」と言われるのは、やはり仕方なさそうです。

 そして、堕姫が弱そうに見える一番の原因は、「子供っぽさ」ではないでしょうか。最初に天元に頸を斬られた時には、「ほんとにアタシは上弦の陸だもん」「お兄ちゃああん」とギャン泣きしていますし、「みんなで邪魔してアタシをいじめたの!!」と、自分勝手なチクりもします。花魁として過ごしている時にも、わがままで傲慢。年端も行かない禿(かむろ)をいじめて泣かしていました。そんな幼い子供のように、感情をコントロールできないところも、彼女が「弱く」見えてしまうところです。

■兄・妓夫太郎の「誤算」と「弱点」とは!?

涙なしでは見られない上弦の陸の物語も見られる『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』本ポスター (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

●強いはずの兄が、なぜ負けたのか? 最大の弱点は……

 堕姫の背中から出てきた兄・妓夫太郎こそ、上弦の陸の実力を持つ、強い鬼でした。無惨も妓夫太郎のことは認めていました。にもかかわらず、なぜ、妓夫太郎は負けたのでしょう?

 最大の誤算は、元忍の天元が毒耐性を身につけていて、妓夫太郎の血鬼術で発生した猛毒を含む斬撃を受けても戦い続けられたことです。山育ちの伊之助も毒耐性があり、「内臓の位置をズラす」(本人談)ことができたのも大誤算。

 さらに、天元に妻が3人もいて、彼女たちが優秀な元「くのいち」だったことは大きいでしょう。彼女たちは多少なりとも戦ったり、住民を迅速に避難させたりしたばかりか、雛鶴にいたっては毒を塗った大量のクナイを撃ちこんで加勢したりしました。

 クナイを撃った後、妓夫太郎に襲われた雛鶴を救うために炭治郎は水の呼吸とヒノカミ神楽を合わせて使う技を見出します。その後も、隠し持ったクナイを妓夫太郎に刺して、頸を斬るまであと一歩に迫るなど、戦いにだけでなく、炭治郎の心身の成長にも大いに影響を与えたのです。妓夫太郎は、妻が3人いる天元をうらやみはしましたが、彼女たちの戦闘能力など歯牙にもかけていなかったでしょう。しかし、彼女たちの活躍が被害を最小限にとどめ、妓夫太郎を追い詰める「誤算」のひとつになったのです。

 妓夫太郎の特徴として、不思議なほど「おしゃべり」であることも挙げられます。イケメンな天元を褒めたり、うらやんだり、ねたんだり……。炭治郎に対しては、小馬鹿にしたり、さげずんだりと、かなりひどい言葉も多いですが、「おしゃべり」であることには変わりありません。

 伊之助の胸を刺した後は、天元も善逸も身動きが取れず、炭治郎も気絶していたので、一人ひとりとどめをさして回ればいいものを、妓夫太郎はそれをせず、目を覚ました炭治郎を挑発し続け、妹・禰豆子のために鬼になれと誘うほど……。

 この「妹のために」鬼になることを誘うというところに、妓夫太郎らしさと彼の弱さの最大の原因を見ることができます。妓夫太郎にとっては、すべてが「妹優先」です。妹のなかに入っていたのも、弱い相手ならば堕姫に倒させて彼女の自尊心を満足させてやり、妹がピンチになれば自分が出て、かわいい妹を守ればいいと思っていたからかもしれません。

 妓夫太郎の戦闘能力の高さや、ふたりの頸を同時に斬らなくてはいけないという、倒し方のやっかいさからすれば、もう少し上位になってもいい気はしますが、そこもまた妹の身を案じて、あえて「陸」に留まっていたのかとも考えられます。彼の場合、鬼になったのも「妹を救うため」であり、強いのも妹のため、そして同時に弱さもまた、妹を思うあまりの「人間らしさ」から生まれたものでした。

「人間らしさ」が上弦の陸の妓夫太郎と堕姫の「弱さ」でしたが、鬼として殺されてなお、兄妹の絆はけっして消えず、妹・梅(=堕姫)にとっては「最強の兄」だったことには間違いありません。

※禰豆子の「禰」は「ネ」+「爾」が正しい表記

(山田晃子)

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